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おお【凡】オホ🔗🔉

おおオホ (一説に、オボと濁音) ①ぼんやりしているさま。ほのか。万葉集4「朝霧の―に相見し人ゆゑに」 ②いいかげんなさま。おろそか。万葉集2「天そら数ふ大津の子が逢ひし日に―に見しくは今ぞ悔しき」 ③平凡なさま。ふつう。万葉集7「人こそは―にも言はめわがここだ偲しのふ川原を標しめ結ふなゆめ」

おおし【凡】オホシ🔗🔉

おおしオホシ 〔副〕 およそ。だいたい。源氏物語少女「―かいもとのあるじ、甚だ非常ひぞうに侍りたうぶ」

おおしこうち【凡河内】オホシカフチ🔗🔉

おおしこうち凡河内オホシカフチ 姓氏の一つ。 ⇒おおしこうち‐の‐みつね【凡河内躬恒】

おおしこうち‐の‐みつね【凡河内躬恒】オホシカフチ‥🔗🔉

おおしこうち‐の‐みつね凡河内躬恒オホシカフチ‥ 平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。宇多・醍醐天皇に仕え、古今集撰者の一人で、紀貫之・壬生忠岑と並称。家集「躬恒集」。生没年未詳。 ⇒おおしこうち【凡河内】

おお‐に【凡に】オホ‥🔗🔉

おお‐に凡にオホ‥ 〔副〕 ⇒おお(凡)

おおよそ【凡・大凡】オホ‥🔗🔉

おおよそ凡・大凡オホ‥ 〔名・副〕 ①すべて数えて。おしなべて。今昔物語集5「―象より始めて諸もろもろの獣」 ②大体において。ほぼ。およそ。大鏡道長「―かの寺より始まりて年に二三度」。「―の筋を説明する」「―見当がつく」 ③なみひと通りであるさま。世間一般。なみたいてい。源氏物語御法「―の人さへ」 ⇒おおよそ‐びと【凡人】

おおよそ‐びと【凡人】オホ‥🔗🔉

おおよそ‐びと凡人オホ‥ 普通の人。世間一般の人。常人。源氏物語若菜下「とやかくやと―の思はむ心さへ」 ⇒おおよそ【凡・大凡】

おぼ【凡】🔗🔉

おぼ⇒おお

およそ【凡そ】🔗🔉

およそ凡そ】 [一]〔名〕 (オホヨソの約)物事の概要。概略。転じて、粗略。狂言、二千石じせんせき「いいやかかる大事のお謡を、―にしては叶ふまじとて」。「―の見当をつける」 [二]〔副〕 ①多少の例外の有無は問わず、概略的または原則的に述べる意を表す。だいたい。おしなべて。古今著聞集8「―君と臣とは水と魚との如し」。「―人として親を思わぬ者はない」「―百個はある」 ②全く。「―価値が無い」「―ばかばかしい話だ」 ③昔の法文で条々の初めに置き発語として用いる。

すべ‐て【総て・全て・凡て・渾て】🔗🔉

すべ‐て総て・全て・凡て・渾て】 (ス(総)ブの連用形に助詞テの付いたもの) [一]〔名・副〕 ことごとく。みな。全部。源氏物語橋姫「綿・絹・袈裟・衣など、―ひと領くだりのほどづつ」。「住民の―が望む」「方策は―尽きた」 [二]〔副〕 ①一般的に。総じて。源氏物語若菜下「―何事につけても、もどかしくたどたどしきことまじらず」 ②(下に打消の語を伴って)全く。少しも。源氏物語若菜上「―今は恨めしきふしもなし」 ⇒総ての道はローマに通ず ○総ての道はローマに通ずすべてのみちはローマにつうず (ラ=フォンテーヌ「寓話集」の言葉。ローマ帝国の全盛期、世界中のすべての道が、ローマに通じていたということから)物事が中心に向かって集まること、また、やり方は違っていても、目的は同じであること、また、物事が一つの真理から発していることのたとえ。 ⇒すべ‐て【総て・全て・凡て・渾て】

はん‐じん【凡人】🔗🔉

はん‐じん凡人⇒ぼんじん

はん‐ぴゃく【凡百】🔗🔉

はん‐ぴゃく凡百(→)「ぼんぴゃく」に同じ。

はん‐れい【凡例】🔗🔉

はん‐れい凡例】 書物のはじめに掲げる、その書物の編集方針や利用のしかたなどに関する箇条書。例言。

ぼん‐がん【凡眼】🔗🔉

ぼん‐がん凡眼】 普通の人の目。平凡な眼識。

ぼん‐きょう【凡境】‥キヤウ🔗🔉

ぼん‐きょう凡境‥キヤウ 凡夫の境地。

ぼん‐きん【凡近】🔗🔉

ぼん‐きん凡近】 平凡で卑近なこと。

ぼん‐ぐ【凡愚】🔗🔉

ぼん‐ぐ凡愚】 平凡で愚かなこと。また、その人。凡人。

ぼん‐げ【凡下】🔗🔉

ぼん‐げ凡下】 ①すぐれた所のないこと。平凡なこと。また、その人。凡夫。凡人。梁塵秘抄「毘盧の身土の卑しきを、―の一念超えずとか」 ②令制上の位をもたない人。 ③主として鎌倉幕府法に見える身分階層上の呼称。侍さむらいに属さない一般庶民を指した。甲乙人。

ぼん‐けい【凡境】🔗🔉

ぼん‐けい凡境】 普通の場所。霊地などに対していう。源平盛衰記14「此の地は霊地にして―にあらず」

ぼん‐こつ【凡骨】🔗🔉

ぼん‐こつ凡骨】 平凡な器量の者。

ぼん‐さい【凡才】🔗🔉

ぼん‐さい凡才】 平凡な才能。また、その人。

ぼん‐さく【凡作】🔗🔉

ぼん‐さく凡作】 平凡な、つまらない作品。

ぼん‐さく【凡策】🔗🔉

ぼん‐さく凡策】 平凡な策略。

ぼん‐しつ【凡失】🔗🔉

ぼん‐しつ凡失】 野球で、つまらない失策。

ぼん‐しゅ【凡手】🔗🔉

ぼん‐しゅ凡手】 ①なみの技量。平凡な腕まえ。また、その人。「―にできることではない」 ②囲碁・将棋などで、平凡でまずい手。「―を打つ」

ぼん‐しゅ【凡主】🔗🔉

ぼん‐しゅ凡主】 平凡な主人または主君。

ぼん‐しょ【凡書】🔗🔉

ぼん‐しょ凡書】 ありきたりの本。

ぼん‐しょ【凡庶】🔗🔉

ぼん‐しょ凡庶】 なみの人。凡人。庶人。ぼんそ。

ぼん‐しょう【凡小】‥セウ🔗🔉

ぼん‐しょう凡小‥セウ 人物などが平凡で小さいこと。

ぼん‐しょう【凡聖】‥シヤウ🔗🔉

ぼん‐しょう凡聖‥シヤウ 凡夫と聖者。 ⇒ぼんしょう‐いちにょ【凡聖一如】

ぼん‐じょう【凡常】‥ジヤウ🔗🔉

ぼん‐じょう凡常‥ジヤウ ありきたりであること。

ぼんしょう‐いちにょ【凡聖一如】‥シヤウ‥🔗🔉

ぼんしょう‐いちにょ凡聖一如‥シヤウ‥ 〔仏〕事相に違いはあっても、理性りしょうにおいては凡夫も聖者も同一・平等無差別であるということ。凡聖不二。 ⇒ぼん‐しょう【凡聖】

ぼん‐しん【凡身】🔗🔉

ぼん‐しん凡身】 〔仏〕凡夫ぼんぶの身。

ぼん‐じん【凡人】🔗🔉

ぼん‐じん凡人】 ①特にすぐれた所のない、普通の人。「―には理解しがたい」 ②身分の低い人。平民。

ぼん‐すい【凡水】🔗🔉

ぼん‐すい凡水】 平凡な川。「平山―」

ぼん‐せん【凡戦】🔗🔉

ぼん‐せん凡戦】 平凡で面白みのない試合。

ぼん‐そ【凡庶】🔗🔉

ぼん‐そ凡庶】 ボンショの直音化。

ぼん‐そう【凡僧】🔗🔉

ぼん‐そう凡僧】 ①凡愚な僧。 ②僧綱そうごうなどに任ぜられない法師位の僧。

ぼん‐ぞく【凡俗】🔗🔉

ぼん‐ぞく凡俗】 ①世間なみで、高尚でないこと。「―の風ふう」 ②凡人。俗人。凡夫。太平記30「余りに恐れ無く―の器物になされぬる事」。「―の知恵」

ぼん‐だ【凡打】🔗🔉

ぼん‐だ凡打】 野球で、ヒットにならない打球。

ぼん‐たい【凡退】🔗🔉

ぼん‐たい凡退】 野球で、打者が出塁・犠打を果たさずアウトとなって退くこと。「三者―」

ぼん‐ち【凡知】🔗🔉

ぼん‐ち凡知】 普通の程度の知恵。

ぼんちょう【凡兆】‥テウ🔗🔉

ぼんちょう凡兆‥テウ 江戸中期の俳人。加賀の人。姓氏は野沢、ほかに宮城・越野・宮部など諸説がある。京都で医を業とした。芭蕉の門人。去来と共に「猿蓑」を撰した。句風は印象鮮明で格調が高い。妻羽紅うこうも俳人。( 〜1714) →文献資料[猿蓑]

ぼん‐にん【凡人】🔗🔉

ぼん‐にん凡人】 ①普通の人。ぼんじん。平治物語「にらまれける眼ざしは、げに―とは見えざりけり」 ②清華せいが以下の身分の人。なみの身分の人。平家物語1「是皆摂禄の臣の御子息、―にとりては其の例なし」

ぼん‐ぴ【凡卑】🔗🔉

ぼん‐ぴ凡卑】 身分のいやしいこと。源平盛衰記10「―の愚僧名聞の高位も所望なく」

ぼん‐ぴゃく【凡百】🔗🔉

ぼん‐ぴゃく凡百】 (ボンビャクとも)いろいろのもの。もろもろ。はんぴゃく。「―の迷い」

ぼん‐ぶ【凡夫】🔗🔉

ぼん‐ぶ凡夫】 (ボンプとも) ①〔仏〕煩悩に束縛されて迷っている人。異生いしょう。 ②普通の人。凡人。今昔物語集5「忽ちに仙の通力失せて―になりにけり」

ぼん‐ミス【凡ミス】🔗🔉

ぼん‐ミス凡ミス】 単純な失敗。つまらない失敗。

ぼん‐よう【凡庸】🔗🔉

ぼん‐よう凡庸】 すぐれたところのないこと。なみなみ。平凡。また、その人。凡人。「―な人物」

ぼん‐りゅう【凡流】‥リウ🔗🔉

ぼん‐りゅう凡流‥リウ 平凡な門流。

ぼん‐りょ【凡慮】🔗🔉

ぼん‐りょ凡慮】 凡人の考え。保元物語「此の御企て、宗の御計ひも測り難く、―の推す処然るべからず」

わろ‐もの【悪者・凡客】🔗🔉

わろ‐もの悪者・凡客】 劣った者。つまらない者。平凡な者。わるもの。源氏物語帚木「―は僅かに知れる方の事を残りなく見せつくさむと思へるこそいとほしけれ」

[漢]凡🔗🔉

 字形  筆順 〔几部1画/3画/常用/4362・4B5E〕 [] 字形 〔几部1画/3画〕 〔音〕ボン(呉) ハン(漢) 〔訓〕およそ・すべて (名)つね [意味] ①全体をおしなべて。すべて(の)。およそ(の)。「凡例はんれい・凡百」 ②なみの。ありふれた。つまらぬ。「凡人・凡夫・平凡・非凡・超凡」 [解字] 解字板または広げた布の形を描いた象形文字。広く全体をおおう意を表す。は異体字。

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