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ものを🔗🔉

ものを 〔形式名詞「もの」に古語の間投助詞「を」の付いたものから〕 活用語の連体形に接続する。 ■一■ (接助) (1)不満やうらみなどの気持ちをこめて,逆接的に下に続ける。…のに。…ものだのに。「早くすればいい―,何をぐずぐずしているのだろう」「そっとしておいた―,いまさら荒だてなくてもいいじゃないか」「宮人の安眠(ヤスイ)も寝ずて今日今日と待つらむ―見えぬ君かも/万葉 3771」「我もうらなくうち語りて慰め聞えてむ―,思はずにのみ取りない給ふ御心づきなさに/源氏(紅葉賀)」 (2)順接的に下に続ける。…ものだから。「みんなの意見だ―,変えることはできないよ」「一文からの商で日がな一日居たり立つたりする―,腹もへらうぢやあねえか/滑稽本・浮世風呂 3」 ■二■ (終助) (1)強い詠嘆,話し手の確認の気持ちを表す。「あら,それでもわたくしにゃ何だかわかりません―」「さ雄鹿の来立ち鳴く野の秋萩は露霜負ひて散りにし―/万葉 1580」「猫の経上りて猫またに成りて人とることはあなる―/徒然 89」 (2)不満・不平や悔恨などの気持ちをこめての詠嘆の意を表す。…のになあ。「あの時もっと注意しておけばよかった―」「わざわざ雨の中を来なくても,電話一本ですむ―」「ぬばたまのその夜の梅をた忘れて折らず来にけり思ひし―/万葉 392」「雀の子を犬君(イヌキ)が逃しつる。伏籠(フセゴ)のうちにこめたりつる―/源氏(若紫)」 〔■二■が本来の用法で,■一■ は■二■から転じたもの〕

大辞林 ページ 155727 でのものを単語。