複数辞典一括検索+![]()
![]()
【大唐西域記】🔗⭐🔉
【大唐西域記】
ダイトウセイイキキ〈書物〉一二巻。唐の僧、玄奘ゲンジョウ(620〜64)の著。646年に成立。玄奘が629年から45年にかけて行った西域・インドへの大旅行での見聞を、帰国後に唐の太宗(李世民)の勅命によって整理、記述した旅行記。全部で一四〇余か国にふれているが、そのうち一一〇余か国は玄奘が親しく訪れたもの。西域諸国について、それぞれの仏教事情、仏跡の状況について述べ、さらに気候・風土・習俗・地理・歴史にまで及んでいる。単なる旅行記というよりも、七世紀における中央アジア・インドに関する一大百科全書とでもいうべきものになっており、仏教史や歴史地理の研究にはもちろん、言語学や考古学の見地からも貴重な資料の宝庫ということができる。なお、玄奘のインド旅行が、明ミン代に流行した『西遊記』の素材となっていることは、あまりにも有名である。
漢字源 ページ 1042。