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ろ (間投助)🔗🔉

(間投助) 〔上代語〕 文の終わり,または文中の連用修飾語に付いて,感動の意を添えて聞き手に働きかけるのに用いられる。 (1)文の終わりに用いられる場合。「相見ては月も経なくに恋ふと言はばをそ―と我(アレ)を思ほさむかも/万葉 654」「白雲の絶えにし妹(イモ)をあぜせ―と心に乗りてここばかなしけ/万葉 3517」「荒雄らは妻子(メコ)の産業(ナリ)をば思はず―年の八年(ヤトセ)を待てど来まさず/万葉 3865」 (2)文中の連用修飾語に付く場合。「夕占(ユウケ)にも今夜(コヨイ)と告(ノ)らろ我が背なはあぜそも今夜(コヨイ)よし―来まさぬ/万葉 3469」 〔この語は,東歌・防人歌などの上代東国方言に多くみられる。文末用法のうち,動詞の命令形に付く場合は,命令形の活用語尾「よ」に相当するものとみなされる。近世江戸語以降の上一段・下一段・サ変の動詞の命令形(「見ろ」「落ちろ」「受けろ」「しろ」など)にみられる「ろ」は,この語の遺存したものとみられる〕

大辞林 ページ 156994 での間投助単語。