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おと・す【落とす(墜とす・堕とす)】🔗🔉

おと・す【落とす(墜とす・堕とす)】 他五 上から下へ物の重みで物を移動させる。落下させる。 「シャベルで屋根の雪を━」 「ブランデーを紅茶に━(=垂らす)」 「突き━・蹴━」 意図的でない行為にもいう。「うっかり本を床に━」「野手がフライを━(=受け損なう)」 くっついているもの(特に、不要物)を取り除く。また、不要なふくらみやでっぱりなどを取り除いたり減らしたりする。 「汚れ[厄やく]を━」 「贅肉ぜいにくを━」 「洗い━・はらい━・そぎ━」 身につけていた物をなくす。紛失する。 「どこかで定期券を━・したらしい」 身に備わったものをなくす。 「命を━(=死ぬ。⇔拾う)」 「力[気]を━(=落胆する)」 光・視線などをものの上に注ぐ。また、光や光の当たった物が物の上に影や像を作る。 「主役の顔にライトを━」 「新聞に目を━(=移す)」 「月が水面に影を━」 「父の病気が家庭に暗い影を━」 含まれているべきものをもらす。ぬかす。また、故意に除外する。 「入力ミスで仮名を一字━」 「そのイベントは来期の計画から━・しました」 「見━」 将棋で対戦するとき、強い方が駒こまを減らす。 「飛車を━・して対戦する」 試験などで、不合格にする。落第にする。また、選挙で落選させる。 「一次試験で半数を━」 「次の選挙で━・されるだろう」 大切な試合を取り逃がす。また、定期試験などで合格点をとれずに終わる。 「第一セットを━」 「平幕相手に星を━」 「第二外国語を━・して留年する」 〔古い言い方で〕ひそかに逃がす。 「若殿を紀伊山中に━」 腰や肩などの位置を普通の高さより低くする。 「腰を━・して(=腰を入れた安定した姿勢で)構える」 「がっくりと肩を━」 物事の程度を劣った(また、低い)状態にする。 「一軍から二軍に━・される」 「質[音量]を━」 「声を━(=小声になる)」 「ガスの火を━(=弱くする・消す)」 「話を━(=俗悪・下品にする)」 「失政続きで人気を落とす」「二年連続して売り上げを落とす」など、無意志的な意味でも使うが、この場合は、ほとんど意味を変えることなく、自動詞「〜が落ちる」で言い換えることができる。 〔やや古い言い方で〕悪く言う。おとしめる。 「目薬の瓶が歩くようであろうと━に一葉 よくない状態に立ち至らせる。陥れる。 「人を窮地に━」 「罪に━」 問いつめて白状させる。また、強く迫って自分の意見に従わせる。 「容疑者を━(=自供させる)」 「意中の人を━(=陥落させる)」 「泣き━」 《「…に身を━」の形で》おちぶれて、前よりも好ましくない状態や環境などに身を置く。 「苦界くがいに身を━」 その人の所有に帰するようにする。また、入札で落札する。 「オークションでゴッホの作品を━」 「港湾工事はわが社が━・したい(=落札したい)」 物事の決まりをつける。 「飲食代を経費で━(=処理する)」 コンピューターで、データをある媒体から他の媒体へ移す。 「ハードディスクからフロッピーにデータを━」 城などを攻め取る。攻め落とす。陥落させる。 「本丸を━」 柔道などで、気を失わせる。気絶させる。 「絞め技で━」 落語で、落ちをつけて話をしめくくる。 「下げは地口じぐちで━・して笑わせる」 〔俗〕電源を切る。 「パソコンの電源を━」 〔俗〕口説いて承諾させる。口説き落とす。 「美女を━」 ◆「墜」は「敵機を墜とす」のように重い物を落とす場合に使い、「堕」は「堕落」をふまえてに好まれるほか「地獄に堕とす」などと使うが、今は一般に「落」でまかなう。 落とせる「この試合は落とせない」 落とし 関連語 大分類‖落ちる‖おちる 中分類‖落下‖らっか

明鏡国語辞典 ページ 885 での落とす(墜とす単語。