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まえ マヘ 【前】🔗🔉

まえ マヘ 【前】 〔「ま(目)へ(辺)」の意より〕 ■一■ [1] (名) (1)顔や視線の向いている方向,または場所。 ⇔うしろ ⇔しりえ 「―を見て歩く」「お父さんの―でもう一度言ってみなさい」 (2)(ア)(事物に方向があると考えて)正面の方向,または場所。 ⇔うしろ ⇔しりえ 「家の―に空き地がある」「計画の―に立ちはだかる障害」(イ)事物の前方の部分。「バスの―の方の席につく」(ウ)身体の正面の部分。着物などを着たとき,身体の正面にくる部分。「―がはだける」(エ)人間の陰部。「―を隠して風呂にはいる」 (3)順序の先の方。初めの方。さき。「電話帳では青田より青木の方が―にある」 (4)(時間的に)(ア)現在またはある時点より以前。「三十分ほど―に電話があった」「この話は―から変だと思っていた」(イ)ある行為・事態が成立する以前。「食事の―に手を洗う」「客が来る―に準備を調えておいた」(ウ)(「前の」の形で)さきの。直前の。 ⇔あと ⇔のち 「―の首相」「―の正月」 (5)前歴。特に,過去の罪。前科。「―がある」 (6)(人を指す語句を受けて)その人に対する気がね・遠慮・体面などを示す。「たたきつけてかへらうと思つたけれどなかやどの―もあるから/安愚楽鍋(魯文)」 (7)形式名詞として用い,かねて思っていたとおりであること,ある判断に基づいていることを表す。「それは元から覚悟の―であるのだ/魔風恋風(天外)」 (8)(ア)貴人の面前。また,貴人に伺候すること。「正月(ムツキ)のついたち頃に―許されたりけるに/後撰(春上詞)」(イ)(上に「おお」「お」「み」を付けて)貴人その人をさす。「お―にこそわりなく思さるらめ/源氏(夕顔)」(ウ)(「…のまえ」の形で)女性の名に添えて敬意を表す。「名をば千手の―と申し候ふ/平家 10」 (9)僧侶に対するもてなしの食膳。「講師の―,人にあつらへさせなどして/宇治拾遺 9」 ■二■ (接尾) (1)名詞や動詞の連用形などに付いて,それに相当する分量や部分などを表す。ぶん(分)。「一人―」「分け―」 (2)人に関する名詞に付いて,その属性・機能などを強調する意を表す。「男―」「腕―」「気―」

大辞林 ページ 154630 での単語。