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【世説新語】🔗🔉

【世説新語】 セセツシンゴ〈書物〉三巻。南北朝時代、宋ソウの劉義慶リュウギケイ(403〜44)の編。五世紀半ばごろ成立。後漢末から東晋末にいたる知識人のエピソードを集めたもの。逸話の特徴や人物の性格により、徳行・言語・文学・方正など、三六編に分類してある。賞誉ショウヨ・品藻ヒンソウ・容止ヨウシの各篇には人物を批評する話が多く収められているが、これは、そのころ知識人の間に流行していた人物批評の風潮が背景となっている。曹操ソウソウが若いころ「乱世の英雄、治世の姦賊カンゾク」としてその将来を見ぬかれたという有名な話は識鑑篇にのっている。本書は、簡潔な文章で人物や事件をあざやかに伝えており、文学作品として高い評価を与えられているが、同時に、清談流行の実態など、乱世に生きる知識人の姿を知るうえにも貴重な資料である。書名は、もと『世説』『劉義慶世説』、または『世説新書』と呼ばれていたが、宋以後に現在の名を用いるようになった。

漢字源 ページ 75 での世説新語単語。