複数辞典一括検索+
かかり‐ゆ【掛かり湯】🔗⭐🔉
かかり‐ゆ【掛かり湯】

名
風呂ふろから上がるときに体にかける、きれいな湯。上がり湯。陸湯おかゆ。




かか・る【▼罹る】🔗⭐🔉
かか・る【▼罹る】

自五
病気や災難など、好ましくないものに取り込まれる。特に、病気になる。
「病気[風邪]に━」
「拷問に━(=遭う)」
◇「掛かる」と同語源。
病気以外の場合は「掛かる」とも。





かか・る【掛かる(懸かる・架かる・係る)】🔗⭐🔉
かか・る【掛かる(懸かる・架かる・係る)】

自五
止められたりひっかけられたり掲げられたりして、(高い所で)落下が食い止められた状態にある。また、そのような感じで中空に位置したり出現したりする。
「壁に絵が━・っている」
「電線に凧たこが━・っている」
「鼻の先に眼鏡が━・っている」
「十字架に架かって死ぬ」
「中天に月が懸かる」
「空に虹にじが懸かる」
「懸かる」「架かる」とも。
火に当てるために、容器が上からつるされたり上に置かれたりする。
「鍋なべが囲炉裏[火]に━・っている」
身体のある部分が他にふれたりひっかかったりする。
「刀に手が━」
「引き金に指が━」
「徳俵に足が━」
「額に髪が━」
はかりに受け止められ、重さが計測される。
「目方が━(=重い)物は宅配便にする」
◇竿さおばかりにぶらさがる意から。
重みや重力の作用がそこに及ぶ。
「両腕に荷物の重みがずしりと━」
「体重が左足に━」
「重力[電圧]が━」
〔古い言い方で〕船が停泊する。係留される。
「船が桟橋に━・っている」
《「目に━」の形で》〔古風な言い方で〕目に留まる。
「半弓を以て目に━敵を射て…
外
」
《「…にお目に━」の形で》お会いする。
「あなたにお目に━のを楽しみにしています」
「お初にお目に━・ります(=初対面にいう挨拶あいさつのことば)」
物事が決着をみず、心が落ち着かない。
「試験のことが心に━」
「試合の結果が気に━」
「懸かる」とも。
《「AにBが━」の形で》AにBを左右する決定権が負わされる。
「この一番には優勝が懸かっている」
「これは私の信用が懸かった仕事なのです」
「懸かる」とも。
しかけが働いて、本体が動かないように固定される。
「鍵かぎが━」
「両手に手錠が━」
「ホックがうまく━・らない」
「ブレーキが━」
装置が動いて機能が働く。特に、オーディオ装置から音が出る。
「車が冷えきってエンジンが━・らない」
「五時になると目覚ましが━」
「店内にはジャズが━・って(=鳴って)いる」
「一晩中ラジオが━・っていた」
片方から他方へまたぐように渡される。架け渡される。
「本州・四国間に橋が━」
「国道をまたいで高圧線が━」
「歩道橋に横断幕が━・っている」
ふつう「架かる」と書く。
縄・ひもなどが物のまわりに渡される。掛け渡される。
「積み荷にロープが━・っている」
「包みに水引が━・っている」
張りめぐらすようにして作られる。また、芝居小屋などが仮設される。
「天井にクモの巣が━・っている」
「空き地に芝居小屋が━」
劇場で芝居や映画が興行される。上演・上映される。
「○○座に忠臣蔵[新作落語]が━・っている」
◇小屋を仮設して行ったことから。
霧や雲など、視界をさえぎるものが辺りを覆うように広がる。
「一面に霧[ガス]が━」
「頂上に雲が━」
「懸かる」とも。
液状または粉末状のものが体の一部などに浴びせられる。
「衣服にしぶきが━」
「粉雪が肩に━」
「酒臭い息が顔に━」
「頭にほこりが━」
料理に調味料の類が注ぎかけられる。
「粉チーズの━・ったスパゲッティ」
「あんの━・った焼きそば」
「━・って」「━・った」の形で使う。
相手の発した動作やことばが身に及ぶ。
「観客席から声が━」
「『全員休め』の号令が━」
「接待の口[呼び出し]が━」
「企画推進にストップが━(=中止を求められる)」
「若旦那からお座敷が━」
迷惑や負担など、好ましくないことが身に及ぶ。また、他が抱いた情念の影響などが身に及ぶ。
「他人に迷惑が━」
「何かと世話の━人だ」
「調査委員会に圧力が━」
「優勝の期待が━」
「謀反の疑いが━」
相手にしかけた技や術が有効に決まる。
「名人には必殺技も━・らない」
「麻酔[魔法]が━」

と異なり、
術
が主語になる言い方。
魔術などの術が効いて、自分で自分が制御できない状態になる。
「魔法[暗示・催眠術]に━」

と異なり、
人
が主語になる言い方。
物の表面を一面に覆う。
「食卓にテーブルクロスが━・っている」
「廊下にはワックスが━・っている」
「釉薬うわぐすりの━・った茶碗ちゃわん」
道具類の作用がある物や場所に及ぶ。また、それが整った状態になる。
「シャツにアイロンが━・っている」
「仕上げの鉋かんなが━」
「掃除機の━・った床」
時間・費用・労力を使うことが必要になる。特に、義務として税の負担を強いられる。課税される。
「一人前になるには時間が━」
「手数料[手間]が━」
「完成までに一年[五億円]は━」
「輸入時には関税が━」
〔慣用句的に〕作用を及ぼすことによって、力(状態)が、生み(作り)出される。
「仕事にエンジンが━(=本調子になる)」
「髪にパーマが━」
「芸に磨きが━(=洗練度を増してさらに立派になる)」
仕事に従事する。携わる。
「現在長編の創作に━・っている」
「名簿の整理に━・っているところだ」
物事に着手する。取りかかる。
「次の作業に━までしばらく休もう」
「今すぐ準備に━・れ!」
《「て(で)━」の形で》そのようなしかたで物事に対処する。
「心して━ことが肝心だ」
「いい人だと決めて━のは危険だ」
「敵をなめて━」
《「に━」の形で》取りかかりや手始めの行為として…をする。
「弱いと見るとすぐさま脅しに━」
「早速引き止めに━・ったが、どうしても応じない」
「侵入の痕跡こんせきを消しに━・った形跡がある」
《「…(よ)うと━」の形で》「…しようとする」を強めていう語。積極的な態度や姿勢で対処する。
「あの手この手で説得しようと━・ってくる」
ある場所を通過しようとして、ちょうどその地点までくる。さしかかる。
「上り坂に━ところでK君に会った」

人
ではなく
道
を主語にして、行路の変化を述べる言い方もできる。「道路が湖畔に━辺りで車が故障した」
今では「さしかかる」が一般的。また、「かかる」と違って「さしかかる」は、その場に到達する一歩手前といった趣で使う。
時が経過して、ある時期や場面になる。さしかかる。
「試合は終盤に━・って緊迫した展開となった」
《「鼻に━」の形で》発声のとき、音が鼻腔びこうで共鳴したり鼻から出たりする。
「風邪で声が鼻に━・って聞き苦しい」
「鼻に━・った声で歌う」
戦いを挑む形で相手とかかわりをもつ。立ち向かう。向かう。
「者ども、━・れ!」
「束になって━・って来た」
「食って━・殴り━・つかみ━・突っ━」
医者の診察・治療を受ける。
「すぐに医者に━・りなさい」
《「…の手に━」などの形で》…によって直接的に処理される。特に、…に殺される。
「名人の手に━と五分でできる」
「彼(の手)に━・ってはまとまる話もまとまらない」
「敵の手に━」
網・針などのしかけで動物が捕らえられる。また、人が検問などでひっかかる。
「ウサギが猟師のわなに━」
「魚が網に━」
「ハエがクモの巣に━」
「検問に━」
人が計略などに遭ってだまされる。
「ペテン[計略]に━」
生命・財産などが保障される契約が結ばれる。
「この家屋には保険が━・っている」
議案などが公の場で取り上げられる。
「案件が会議に━」
「毒殺事件が裁判に━」
「懸かる」を使うが、かな書きが多い。
そのような性質・傾向を帯びる。
「青みの━・った緑色」
「すごみの━・った(=利いた)声」
「回転の━・った球」
「━・った」「━・って」の形が多い。
《連体形を使って》物事に関係する。かかわる。
「本件に━陳述書」
「施策に━案件」
ふつう「係る」と書く。
《「…の」+動作性サ変動詞の語幹(A)+「に━」の形で、連体形を使って》…がAするところの。…がAした。
「兄の所有に━(=兄が所有する)屋敷」
「止利仏師とりぶっしの制作に━仏像」
「係る」を使うが、かな書きも多い。
《「AがBに━・っている」の形で》問題点AがBと深くかかわっている。…に左右される。…による。
「事の成否は努力いかんに━・っている」
「賜杯の行方は新大関の活躍に━・っている」
「係る」を使うが、かな書きも多い。
文法で、上の語句が下の語句に意味や形のうえで続いていく関係にある。
「この副詞は文末の動詞に━・っている」
⇔受ける
ふつう「係る」と書く。

動五
《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》
今にも…しようとする。かける。
「日が沈み━」
「死に━・おぼれ━」
その方向に作用を及ぼして身を任せる。
「もたれ━・寄り━・倒れ━・のし━」
物事をしはじめる。
「取り━・やり━・し━」

接尾
《名詞に付いて、「がかる」の形で》
…の性質を帯びる意を表す。
「芝居━・った声」
「時代━・った建物」
「左━・った意見」
…の色を帯びる意を表す。
「紫[黄色・黒み・オレンジ]━・った赤い色」
◆
「掛」は広く一般に使うが、かな書きも多く(特に
以下)、実質的な意味が薄れたものは積極的にかな書きにされる(「お金がかかる・仕事にかかる・医者にかかる・脅しにかかる」)。「懸」は、宙づりになってぶらさがる・心にかかる意味合いで


、
の一部などで使い、「係」はかかわる意味合いで
〜
に使うが、かな書きも多い。「架」は
と
の一部に使う。
はかな書きが普通。
かかれる
掛かり・係
関連語
大分類‖関係‖かんけい
中分類‖関係‖かんけい
大分類‖水に関わる行為‖みずにかかわるこうい
中分類‖浴びる‖あびる




















































































































明鏡国語辞典 ページ 1078。