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そら [1] 【空】🔗🔉

そら [1] 【空】 ■一■ (名) (1)地上をとりまく,広がりある空間。(ア)地上はるか上方の弧状の広がり。天。「―に輝く星」「青い―と白い雲」(イ)空中。宙。「―高く舞い上がる」「―飛ぶ鳥」 (2)天候。空模様。「変わりやすい秋の―」 (3)根拠地・立脚点を離れた不安定な状態をいう。(ア)場所。境遇。「遠い異国の―」「旅の―」(イ)心境。気持ち。「生きた―がない」 (4)(「そらで」の形で)記憶していて,書いたものを見ないこと。「―でいう」「―で覚えている」 (5)うそ。いつわり。 →空を使う (6)物の上部。てっぺん。「あの高い木の―から飛んだれば/狂言・柿山伏(鷺流)」 ■二■ (形動ナリ) (1)心がぼんやりして,しっかりした意識がもてないさま。魂が抜けたようなさま。「此頃は心も―に泣暮し/金色夜叉(紅葉)」「たもとほり行箕(ユキミ)の里に妹を置きて心―なり土は踏めども/万葉 2541」 (2)明確な理由・根拠のないこと。多く,助詞「に」を伴って副詞的に用いる。(ア)はっきりした原因のないこと。偶然。「二人の人,同じ夜―に相ひ会へり/今昔 9」(イ)はっきりした動機・目的のないこと。あてどないこと。「―に出でていづくともなく尋ぬれば雲とは花の見ゆるなりけり/山家(春)」(ウ)はっきりした根拠のないこと。それとなく感知すること。「富士の山を見れば,都にて―に聞きししるしに,半天にかかりて群山に越えたり/海道記」 ■三■ (接頭) 名詞・動詞・形容詞などに付いて,根拠がない,実体のないことであるなどの意を表す。 (1)外見上だけの。見せかけだけの。「―うそぶく」「―とぼける」「―寝」「―涙」「―泣き」「他人の―似」 (2)実体がない。事実でない。「―耳」「絵―事」 (3)当てにならない。信頼できない。「―頼み」「―覚え」 (4)はっきりした理由がない。わけがわからない。「―恐ろしい」「―恥ずかしい」「―解け」 〔古く,「そら」は天と地との間の虚空をさし,神々の住む天上界を「あめ(天)」といった〕

大辞林 ページ 148336 での単語。