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にお・う【匂う・臭う】ニホフ🔗🔉

にお・う匂う・臭うニホフ [一]〔自五〕 (ニは丹で赤色、ホは穂・秀の意で外に現れること、すなわち赤などの色にくっきり色づくのが原義。転じて、ものの香りがほのぼのと立つ意) ①木・草または赤土などの色に染まる。万葉集8「草枕旅ゆく人も行き触らば―・ひぬべくも咲ける萩かも」 ②赤などのあざやかな色が美しく映える。万葉集11「紅の濃染の衣を下に着ば人の見らくに―・ひ出でむかも」。万葉集19「春の苑紅―・ふ桃の花した照る道に出で立つをとめ」 ③よい香りが立つ。万葉集17「橘の―・へる香かもほととぎす鳴く夜の雨に移ろひぬらむ」 ④悪いにおいがする。臭気がただよう。「腐った魚がひどく―・う」 ⑤生き生きとした美しさなどが溢れる。万葉集14「筑紫なる―・ふ子故に陸奥のかとりをとめの結ひし紐とく」。源氏物語野分「見奉るわが顔にも移りくるやうに愛敬は―・ひたり」 ⑥余光・恩恵などが(周囲に)及ぶ。源氏物語真木柱「人一人を思ひかしづき給はむ故は、ほとりまでも―・ふためしこそあれと心得ざりしを」 ⑦(染色・襲かさねの色目などを)次第に薄くぼかしてある。讃岐典侍日記「五節の折着たりし黄なるより紅まで―・ひたりし紅葉どもに、えび染めの唐衣とかや着たりし」。類聚名義抄「暈、ニホフ」 ⑧雰囲気として感じられる。かすかにその気配がある。「不正が―・う」 ◇多く、よい感じの場合は「匂う」、悪い感じの場合は「臭う」と書く。 [二]〔他下二〕 美しく染めつける。万葉集16「すみのえの岸野の榛はりに―・ふれど」

広辞苑 ページ 14873 での匂う単語。