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お・る【折る】ヲル🔗🔉

お・る折るヲル [一]〔他五〕 直線状または平面であるはずのものに力を加えて急角度にまげる意。 ①(棒状のものを)ある一所でまげる。かがめる。伊勢物語「手を―・りてあひ見しことを数ふれば」。日葡辞書「ヒザヲヲル」 ②(棒状のものを)まげてその部分を本体から離してしまう。万葉集5「梅の花―・りてかざせる諸人もろひとは」。枕草子97「あさましきもの、刺櫛すりて磨くほどにものにつきさへて―・りたる心地」。「枝を―・る」 ③(布や紙を)たたんで二つに重ねる。また、折り目をつける。万葉集12「白しろたえの袖―・りかへし恋ふればか」。源氏物語浮舟「この右近もの―・るとて」 ④(まげたり、たたみ重ねたりして)物の形をつくる。烏帽子えぼし・扇などをつくる。謡曲、烏帽子折「急ぎの旅にて候程に今宵―・りて給はり候へ」。日葡辞書「シャウジまたはビャウブノホネヲヲル」。「千代紙で鶴を―・る」 ⑤心をまげる。屈服させる。源氏物語帚木「強き心をしひて加へたれば、なよ竹の心ちして、さすがに―・るべくもあらず」。日葡辞書「ガ(我)ヲヲル」 ⑥折句をつくる。誹風柳多留13「かきつばたいたまぬやうに公家は―・り」 ⑦(自動詞的に用いて)波などがものを畳んだように寄せる。寄せ返す。万葉集7「今日もかも沖つ玉藻は白波の八重―・るが上に乱れてあるらむ」 [二]〔自下二〕 ⇒おれる(下一)

お・る【居る】ヲル🔗🔉

お・る居るヲル 〔自五〕[文]を・り(ラ変) 「ゐ(坐)あり」の転で、動きを止めじっとした状態を長い間続けている意。人の場合に多く用いられるが、古くは人以外にも用いた。意味的に下の立場の人が上に向かっては使いにくく、上から下へが多いため、それをする人を低める語と解釈されることがある。「いる」より使われる場が減った結果、「いる」の改まった感じの語としても使われる。四段活用の例は中世以後の文献に見える。 ①その場を動かずにいる。じっとしている。座りつづける。古事記「人さはに入り―・りとも」。万葉集5「床の辺去らず立てれども―・れども共に戯れ」。為忠百首「夏ながら氷―・りける奥山はこの世の外の心ちこそすれ」。「先生はそこに―・られますか」「下に―・ろう」 ②(動詞・助動詞の連用形、または、それに助詞「て」の付いたものに付いて。自分について卑下、他人について軽侮・罵詈の意味を含むことがある) ㋐動作・状態の継続を表す。…ている。万葉集2「なよ竹のとをよる子らはいかさまに念ひ―・れか」。枕草子28「炭櫃などに、手のうらうち返しうち返し、おしのべなどしてあぶり―・る者」。狂言、富士松「不二の三寸みき(神酒)ぢやの何のと言うてのませ―・つて」。「あちらで寝て―・ります」 ㋑既にあったことを示す。「そんなことわかって―・る」「警報が出て―・ります」「見て―・られますか」

広辞苑 ページ 3088