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る (助動)(れ・れ・る・るる・るれ・れよ)🔗🔉

(助動)(れ・れ・る・るる・るれ・れよ) 自発・受け身・可能・尊敬の助動詞。下二段型活用。ただし,自発・可能の意を表す場合には,命令形は用いられない。四段・ナ行変格・ラ行変格活用の動詞の未然形に付く。 (1)自発の意。ある動作が自然に,また無意識的に実現してしまう意を表す。「相模道(サガムジ)の余綾(ヨロギ)の浜の砂(マサゴ)なす児らはかなしく思は〈るる〉かも/万葉 3372」「けふは京のみぞ思ひやら〈るる〉/土左」「筆をとればもの書か〈れ〉,楽器をとれば音をたてんと思ふ/徒然 157」 (2)受け身の意。他から何らかの動作・作用の影響を受ける意を表す。「勅旨(オオミコト)戴き持ちて唐(モロコシ)の遠き境に遣はさ〈れ〉罷りいませ/万葉 894」「このあひだに使は〈れ〉むとてつきてくる童あり/土左」「あまりに水が速うて,馬は押し流さ〈れ〉候ひぬ/平家 9」 (3)可能の意。ある動作をすることができる意を表す。古くは,打ち消しの語を伴って,不可能の意を表すのに多く用いられた。「我が妻はいたく恋ひらし飲む水に影(カゴ)さへ見えてよに忘ら〈れ〉ず/万葉 4322」「知らぬ人の中にうち臥して,つゆまどろま〈れ〉ず/更級」「悔ゆれども取りかへさ〈るる〉よはひならねば,走りて坂をくだる輪のごとくに衰へゆく/徒然 188」 (4)尊敬の意。他人の動作を表す語に付いて,動作者に対する敬意を表す。もともと敬意を含んでいる動作に付くことが多い。「御門なほめでたくおぼしめさ〈るる〉ことせきとめがたし/竹取」「人ひとり参ら〈れよ〉かし/源氏(若紫)」「庭に控へたまへる人々みな鎧の袖をぞ濡さ〈れ〉ける/平家 7」 〔(1)「らる」と意味・用法は同じであるが,未然形がア段となる動詞には「る」が付き,それ以外の場合は「らる」が付くというように,接続のしかたに分担がある。(2)上代では,「ゆ」の語が用いられることが多く,「る」はまだほんのわずかしか用いられていない。「る」は中古以降に多く用いられるようになる。(3)中世には,連体形「るる」が終止法として用いられるようになり,命令形には「れい」が現れるが,やがて一段活用化して「れる」となり,現代にまで及ぶ〕 →れる(助動) →ゆ(助動) →らる(助動)

大辞林 ページ 156840 での助動れ単語。