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みる【見る・視る・観る】🔗⭐🔉
みる【見る・視る・観る】
〔他上一〕
自分の目で実際に確かめる。転じて、自分の判断で処理する意。
➊目によって認識する。
①目によって物事の存在や動きを認識する。万葉集5「いつしかもみやこをみむと思ひつつ」。「みると聞くとは大違い」「芝居をみる」
②ながめる。望む。推古紀「我が大君の隠ります天の八十蔭出でたたす御空をみれば」。竹取物語「月をみてはいみじく泣き給ふ」。「窓から外をみる」
③人にあう。万葉集19「あをによし奈良人みむと」。源氏物語紅葉賀「み奉り給ふ時はうらみも忘れてかしづきいとなみ聞え給ふ」
④夫婦の契ちぎりをする。源氏物語帚木「多くはわが心も、みる人からをさまりもすべし」
⑤ある出来事に遭遇する。伊勢物語「物心細くすずろなる目をみることと思ふに」。源氏物語夕顔「何の契りにかかる目をみるらむ」。「馬鹿をみる」
⑥よく注意して観察する。竹取物語「あやしがりて寄りてみるに筒の中光りたり」。「様子をみる」「調子をみる」
⑦(「診る」とも書く)診察する。「病人をみる」
⑧調査する。しらべる。「答案をみる」
⑨試みる。ためす。
⑩(助詞「て」「で」を介して動詞連用形に付いて)
㋐ためしに…する。土佐日記「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」。「恐る恐るさわってみる」「やれるものならやってみな」
㋑(「…てみると」「…てみたら」「…てみれば」の形で)ある事実に気付く、またはある事実が成り立つ条件を示す。…すると。…したところが。「帰ってみると鍵がかかっていた」「親にしてみれば出来の悪い子ほどいとおしい」
➋判断する。
①物事を判断する。源氏物語桐壺「女もいといみじとみ奉りて」。「世のなりゆきをみる」「人をみる目」「甘くみる」
②占って判断する。源氏物語桐壺「朝廷のかためとなりて天の下を輔くる方にてみれば、又その相たがふべし」。「手相をみる」
③目にとめた文字の意味を知る。読む。源氏物語帚木「かかる御文みるべき人もなしと聞えよ」。日葡辞書「キャウ(経)ヲミアワスル」
④鑑定する。「古筆の専門家にみてもらう」
➌物事を調べ行う。
①取り扱う。行う。源氏物語若紫「かしこにいと切にみるべき事の侍るを思ひ給へ出でてなむ」。「政をみる」
②過ごして行けるよう力添えする。世話をする。面倒をみる。源氏物語玉鬘「かの御かはりにみ奉らん子も少なきがさうざうしきに」。「子供をみる」「勉強をみてやる」
③(「看る」とも書く)看病する。「付添が病人をみる」
➍(僧の忌詞)仏前に供える花を切る。
◇広く一般には「見」。「視」はまっすぐに目を向けてみる、また注意してみる場合、「観」は観察・見物などに多く使う。「診」は➊7に使う。
⇒見ての通り
⇒見て見ぬ振りをする
⇒見ぬうちが花
⇒見られたものじゃない
⇒見る影も無い
⇒見ると聞くとは大違い
⇒見るに忍びない
⇒見るに堪えない
⇒見るに見かねる
⇒見る間に
⇒見れば見るほど
広辞苑 ページ 19040 での【見る】単語。