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これ【此・是・之・惟】🔗🔉

これ此・是・之・惟】 [一]〔代〕 ➊空間的・時間的または心理的に、話し手の近くにあるものを指し示す語。 ①自分の近くにあるもの、また、していること。「―を御覧よ」「―を済ましてから行こう」 ②今、自分が話題にしている物・事・人。万葉集3「聞くが如ごとまこと尊くくすしくも神さびをるか―のみづ島」。源氏物語桐壺「いまひときざみの位をだにと贈らせ給ふなりけり。―につけても憎み給ふ人々多かり」「藤壺と聞ゆ。…―は、人の際まさりて」。「―が私の言いたいことです」 ③この所。ここ。平家物語2「丹波少将急ぎ―へたべ」 ④自分。わたし。謡曲、鉢木「―は一所不住の沙門にて候」 ⑤この時。今。平家物語12「今度の事は―より後も類あるべしとも覚えず」。「―までの状態では」 ⑥判断の対象として取り立てて述べるもの。ほかならぬ、この点・人・物・事。源氏物語帚木「女の―はしもと難つくまじきは、かたくもあるかな」。「―こそ最大の関心事だ」 ➋漢文の「之」「是」「惟」などの訓読から発した用法。 ①提示した語句を再度述べ立てるのに使う。平家物語2「日本は―神国也」。「国の交戦権は―を認めない」 ②判断の対象を強調的に述べるのに使う。「…とは―いかに」「―すなわち」 [二]〔感〕 ①漢文または漢文調の文で語調を助け、口調を強めるのに用いる語。「―時に昭和20年8月15日」 ②人に注意を与え、また、呼びかける時に発する語。狂言、丼礑どぶかっちり「いや―、参りませいの」 ⇒此あるかな ⇒此ぞこの ⇒此に懲りよどうさい坊 ⇒此は如何なこと ⇒此はさて ⇒此ははや ⇒此やこの ○此あるかなこれあるかな (漢文口調の表現)感嘆をこめて肯定を表す語。なるほどなあ。これこそ全く…である。 ⇒これ【此・是・之・惟】

広辞苑 ページ 7514 での単語。