複数辞典一括検索+

🔗🔉

〔格助詞「に」に「て」の付いた「にて」の転。中古末から中世以降の語〕 ■一■ (格助) (1)動作・作用の行われる場所を表す。(ア)「デパート―買い物をする」「日本―初めての実験」(イ)「…でも,…でも」の形で,場所を列挙する。「日本―も,アメリカ―も,青少年問題には悩んでいる」 (2)動作・作用が行われる時を表す。(ア)動作が行われる時期を表す。「では」「でも」の形をとることが多い。「現在―は,簡単に解決する問題だ」(イ)動作・作用の期限・限度を表す。「新幹線は一時間―二百キロも走る」「一〇分間―答えてください」 (3)動作・作用を行う時の事情・状況を表す。「はらぺこ―帰ってくる」「挨拶のつもり―声をかけたのだ」 (4)手段・方法,または道具・材料を表す。「ペン―書く」「汽車―行く」「木と紙―できている日本の家」 (5)原因・理由・動機を表す。「火事―一文なしになる」「撃たれた傷―死ぬ」「老師の一言―さとる」 (6)動作・状態の主体を表す。「委員会―作成した原案」「そっち―ほれても,こっち―いやだ」 ■二■ (接助) 〔■一■(5)の用法から転じたもの〕 原因・理由を表す。近世での用法。「嬶達が先へ来て七十の賀を祝うてくれた―,今日の祝ひはさらりと仕舞うた/浄瑠璃・菅原」「馬鹿にされる―面白いのだが,馬鹿にされると気がついちやあもうおしまひだ/滑稽本・浮世床(初)」 〔(1)格助詞「で」は,近世以前でも,意味・用法は,現代語とほとんど変わらない。(2)接続助詞「で」が用いられるのは近世江戸語までで,現代語では,これに代わって,「ので」が用いられる〕

大辞林 ページ 149878 での単語。