【三径】 サンケイ〈故事〉庭にある三つのこみち。隠者のすまいの庭にたとえる。▽漢代の人が庭に三つの道（三径）をつくり、松・菊・竹を植えたという故事から。「三径就荒、松菊猶存＝三径荒ニ就ケドモ、松菊ナホ存ス」〔→陶潜〕

【三弦｛絃｝】 サンゲン 三本の糸を張った弦楽器の名。〔国〕三味線シャミセン。〔国〕雅楽で用いる三種の弦楽器。琵琶ビワ・箏ソウ・和琴ワゴンのこと。

【三国】 サンゴク 後漢末におこり、天下を三分した魏ギ・蜀ショク・呉ゴの三つの国。▽この三国が活躍した時代（二二〇年〜二八〇年）を三国時代という。〔国〕日本・震旦シンタン（中国）・天竺テンジク（インド）のこと。

【避三舎】 サンシャヲサク〈故事〉軍隊が三日間の行程分だけしりぞく。とてもかなわないとしてしりごみすること。▽「一舎」は、軍隊が進軍する一日分の行程で、三十里。〔→左伝〕

【三知】 サンチ 道理を知るときの天分の三つの種類。うまれながらに知ること、学んで知ること、困苦して知ること。〔→論語〕命（運命）を知ること、礼（礼節）を知ること、言（ことばの得失）を知ることの三つ。〔→論語〕

【三折肱】 ミタビヒジヲオル〈故事〉医者は、何度も病人のひじを折って治療し、はじめてりっぱな医者になれる。▽経験をつんではじめて老練になることのたとえとして用いる。〔→左伝〕

【三苗】 サンビョウ 中国の古伝説にみえる未開民族の名。今の湖南省・湖北省・江西省あたりにいたという。▽今の苗族ビョウゾクの祖先か。

【三宝】 サンボウ・サンポウ〈故事〉たいせつにすべき三つの事物。▽「孟子」の尽心篇下では、世の中を治めるときの土地・人民・政治の三つ。また「老子」六七章では、生きていくときに慈悲深いこと、倹約すること、でしゃばらないことの三つのこと。サンボウ〔仏〕仏・法・僧のこと。▽仏教の信仰で、得がたいものの意味から宝という。