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 この峠を越えて、向こうのあの峠を越しさえすれば、村の灯が見える。🔗🔉

 この峠を越えて、向こうのあの峠を越しさえすれば、村の灯が見える。 置 換 =

 置き換え可能。「峠を越える」は、峠を上がって下りて向こうへ行く、「峠を越す」は、高さのある峠の頂きまで登りきると、何かがあるの意味を表す。「越える」は「越す」に変えても🔗🔉

 置き換え可能。「峠を越える」は、峠を上がって下りて向こうへ行く、「峠を越す」は、高さのある峠の頂きまで登りきると、何かがあるの意味を表す。「越える」は「越す」に変えても、意味の違いはさほど感じないが、「越す」を「越える」に換えると、後は「村にたどり着く」の方がふさわしい。

 「峠・山」が抽象的な時間の長さ・範囲を表して、「峠〔山〕を越す」とは、病状や状況の最も危険な時期を過ぎて局面が変化する、「大きな山を越える」は難関を突破するという意味を🔗🔉

 「峠・山」が抽象的な時間の長さ・範囲を表して、「峠〔山〕を越す」とは、病状や状況の最も危険な時期を過ぎて局面が変化する、「大きな山を越える」は難関を突破するという意味を表す。 解 説 =

 「基準・程度・範囲」の場合「超える・超す」とも書く。「越える」は、障害を通過する前後の過程、つまり基準点・限界点を目指して行き、そこを突破しさらに進む、という一続きの動🔗🔉

 「基準・程度・範囲」の場合「超える・超す」とも書く。「越える」は、障害を通過する前後の過程、つまり基準点・限界点を目指して行き、そこを突破しさらに進む、という一続きの動作全体を表しているが、点を「越える」という動作そのものは瞬間に行われている。「越す」は、一定の長さ・重さ・広がりをもったものを上回る動作で、範囲を「越す」動作そのものは継続して行われている。しかし対象を越すということに重点があり、さらに越した結果が、越す前と比較して明らかに違うという点に注目している。 【例】

 袋小路に入ってしまった泥棒は、目の前の塀を越えて逃げようとした。🔗🔉

 袋小路に入ってしまった泥棒は、目の前の塀を越えて逃げようとした。 置 換 =

 泥棒が「越えて」を「越して」に置き換えて、「塀を越して逃げよう」と思うかどうかは微妙である。「越える」を使えば、現在逃走中という状況を続ける、つまり越えなければ捕まる、🔗🔉

 泥棒が「越えて」を「越して」に置き換えて、「塀を越して逃げよう」と思うかどうかは微妙である。「越える」を使えば、現在逃走中という状況を続ける、つまり越えなければ捕まる、という意識が働いているが、「越す」を使えば、逃走中という状況を打ち切る、つまり越さなければ逃げ切れない・越せば逃げ切れる、という意識がある。「おう」「〜ぬく」を参照。

 「8 時間を超えても運動会は続いた・8 時間を超して病人が出ても運動会は続けられた・8 時間を超す運動会で、炎天下にさらされた多くの人が病院にかつぎ込まれた」では、後の二つを「🔗🔉

 「8 時間を超えても運動会は続いた・8 時間を超して病人が出ても運動会は続けられた・8 時間を超す運動会で、炎天下にさらされた多くの人が病院にかつぎ込まれた」では、後の二つを「超える」に置き換えることはできないが、最初のは「超す」に置き換えることができ、話し手が異常な事態に気づいたことをほのめかしている。「超える」は持続中を表し、「超す」は新しい状況に入ったことを示す。「想像を超える苦難」は、たとえ想像を超えたとしても苦難は続き、「年〔冬〕を越す」は新年・春を迎えることなので、置き換え不能。 解 説 =

類義使分 ページ 573