さ-こん [1] 【左近】 （１）「左近衛府(サコンエフ)」の略。 ⇔右近 →左近衛(サコンエ) （２）「左近の桜」の略。「春―夏は右近が匂ふ也/柳多留 28」

さこん-の-さくら 【左近の桜】 紫宸殿(シシンデン)の階段の下，東方に植えられている桜。左近衛府の武官がこの桜から南に列したことからいう。南殿(ナデン)の桜。 →右近(ウコン)の橘(タチバナ) →内裏

さこん-の-じょう 【左近尉】 ⇒左近衛将監(サコンエノシヨウゲン)

さこん-の-しょうげん ―シヤウゲン 【左近将監】 ⇒左近衛将監(サコンエノシヨウゲン)

さこん-の-じん ―ヂン 【左近の陣】 平安時代，紫宸殿(シシンデン)で儀式のあるとき，左近衛府の将官が座を占めた所。紫宸殿の東南，日華門にあった。左近の陣の座。左仗。

さこん-の-たいふ 【左近大夫】 左近衛将監で官位が五位の者。

さこん-の-つかさ 【左近司】 ⇒左近衛府(サコンエフ)

さこん-の-ばば 【左近の馬場】 平安時代以後，左近衛府の管轄する馬場。京都の一条西洞院にあった。さこんのうまば。

さ-こんえ ―コン [2] 【左近衛】 「左近衛府」の略。

さこんえ-の-しょうげん ―コン―シヤウゲン 【左近衛将監】 左近衛府の三等官。従六位上相当。定員四名。さこんのじょう。さこんのしょうげん。

さこんえ-の-しょうしょう ―コン―セウシヤウ 【左近衛少将】 左近衛府の次官。正五位下相当。定員二名。左少将。

さこんえ-の-しょうそう ―コン―シヤウサウ 【左近衛将曹】 左近衛府の主典(サカン)（＝四等官）。従七位下相当。定員四名。