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なり [2] 【成り・為り】🔗🔉

なり [2] 【成り・為り】 (1)将棋で,駒が成ること。 →成る (2)(「おなり」の形で)貴人が出かけること。 →御成(オナリ) (3)成ること。成就。「―も成らずも汝と二人はも/万葉 3492」

なり [2] 【形・態】🔗🔉

なり [2] 【形・態】 〔「成り」と同源〕 (1)物の形。特に人の体の格好。「―は大きいがまだ子供だ」「その山は…―は塩尻のやうになむありける/伊勢 9」 (2)服装。また,髪形・服装などを含めた,人の姿。身なり。「南極にでも行くような―でやって来た」「派手な―」 (3)様子。状態。ありさま。「あそこも爰にも物を談合する―が有たぞ/蒙求抄 2」「二貫目借りた内からする―をして太い事をいふてありかす/浮世草子・禁短気」 (4)名詞・活用語の連体形の下に付いて,それによって制約・決定された状態,それ相応の状態などの意を表す。「道―に行く」「彼には彼―の意地がある」「山―」「弓―」「人の言う―になる」「短い―にまとまった作品」「背が高ければ高い―の悩みがある」

なり 【業】🔗🔉

なり 【業】 暮らしをたてるための仕事。生業。なりわい。「荒雄らは妻子(メコ)の―をば思はずろ/万葉 3865」

なり [0] 【鳴り】🔗🔉

なり [0] 【鳴り】 鳴ること。音をたてること。

――を静・める🔗🔉

――を静・める ⇒鳴りを潜(ヒソ)める

――を潜(ヒソ)・める🔗🔉

――を潜(ヒソ)・める (1)物音をたてずに静かにする。なりをしずめる。「一同―・めて見守る」 (2)表立った活動を休止している。「反対派はこのところ―・めている」

なり (助動)(○・(なり)・なり・なる・なれ・○)🔗🔉

なり (助動)(○・(なり)・なり・なる・なれ・○) 伝聞・推定の助動詞。動詞およびそれと同じ活用型の助動詞の終止形に接続する。ただし,中古以降,ラ行変格活用の動詞およびそれと同じ活用型の助動詞には連体形に接続する。 (1)人の話し声や物音などが聞こえてくることを表す。「ますらをの鞆(トモ)の音す〈なり〉もののふの大臣(オオマエツキミ)楯(タテ)立つらしも/万葉 76」「秋の野に人まつ虫の声す〈なり〉われかとゆきていざとぶらはむ/古今(秋上)」 (2)音声や物音などによって事態を推定する意を表す。ようだ。らしい。「碁うちはてつるにやあらむ,うちそよめく心地して,人々あかるるけはひなどす〈なり〉/源氏(空蝉)」「呼びわづらひて,笛をいとをかしく吹きすまして過ぎぬ〈なり〉/更級」 (3)物事を間接に伝え聞く意を表す。という。そうだ。「この十五日(モチ)になむ月の都よりかぐや姫の迎へにまうで来(ク)〈なる〉/竹取」「世の憂きときは,見えぬ山路をこそは尋ぬ〈なれ〉/源氏(蓬生)」 〔(1)語源については,「ね(音)あり」の転,または「なり(鳴)」と関係があるかなどの説がある。(2)連用形の「なり」は用例がごく少ない。「暁に,花ぬすびとありといふ〈なり〉つるを,なほ枝などすこし取るにやとこそ聞きつれ,たがしつるぞ/枕草子 278」〕

大辞林 ページ 151275