もの-か (連語)
〔形式名詞「もの」に係助詞「か」の付いたもの〕
文末に用いられる。
(1)強い驚きや感動の意を表す。「心なき鳥にぞありけるほととぎす物思ふ時に鳴くべき―/万葉 3784」「乳をひねり給へりければ,御顔にささと走りかかる―/大鏡(兼家)」
(2)強い反語の意を表す。「はじめより長く言ひつつ頼めずはかかる思ひにあはまし―/万葉 620」「人ばなれたる所に心とけていぬる―/源氏(夕顔)」「かかる所にて御牛をばおふ―/徒然 114」
〔(1)の用法は中古までで,のちには(2)の用法中心に用いられ,終助詞化していった〕
→ものか(終助)