いだ・す 【出だす】 （動サ四） （１）人や物を中から外へ移動させる。「帳の内よりも―・さずいつき養ふ/竹取」 （２）かげに隠れていたものを，表面に現れるようにする。目に見えるようにする。「杯(サカズキ)の皿に歌を書きて―・したり/伊勢 69」「世の人聞きにこの事―・さじ，とせちにこめ給へど/源氏（行幸）」 （３）それまでなかったものを，出現・発生させる。「きのふ事―・したりし童(ワラワベ)捕ふべし/大鏡（伊尹）」 （４）声に出す。吟じる。「高砂を，―・して謡ふ/源氏（賢木）」 （５）動詞の連用形の下に付いて，複合動詞を作る。（ア）中から外に向かって動作を行う意を表す。「言い―・す」「見―・す」（イ）ある動作を開始するという意を表す。…し始める。「走り―・す」 〔自動詞「出(イ)ず」に対する他動詞。口語では「だす」となる〕

いたずがわ・し イタヅガハシ 【労がはし】 （形シク） 〔「いたづかはし」「いたつかはし」とも〕 （１）御苦労なことだ。「この楽しびを忘れて―・しく外の楽しびを求め/徒然 93」 （２）わずらわしい。面倒だ。「我より上なる人と伴へば―・しき事のみあつて/仮名草子・伊曾保物語」

いたずき イタヅキ [0] 【労き】 ⇒いたつき（労）

いたず・く イタヅク 【労く】 （動カ四） ⇒いたつく（労）

いた-すずり [3] 【板硯】 板の上に紙と硯をのせて，ひもで結んだもの。床棚(トコダナ)の飾りとする。