【私販】 シハン 許可なしに、政府の専売品や禁制品を売る。密売。個人の営業で売る。

【私欲】 シヨク 自分だけ利益を得ようとする欲望。「棄常法以従其私欲＝常法ヲ棄テモッテソノ私欲ニ従フ」〔→国語〕

【私属】 シゾク 自分の家で使う召使。『私従シジュウ・私徒シト』どれいのこと。▽王莽オウモウが、どれいという名称を改めた。

【私智】 シチ 自分ひとりだけの狭い知恵。「奮其私智而不師古＝ソノ私智ヲ奮ヒテ古ヲ師トセズ」〔→史記〕

【私費】 シヒ 公的な費用を自分かってに使うこと。官費・公費に対して、個人が負担する費用。

【私愛】 シアイ えこひいき。偏愛。〔→管子〕男がひそかに愛する女。

【私意】 シイ 個人的で自分かってな考え。

【私溺】 シデキ 特定の人だけを激しく愛すること。

【私腹】 シフク〔国〕「私腹を肥コやす」とは、公共の仕事を利用して自分の利益をはかること。

【私語】 シゴ 低い声でささやくこと。また、ひそひそばなし。「夜半無人私語時＝夜半人ナク私語セシ時」〔→白居易〕個人的な事がらについての頼み。

【私塾】 シジュク 個人で経営し個人の家で行う小規模の学校。私立の塾。

【私徳】 シトク 公徳に対して、自分一身に関する徳。公平でない恵み。えこひいき。

【私謁】 シエツ 個人的な頼み事などのためにひそかに身分の高い人にあう。「門不受私謁＝門ニ私謁ヲ受ケズ」〔→史記〕

【私蔵】 シゾウ 個人が所有してしまっておくこと。また、その物。

【私鋳】 シチュウ 鉄製品や貨幣を内密に個人が鋳造すること。▽漢代、鉄製品の鋳造は官営であった。

【私慝】 シトク 人に知られない悪事。

【私憤】 シフン 公憤に対して、個人的な事がらについての自分のいきどおり。『私忿シフン』

【私論】 シロン 個人の立場で主張するかってな意見。公論に対して、公然とでなく、ひそかに論ずること。