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名詞サ変動詞🔗⭐🔉
名詞サ変動詞
「挨拶」「勉強」など「する」を付けて、全体で動詞としても用いられるものは、
名・自サ変


名・他サ変
などと示す。名詞サ変動詞には、「ライトが点滅する/ライトを点滅する」のように自動詞としても他動詞としても用いられるものが多い。これらは
名・自他サ変
と示す。
動詞は、「水を凍らせる」のように自動詞の使役の形で他動的な意味(対象への意図的な働きかけ)を表したり、「荷物が山のように積まれている」のように他動詞の受身の形で自動的な意味(ものの変化や状態など)を表したりすることがある(「せる」
、「れる」
参照)。
名詞サ変動詞でも、「ライトを
点滅する/点滅させる」、「一体化した/一体化された
テレビ」のように、他動詞用法と自動詞の使役の形、自動詞用法と他動詞の受身の形がほぼ同じように使われることがある。これらの用法について実態を調査し、語によって明らかな傾向が見られるものを中心に、適宜、
で次のような説明をする。
てい‐げん【低減】

名・自他サ変
…
「〜を
低減する/低減させる」は、ともによく用いられる。
てん‐めつ【点滅】

名・自他サ変
…
「〜を
点滅する/点滅させる」では後者が一般的。
ぜん‐めつ【全滅】

名・自サ変
…
「敵軍を全滅する」のような他動詞用法もまれに用いられるが、「全滅させる」の形が標準的。
「〜を○○させる」には、「太郎が花子にライトを点滅させる」のような一般的な使役用法もある。他動的表現はこれとは異なり、「太郎が車のライトを点滅させる」のようなものをいう。前者が「花子がライトを点滅する→花子にライトを点滅させる」と言えるのに対し、後者の他動的表現は、「車のライトが点滅する→× 車のライトに点滅させる」のように、元の主語を「〜に」で言えない。また、一般の受身では「花子が(太郎に)訴えられた」のように、実際に働きかけを行った「太郎」の存在が表現の前提となるが、自動的表現の「一体化されたテレビ」では、実際に働きかけた「技術者」などの存在は問題にされない。ただし、使役と他動的表現、受身と自動的表現の判別が困難なものも多く、本書では、同じ文脈で「〜を
○○する/○○させる」「〜が
○○する/○○される」のどれが使われているかという実態を重視して、上のような説明をする。
「消耗する」や「持続する」のように、他動詞用法では「〜を」に自分のもの(体の一部や所有物など)しかとれないものもある(再帰的用法)。「(自分の)スタミナを
消耗する/消耗させる」「相手のスタミナを消耗させる」、「(彼への)愛情を
持続する/持続させる」「彼の愛情を持続させる」。このようなものについても、適宜、
に示す。
じ‐ぞく【持続】

名・自他サ変
…
自らの状態を維持する場合は、「好調[集中力]を
持続した/持続させた」のように「持続する」「持続させる」のどちらもともに使われる。他に働きかける場合は、「ハーブが保湿効果を持続させる」「彼の愛情を持続させる」のように「持続させる」を使う。
他動詞用法と自動詞の使役の形とで、ニュアンスに違いが生じることも多い。自動詞の使役の形には、動きや状態を自分で制御するニュアンスが強くなることが多い。そのため、「警官の指示で車を移動させた」「三日間で体重を増加させる」のように他からの働きかけや期間の限定がある場合や、「茶葉をからからに乾燥させる」のように新たな状態を出現させる場合は、自動詞の使役の形が使われやすい。特に、「政府はA社の営業を停止させた」「警官が太郎の車を移動した」のような、持ち物への働きかけでは、使役との区別がつきにくくなる。また、「そのままライトを点滅させている」「細菌を増殖させたままにする」のように放置・放任を表す場合も、使役の形が使われやすい(「せる」
)。これも意図的な状態維持のあり方と考えられる。
多くの動詞では、「〜を○○する」(他動詞用法)が多ければ「〜が○○される」(他動詞の受身の形)も多く、「〜が○○する」(自動詞用法)が多ければ「〜を○○させる」(自動詞の使役の形)も多いという傾向があるが、「露呈する」「輩出する」のように「○○する」の形が使われやすいものもある。これらについても、適宜、説明する。
ろ‐てい【露呈】

名・自他サ変
…
「〜が
露呈する/露呈される」「〜を
露呈する/露呈させる」ではともに前者が一般的。
はい‐しゅつ【輩出】

名・自他サ変
…
「〜が
輩出する/輩出される」はともに用いられる。「〜を
輩出する/輩出させる」では前者が一般的。「歴代の首相が
輩出した/輩出された
名門校」「歴代の首相を輩出した名門校」































































明鏡国語辞典 ページ 6833。