複数辞典一括検索+

おの-れ [0] 【己】🔗🔉

おの-れ [0] 【己】 ■一■ (代) (1)反照代名詞。その人自身,またはその物自体をさす。自分。自分自身。「―の分を心得る」「白き花ぞ―ひとりゑみの眉開けたる/源氏(夕顔)」 (2)一人称。卑下の意を込めて用いることが多い。「―は五条西洞院のほとりに候ふ翁に候ふ/宇治拾遺 1」 (3)二人称。目下の人に対して,または相手を見下し,ののしっていう時に用いる。お前。きさま。「かく賤しき―がもとにしばしおはしつるなり/竹取」 ■二■ (副) ひとりでに。自然に。「松の木の―起きかへりて/源氏(末摘花)」 ■三■ (感) 怒りや悔しさを表す語。「―,よくも裏切ったな」

――と (副)🔗🔉

――と (副) 自分で。ひとりでに。自然に。「―枯るるだにこそあるを/徒然 138」

――達せんと欲して人を達せしむ🔗🔉

――達せんと欲して人を達せしむ 〔論語(雍也)〕 自分が事を成し遂げようとすれば,まず人を助けて目的を遂げさせる。仁者にはよい事を行うのに自他の区別がない。

――に克(カ)ち礼に復(カエ)る🔗🔉

――に克(カ)ち礼に復(カエ)る 〔論語(顔淵)〕 私欲をおさえて,天理のあらわれである礼にたちかえる。克己復礼(コツキフクレイ)。

――に如(シ)かざる者を友とするなかれ🔗🔉

――に如(シ)かざる者を友とするなかれ 〔論語(学而)〕 自分より劣った者は,善を求め道を修める助けにならないから,友人として交わってはならない。

――の欲(ホツ)せざる所は人に施す勿(ナカ)れ🔗🔉

――の欲(ホツ)せざる所は人に施す勿(ナカ)れ 〔論語(顔淵・衛霊公)〕 自分の好まないことは,他人も好まないのだから,他人にもしてはならない。

――を枉(マ)・ぐ🔗🔉

――を枉(マ)・ぐ 〔孟子(万章上)〕 自分の信念や主義を捨てる。

――を虚(ムナ)しゅう・する🔗🔉

――を虚(ムナ)しゅう・する 〔漢書(五行志上)〕 私情を捨て去り,心を謙虚にして他人の説を聞く。私心を捨てる。

おのれ-がお ―ガホ 【己顔】🔗🔉

おのれ-がお ―ガホ 【己顔】 他人を問題にしない,得意そうな様子。われはがお。「松が枝荻の葉むけにうち靡き―なる風の音かな/俊成女集」

大辞林 ページ 140386