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【古文真宝】🔗⭐🔉
【古文真宝】
コブンシンポウ〈書物〉前集一〇巻、後集一〇巻。元ゲンの黄堅コウケンの編。成立年代不詳。一四世紀の半ばすぎには出版されていた。戦国時代から南宋ナンソウにいたる有名な詩や文章の選集。もともと塾の教科書として編まれたものであるが、屈原クツゲンの「漁父ギョホの辞」、曹植ソウショクの「七歩の詩」、諸葛亮ショカツリョウの「出師スイシの表」、陶潜トウセンの「帰去来の辞」、李白リハクの「王昭君」「春夜桃李園に宴するの序」、杜甫トホの「兵車行」、蘇軾ソショクの「赤壁の賦」、孟郊モウコウの「遊子吟」、などの、代表的な詩文をよく集めているので、元代から明ミン代にかけてひろく流布した。日本では、室町時代に禅僧の間でもてはやされ、五山版として覆刻されたほか、注釈書もいくつかつくられた。江戸時代中期以後は、『文章軌範』の方がよく読まれるようになって、やや流行に衰えを見せたが、『文章軌範』がもっぱら唐・宋ソウ代の古文を集めているのに対して、『古文真宝』には唐以前の詩文をも一覧できるという長所があり、明治から今日にいたるまで、漢文の教科書としての価値を保っている。
漢字源 ページ 707 での【古文真宝】単語。