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やす (助動)(やせ(やしや)・やし・やす・やす・○・やせ(やし・やす))🔗🔉

やす (助動)(やせ(やしや)・やし・やす・やす・○・やせ(やし・やす)) 〔近世語〕 活用語の連用形に付く。 (1)軽い敬意を表す。また,親愛の意を表すのにも用いられる。…なさる。「それでもあの人が無理にとかしやり〈やせ〉うことがござりませぬ/歌舞伎・心中鬼門角」「ちやつとあちら向き〈やす〉と嬲つて振り切り通りけり/浄瑠璃・天神記」 (2)丁寧の意を表す。ます。「爰を頼んで,芝居へも呼びにやり〈やし〉た/浄瑠璃・生玉心中(上)」「どうも仕〈やせ〉んが,腹がへり〈やし〉た/洒落本・遊子方言」 〔(1)語源については,「やんす」から,「おわす」から,「ます」からなど,諸説があるが,まだ定説化したものはない。(2)(1)は近世前期の上方語。(2)は前期上方語では多く遊女が使用,後期では上方語・江戸語で一般に用いられるようになった。(3)終止形・連体形は,近世上方語では「やする」の形も用いられた。「金かしてくだんせ。頼み〈やする〉/浄瑠璃・博多小女郎(上)」(4)現在でも関西地方で用いられる。(ア)丁寧の意を表す。ます。「ここにあり〈やす〉」(イ)接頭語「お」を添えた動詞連用形に付いて,そうすることを相手に望む意を表す。なさい。「早うお帰り〈やす〉」「おいで〈やす〉」〕

大辞林 ページ 155877 での助動やせ(やしや)単語。