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だに (副助)🔗🔉

だに (副助) 体言またはそれに準ずる語,およびそれらに助詞の付いたもの,副詞などに接続する。 (1)最小限の物事・状態を取りあげて,それが限度であることを示す。下に命令・希望・意志・打ち消し・仮定などを表す語を伴うことが多い。せめて…だけでも。だけでも。「言繁み君は来まさずほととぎす汝(ナレ)―来鳴け朝戸開かむ/万葉 1499」「人しれずたえなましかばわびつつもなきなぞと―いはましものを/古今(恋五)」 (2)軽重いずれかの方向について,その程度のはなはだしい事柄・状態を取りあげて,他を類推させる。「すら」と同じ用法で,中古以降のもの。さえ。でさえ。「白雲のたえずたなびく峰に―すめばすみぬる世にこそありけれ/古今(雑下)」「その後永く鏡を恐れて手に―取らず/徒然 134」 (3)事態がさらにその範囲・程度を増すということを表す。「さへ」と同じ用法で,中世前期以降のもの。までも。「後生(ゴシヨウ)で―悪道へおもむかんずる事の悲しさよ/平家 1」 〔上代では,「だに」は,「すら」「さへ」とそれぞれ意味を分担して並び行われ,(1) の意で多く用いられた。中古から中世前期にかけては(2) の用法が中心となり,「すら」に代わって用いられるようになる。中世後期になると,「だに」は勢力を失い,「さへ(さえ)」がこれに代わって用いられるようになる〕 →すら →さえ

大辞林 ページ 148895 での副助単語。