○如何なものか_{いかがなものか} どうだろうか。多く、まだ考えるべきである意を込めて、疑問・批判の表現に使う。「あなたの気持はわかるが、その結論は―」 ⇒いかが【如何】 いかが‐は【如何は】 ①(反語)どうして。源氏物語夕顔「―おろかに思ひ聞えむ」 ②(「いかがは…せざらむや」「いかがは…ならざらむや」の意で)どうしてそうせずにおれようか、もちろん、そうだ。落窪物語1「いとほしうはおぼさずやといへば、―といふ」 ⇒いかが【如何】

いか‐な【如何な】 [一]〔連体〕 どのような。どんな。中華若木詩抄「此の大雪には―園林も一様に白くなるべきぞ」 [二]〔副〕 (否定・反語の語にかかる)どうしても。何としても。いっかな。浮世草子、日本新永代蔵「鋳崩して売りはらふに、―此の銅を買ふ人なし」 ⇒いかな‐いかな【如何な如何な】 ⇒いかな‐こと【如何な事】

いかな‐いかな【如何な如何な】 「いかな」を強めていう語。決して。どうしてどうして。何の何の。狂言、悪太郎「誰殿がお止めやつても、―止る事では御座らぬ」 ⇒いか‐な【如何な】

いかな‐こと【如何な事】 ①意外な事。とんでもない事。狂言、貰聟「これは―、ここにも戻らぬと申すか」 ②どうしても。いかないかな。浄瑠璃、国性爺合戦「さもないうちは―ならぬならぬとねめ付くる」 ⇒いか‐な【如何な】

いかな・り【如何なり】 〔自ラ変〕 (イカニアリの約)どうである。「心中―・りや」

いかなる【如何なる】 〔連体〕 (イカナリの連体形から)どのような。どういう。「―運命が待ち構えているか」「―勇士といえども」「―時もあわてない」

いっか‐な【如何な】 (イカナの促音化) [一]〔連体〕 どのような。どんな。 [二]〔副〕 (下に打消の語を伴って)どうしても。どうあろうとも。浄瑠璃、生写朝顔話「杖を力に降雨も、―厭はぬ女の念力」。「―承知しない」