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【西遊記】🔗🔉

【西遊記】 サイユウキ〈書物〉一〇〇回。明ミンの呉承恩ゴショウオン(1500〜82)の著。1570年ごろ成立。章回(長編)口語小説。唐の高僧玄奘三蔵ゲンジョウサンゾウが天竺テンジク(インド)への道を踏破して中国に経典をもたらした史実に基づくもの。本書は、(一)孫悟空の生いたち、(二)玄奘の生いたち、(三)唐の太宗の地獄めぐり、(四)西天取経の旅からなっているが、小説の重点は量的にも大半を占める(一)(四)の部分にある。石から生まれた孫悟空が、仙人について神通力を習得し、天界の秩序に挑戦する痛快な物語や、孫悟空・猪八戒チョハッカイ・沙悟浄サゴジョウの三人が、つぎつぎに現れる奇想天外の妖魔と戦いを交える八一種の物語は、今日までどれほど多くの読者を魅了してきたかはかり知れない。西天取経の史実は、唐末に伝説化しはじめ、講釈師によって語られたり、舞台にのぼせられたりするうちに、民衆の好みに応じた創作・取捨・改作が加えられて豊かに成長した。日本では、江戸時代に『通俗西遊記』『絵本西遊全伝』など、口木山人(西田維則)らによって不完全ながら翻訳紹介されて以来、児童読物としてひろく愛読され、今日なお流行している。四大奇書の一つ。

漢字源 ページ 4019 での西遊記単語。