とおり-いっぺん トホリ― [6][0] 【通り一遍】 （名・形動） （１）通りがかりに立ち寄っただけで，なじみでないこと。「―の客」 （２）形式的でおざなりである・こと（さま）。「―の説明で済ます」「―の挨拶(アイサツ)しかしない」

とおり-がかり トホリ― [0] 【通り掛(か)り】 たまたま通りかかること。「―の人」

とおり-かぐら トホリ― [4] 【通り神楽】 歌舞伎の下座音楽の一。太神楽(ダイカグラ)の囃子(ハヤシ)を表すもの。竹笛と大太鼓または桶胴(オケドウ)という太鼓を用いる。

とおり-がけ トホリ― [0] 【通り掛け】 その道を通るついで。通りがかり。通りすがり。「―に立ち寄る」

とおり-かぜ トホリ― [3] 【通り風】 さっと吹き過ぎる風。

とおり-きって トホリ― 【通り切手】 「通り手形(テガタ)」に同じ。

とおり-く トホリ― 【通り句】 （１）その世界で通用している語や文句。「艶治郎は青楼の―なり/洒落本・通言総籬」 （２）連歌・俳諧で，一般に知られている名高い句。「付合の―/浄瑠璃・神霊矢口渡」 （３）俳諧で，互選の際の最高点を得た句。

とおり-ことば トホリ― [4] 【通り言葉】 （１）広く一般に用いられる言葉。 （２）特定の集団の中で通用する言葉。隠語。「書生の―なり/当世書生気質（逍遥）」

とおり-じ トホリ― [3] 【通り字】 （１）人の実名に祖先から代々伝えて付ける文字。源氏の頼光・頼義・義家・義朝などにみられる「頼」「義」，平氏の忠盛・清盛・重盛などにみられる「盛」の類。 （２）世間に広く通用している俗字。