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むなし・い【空しい・虚しい】🔗🔉

むなし・い空しい・虚しい】 〔形〕[文]むな・し(シク) ①中に物がない。からである。万葉集3「人もなき―・しき家は草枕旅にまさりて苦しかりけり」。源氏物語椎本「立ち寄らむ蔭とたのみし椎がもと―・しき床とこになりにけるかな」 ②内容がない。充実していない。「―・い弁舌」 ③事実がない。あとかたがない。源氏物語少女「―・しき事にて人の御名やけがれむ」 ④はかない。かりそめである。万葉集5「世の中は―・しきものと知るときしいよよますます悲しかりけり」。「―・い夢」 ⑤この世にいない。死んだ。源氏物語夕顔「此の人を―・しくしなしてむ事のいみじく思さるるにそへて」。平家物語3「有王―・しき姿に取りつき、天に仰ぎ地に伏して泣き悲しめどもかひぞなき」 ⑥無益である。むだである。かいがない。天草本平家物語「平家はむかうの山に陣をとつて―・しう日数をおくらるるに」。「―・く待つ」 ⑦欲がない。恬淡てんたんである。垂仁紀「志懐沖むなしく退く」 ⇒空しき骸 ⇒空しきけぶり ⇒空しき空 ⇒空しき名 ⇒空しき船 ⇒空しくなる ○空しき骸むなしきから 死骸。むなしき屍かばね。源氏物語蜻蛉「―をだに見奉らぬが」 ⇒むなし・い【空しい・虚しい】 ○空しきけぶりむなしきけぶり 火葬の煙。無常の煙。 ⇒むなし・い【空しい・虚しい】 ○空しき空むなしきそら おおぞら。虚空こくう。古今和歌集「わが恋は―に満ちぬらし」 ⇒むなし・い【空しい・虚しい】 ○空しき名むなしきな かいのない名。いたずらな評判。 ⇒むなし・い【空しい・虚しい】 ○空しき船むなしきふね (船は君主。位を去ったからいう)上皇(仙洞)の異称。後拾遺和歌集「住吉の神はあはれと思ふらむ―をさして来たれば」 ⇒むなし・い【空しい・虚しい】 ○空しくなるむなしくなる 死ぬ。みまかる。宇津保物語梅花笠「はやく空しくなり給ひにき」。日葡辞書「ムナシュウナル」 ⇒むなし・い【空しい・虚しい】

広辞苑 ページ 19200 での空しい単語。