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あ・し 【悪し】 (形シク)🔗🔉

あ・し 【悪し】 (形シク) 〔「あし」は絶対的な評価として,「わろし」は相対的な評価として用いる〕 (1)(道徳的・倫理的に)非難されるべきである。悪い。けしからぬ。「よきにつけ―・しきにつけ」「―・しからず」「人よりは妹そも―・しき恋もなくあらましものを思はしめつつ/万葉 3737」 (2)(吉凶・禍福について)不吉だ。不運だ。「例の所には,方―・しとて,とどまりぬ/蜻蛉(中)」 (3)(美的に)みにくい。醜悪だ。「御声も惜しませ給はず,いとさま―・しきまで泣かせ給ふ/栄花(花山)」 (4)(技術的に)へただ。拙劣だ。「中納言,―・しく探ればなき也と腹立ちて/竹取」 (5)(身分的・階層的に)卑しい。下賤(ゲセン)だ。「冬はついたち,つごもりとて,―・しきもよきもさわぐめるものなれば/蜻蛉(上)」 (6)(品質的に)粗末だ。粗悪だ。「下衆女のなり―・しきが子負ひたる/枕草子 122」 (7)(気分・心理状態について)不快だ。不機嫌だ。苦しい。「おほやけの御気色―・しかりけり/伊勢 114」 (8)(自然的状況について)荒れている。険悪だ。「外の海いといみじく―・しく浪高くて/更級」 (9)都合が悪い。具合が悪い。「折―・しく」「ここには弓場なくて―・しかりぬべしとてかしこにののしる/蜻蛉(中)」 (10)(動詞の連用形の下に付いて)…するのが難しい。…しにくい。「他国(ヒトクニ)はすみ―・しとそいふ/万葉 3748」 →わろし

大辞林 ページ 138041 での悪し形シク単語。