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めり (助動)(〇・(めり)・めり・める・めれ・〇)🔗⭐🔉
めり (助動)(〇・(めり)・めり・める・めれ・〇)
推量の助動詞。用言・助動詞の終止形に付く。ただし,ラ変の動詞およびこれと同じ活用型の語には連体形に付くが,ラ行の語尾を脱した形で書かれることが多い。
(1)目の前の状況から判断・推量することを表す。…と見える。…ように見うけられる。「すだれすこし上げて,花奉る〈めり〉/源氏(若紫)」「あはれにいひ語らひて泣く〈めれ〉ど,涙落つとも見えず/大鏡(序)」「ちぎり置きしさせもが露を命にてあはれ今年の秋も去(イ)ぬ〈めり〉/千載(雑上)」
(2)婉曲に表現するのに用いる。はっきり断定しないで遠まわしに言い表す。…ようだ。…ように思われる。「少納言の乳母(メノト)とぞ人いふ〈める〉は,この子の後見(ウシロミ)なるべし/源氏(若紫)」「いでやこの世に生まれては,願はしかるべき事こそ多か〈めれ〉/徒然 1」
〔(1)語源については,「見あり」あるいは「見えあり」の転などの説がある。(2)推定の助動詞「なり」が聴覚的であるのに対し,「めり」は視覚的であるといわれる。(3)連用形「めり」は助動詞「き」「つ」「けり」に続くものだけで,用例は少ない。「北の方宝と思ひた〈めり〉き/落窪 3」 (4)ラ変の動詞およびこれと同じ活用型の語に付くとき,「あめり」「なめり」などと,ラ行の語尾を脱した形で書かれていることが多い。これは「あんめり」「なんめり」などと,撥音便で「ん」となった部分が表記されなかったものと考えられる。(5)この語は中古になって盛んに用いられるようになるが,和歌には用例がきわめて少なく,また,漢文訓読文にも用いられない。口語的なものであったと考えられる〕
大辞林 ページ 155544 での【助動〇】単語。