複数辞典一括検索+
【三国志】🔗⭐🔉
【三国志】
サンゴクシ〈書物〉六五巻。西晋セイシンの歴史家陳寿チンジュ(233〜297)の著。成立年代不明。漢王朝没落のあと、魏ギ・蜀ショク・呉ゴの三国が天下に覇を争った、いわゆる三国時代のことを記した正史。『魏志』三〇巻、『蜀志』一五巻、『呉志』二〇巻から成る。これらはもとは別々の書であったが、北宋ホクソウ時代に合わせて出版されてから、『三国志』と称せられるようになったもの。原著の簡潔で格調高い名文は、正史中でも屈指のものとされているが、やや史実の記載が簡略にすぎるため、南朝宋の裴松之ハイショウシの補注ができてからは、それと合わせて出版されることが多い。なお、元ゲン代に羅貫中ラカンチュウが完成した小説『三国演義』はこの書に素材をとっているが、まったく別の書である。また、日本古代史で問題になる邪馬台国ヤマタイコクについての「魏志倭人伝」とは、『魏志』の東夷伝の中の倭(日本)に関する部分をさし、その当時の日本の政治・地理・風俗・物産などの状況を知る上での貴重な手がかりとなっている。二十四史の一つ。
漢字源 ページ 44 での【三国志】単語。