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■一■ (副助) 体言およびそれに準ずる語に付く。「…やもしれない」の形で,軽い疑いの意を表す。「近いうちに大地震がある―も知れない」 ■二■ (並立助) 体言および準体助詞「の」に付く。事物をあれこれ並べ挙げるのに用いる。「…や…や」「…や…や…など」「…や…」などの形で用いられる。「あれ―これ―と大さわぎでした」「山―海は人でいっぱいだ」「君の―僕のが佳作に入ったよ」「花―蝶―と書けばこそあらめ/源氏(夕霧)」 ■三■ (接助) 動詞および助動詞「れる・られる」「せる・させる」の終止形に付く。 (1)ある動作・作用が行われると同時に,他の動作・作用が行われる意を表す。…するとすぐに。「交通事故発生の報に接する―,直ちに救助に向かった」 (2)「…やいなや」の形で慣用的に用いられることが多い。「テーブルにつく―いなや,すぐに食べはじめた」「夏休みにはいる―いなや,海へ山へとどっと人がくり出した」 ■四■ (終助) 文末にあって,形容詞および形容詞型活用の助動詞や助動詞「う・よう」の終止形,動詞および動詞型活用の助動詞の命令形に付く。 (1)命令・勧誘・希望表現などに用いられ,話し手がその事態の実現を望むという気持ちを表す。「まあ,しばらく様子をみろ―」「早くしよう―」「もう帰ろう―」「日曜日ぐらい休みたい―」 (2)軽く言い放つような気持ち,または,なげやりな気持ちを表す。「まあ,いい―」「今さらどうしようもない―」 ■五■ (間投助) (1)文中にあって,体言・副詞などに付く。(ア)人を表す語に付いて呼び掛けを表す。「花子―,ちょっとここへおいで」「おばあさん―,せがれから手紙が来たよ」(イ)副詞に付いて意味を強める。「またも―失敗に終わった」「まして―,相手は専門家だから太刀打ちができない」 (2)文中または文末にあって種々の語に付く。(ア)感動・詠嘆を表す。現代語では文末用法のみ。「わあ,遊んで暮らせるなんてすばらしい―」「我はも―安見児得たり皆人の得かてにすといふ安見児得たり/万葉 95」「すべて神の社(ヤシロ)こそ捨てがたくなまめかしきものなれ―/徒然 24」(イ)(文中に用いて)ことばの調子を整える。「ほととぎす鳴く―さ月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな/古今(恋一)」 ■六■ (係助) 種々の語に付く。 (1)文中にあって係りとなり,文末の活用語を連体形で結ぶ。(ア)疑問の意を表す。「秋―来る露―まがふと思ふまで/伊勢 16」(イ)反語・反問の意を表す。…ではないか。「秋の田の穂の上を照らす稲妻の光のまにも我―わするる/古今(恋一)」 (2)文末にあって,活用語の終止形・已然形に付く。(ア)疑問の意を表す。「名にし負はばいざ事問はむ都鳥わが思ふ人はあり―なし―と/伊勢 9」(イ)反語の意を表す。「大君は千歳にまさむ白雲も三船の山に絶ゆる日あらめ―/万葉 243」

大辞林 ページ 155807 での単語。