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られる (助動)(られ・られ・られる・られる・られれ・られろ(られよ))🔗⭐🔉
られる (助動)(られ・られ・られる・られる・られれ・られろ(られよ))
〔自発・受け身・可能・尊敬の助動詞「らる」の口語形。中世以降の語〕
受け身・可能・自発・尊敬の助動詞。下一段型活用。ただし,可能・自発・尊敬の意を表す場合には,命令形は用いられない。上一段・下一段・カ行変格活用動詞の未然形に付く。また,サ行変格活用動詞未然形「せ」および使役の助動詞「せる」「させる」の未然形にも付く。
(1)受け身の意を表す。(ア)動作・作用の主体の利害に関係するもの。「犬にほえ〈られ〉て困った」「とうとう委員に選出せ〈られ〉てしまった」「よく努力した結果だと先生にほめ〈られる〉」(イ)動作・作用を主体が受けるもの。利害の感情を伴わない。「早く適切な措置が講じ〈られ〉なければならない」「おぼれかかった子供が助け〈られ〉て,ほんとうによかった」(ウ)動作・作用の結果または状態を表すことに重点を置くもの。無生物あるいは非情のものを主語とする場合で,非情の受け身とも呼ばれる。「基本的人権はしだいに認め〈られる〉ようになってきている」「この仏像は鎌倉時代の作と伝え〈られ〉ている」(エ)動作・作用の主体に害が及ぶもの。自動詞に付いた場合が多く,迷惑の受け身とも呼ばれる。「こうしょっちゅう金を借りに来〈られ〉ては困ってしまう」「手放しでのろけ〈られ〉て,すっかりめんくらった」
(2)可能の意を表す。(ア)動作・作用が主体の能力によって実現可能なことを表す。「この旅客機には三百人以上の客を乗せ〈られる〉」「車でなら二十分ほどで来〈られる〉」(イ)動作・作用の遂行が許容されていることを表す。「ちょっとぐらいなら会議から抜け〈られる〉」「食事のときだけは起き〈られる〉ようになった」(ウ)動作・作用の対象の力によって,その実現が可能であることを表す。「柔道には,じゅうぶん,優勝の期待がかけ〈られる〉」「あの人だけは信じ〈られる〉」(エ)動作・作用の対象の能力・程度などを評価することを表す。「これなら,なんとか食べ〈られる〉」「留守番ぐらいなら,子供たちにもまかせ〈られる〉」
(3)自然にそうなる意,すなわち自発の意を表す。心情的な表現に用いられることが多い。「この子の行く末が案じ〈られ〉てならない」「もうすっかり秋の気配が感じ〈られる〉」
(4)尊敬の意を表す。動作の主体に対する敬意を表す。「近いうちに,先生が帰って来〈られ〉ます」「無事到着せ〈られ〉た模様です」
〔(1)「れる」と意味・用法は同じであるが,未然形がア段となる動詞には「れる」が付き,それ以外の場合は「られる」が付くというように,接続のしかたに分担がある。(2)サ変動詞に接続する場合,「出席される」のように,未然形のうち,「さ」に「れる」が付くのが普通であるが,書き言葉でのやや改まった言い方では,「出席せられる」のように,未然形のうち,「せ」に「られる」が付くこともある〕
→らる(助動)
→れる(助動)
大辞林 ページ 156564 での【助動られ】単語。