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まい・る【参る】まゐる🔗🔉

まい・る【参る】まゐる [動ラ五(四)]《上一段活用動詞「まいる」に「い(入)る」の付いた「まいいる」の音変化で、貴人のもとに参入する意が原義》「行く」の謙譲語で、行く先方を敬う。神仏に詣でる。参詣する。「墓に―・る」貴人のもとや貴所に参上する。宮中に出仕する。入内する。罷出(まかず)。「暁に御迎へに―・るべきよし申してなむまかで侍りぬる」〈源・夕顔〉主として会話に用い、聞き手に対し、「行く」「来る」を、へりくだる気持ちをこめて丁重に表現する丁寧語。「行く・来る」の先方が聞き手のところの場合には、その先方を敬いながら、「行く・来る」を丁重にいう。「明日、お宅へ―・ります」「御当地に―・って、はじめて知りました」単に「行く・来る」を丁重にいう場合。このときにも謙譲の気持ちは残るので、敬うべき人の動作には用いない。現在、「先生もまいられますか」のような言い方は適切でないとされる。「私の家に弟が―・るはずです」「列車が―・ります」「雨が降って―・りました」のへりくだる気持ちが失せて、「行く」を重々しくいう。「そう簡単には―・らぬぞ」「日本の王政維新のように旨く―・るか―・らぬか」〈福沢・福翁自伝〉相手に優位を占められる、屈するの意に変化したもの。負ける。降参する。「どうだ、―・ったか」閉口する。よわる。困る。「今年の暑さには―・った」死ぬ。やや、卑しめて言う。「とうとうあいつも―・ったか」異性などに心を奪われる。「彼女に―・っている」貴人のもとへ物などが行くところから、差し上げる意に変化したもの。貴人・上位者に対する下位者の行動についての謙譲語。貴人に対して何かをさし上げる。献上する。「親王に、うまの頭(かみ)大御酒(おほみき)―・る」〈伊勢・八二〉貴人のために何かをしてさし上げる。奉仕する。「(源氏ノタメニ)加持など―・るほど」〈源・若紫〉上位者に対して、この手紙をさし上げますの意で、男女ともに手紙の脇付に用いる語。終止形だけが用いられる。「母様―・る冠者丸と書てあり」〈浄・嫗山姥〉奉仕を受ける貴人の動作そのものを表すように変化した尊敬語。「食う」「飲む」の尊敬語。召し上がる。「心地もまことに苦しければ、ものもつゆばかり―・らず」〈源・総角〉「する」の尊敬語。なさる。「大殿油短く―・りて御覧ずるに」〈源・梅枝〉 [可能]まいれる [類語])詣(もう)でる・参拝する・参詣(さんけい)する・お参りする/)上がる・伺う・参ずる・参上する・拝趨(はいすう)する・お伺いする・お邪魔する/恐れ入る・負ける・降参する・ギブアップする・兜(かぶと)を脱ぐ・シャッポを脱ぐ・一本取られる/弱る・困る・困り果てる・往生する・閉口する・辟易(へきえき)する・めげる・へこたれる・音(ね)を上げる・へたばる・へばる

大辞泉 ページ 13986 での参る単語。