あえくに-じんじゃ アヘクニ― 【敢国神社】 三重県上野市一之宮にある神社。伊賀国一の宮。敢国津神(アエノクニツカミ)（大彦命）を主神とし，少彦名神(スクナビコナノカミ)・金山比命(カナヤマビメノミコト)を配祀(ハイシ)。

あえ-しらい アヘシラヒ 応答。あいさつ。あしらい。「かくことなることなき―ばかりを慰めにては/源氏（若菜下）」

あえ-しら・う アヘシラフ （動ハ四） （１）相手の出方に応じて応対する。応答する。「言ずくなにいひて，をさをさ―・はず/源氏（若紫）」 （２）適当に取り扱う。「いとかうしもあるは，我をたのまぬなめり，なども―・ひ/蜻蛉（上）」 （３）取り合わせる。付け合わせる。「切大根(キリオオネ)，物の汁して，―・ひて，まづいだしたり/蜻蛉（上）」

あえ・す 【零す】 （動サ四） 血・汗などをしたたらす。「社壇に血を―・さんも，神慮の恐れあり/義経記 2」

あえ・す アヘス 【饗へす】 （動サ変） 「あう（饗）」に同じ。「群臣を聚(ツド)へて，大臣の家に―・す/日本書紀（舒明訓）」

あえ-ず アヘ― 【敢えず】 （連語） 〔動詞「敢(ア)ふ」の未然形に打ち消しの助動詞「ず」の付いたもの〕 完全には…できない。…しきれない。「取る物も取り―」「言ひも―顔をば袖に摺付ける/多情多恨（紅葉）」 〔主に和文に用いられた語〕

あえ-づくり アヘ― [3] 【和え作り・韲え作り】 魚介・鳥肉などを入れたあえもの。

あえ-て アヘ― [1] 【敢えて】 （副） （１）（しなくてもよいことを）強いてするさま。わざわざ。無理に。「―危険をおかす」「―苦言を呈する」 （２）（下に打ち消しの語を伴って） 〔漢文訓読に由来する語法〕 （ア）とりたてて。特に。別に。「―驚くに足りない」（イ）まったく。少しも。「―凶事なかりけるとなん/徒然 206」