むね【胸】 首と腹との間の部分。哺乳類では横隔膜により腹部と仕切られ、肋骨_{（ろつこつ）}に囲まれて肺・心臓などが収まる。「―を張って歩く」心臓。「―をときめかす」肺。「排気ガスで―をやられる」胃。「―焼け」乳房。「―の豊かな女性」こころ。思い。心の中。「―のうちを明かす」「―をはずませる」「自分の―一つにおさめる」衣服のにあたる部分。「―ポケット」 ［類語］_（）胸部・胸腔_{（きようこう）}・胸郭_{（きようかく）}・胸板_{（むないた）}・胸間_{（きようかん）}・胸元_{（むなもと）}・胸先_{（むなさき）}・胸倉_{（むなぐら）}・懐_{（ふところ）}・バスト・チェスト／_（）胸裏・胸中・胸間・胸底・胸奥_{（きようおう）}・胸臆_{（きようおく）}・肺腑_{（はいふ）}・心_{（こころ）}・心中・心裏・方寸・と胸

胸開（あ）・く 心が晴れ晴れする。気分がよくなる。「亡きあとまで、人の―・くまじかりける人の御おぼえかな」〈源・桐壺〉

胸痛・し 心が痛むようす。非常につらい。「―・き事なし給ひそ」〈竹取〉

胸が痛・む 心に苦痛を感じる。心配事などで苦しい思いをする。「難民の報道に―・む」

胸が一杯にな・る 悲しさやうれしさなどで心が満たされる。胸がつまる。「初優勝の感激で―・る」

胸が裂・ける 悲しみや憎しみなどで、胸が張り裂けるような苦痛を感じる。

胸が騒・ぐ 不安や期待などで心が落ち着かない思いがする。むなさわぎがする。「身を案じて―・ぐ」

胸がす・く 心が晴れやかになる。すっとする。「―・く逆転ホームラン」

胸がつか・える 食べた物が食道につまる。悲しみや心配事などのために胸が圧迫されるように苦しくなる。「悲しい思い出に―・える」

胸が潰（つぶ）・れる 悲しみや驚きなどで、心がしめつけられる思いがする。「突然の悲報に―・れる」

胸が轟（とどろ）・く 心臓がどきどきする。心がときめく。「大試合を前に―・く」

胸が塞（ふさ）が・る 不安や心痛などで胸が詰まるように感じる。「暗いニュースに―・る」