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○折も折おりもおり🔗⭐🔉
○折も折おりもおり
ちょうどその時。
⇒おり【折】
おり‐も‐おり【折も折】ヲリ‥ヲリ
⇒おり(折)(成句)
おり‐もと【織元】
織物の製造元。
おり‐もの【下り物】
①子宮から出る粘液・組織などの総称。こしけ。
②あとざん。
③悪露おろのこと。
おり‐もの【織物】
経糸たていとと緯糸よこいととを組み合わせて機はたにかけて織った布。源氏物語東屋「をみなへしの―と見ゆる」。「絹―」
おり‐もよう【織模様】‥ヤウ
地色とちがった色糸で織り出した模様。繻珍しゅちん・金襴きんらんなどの模様の類。
おり‐もん【織紋・織文】
布に織り出した紋。
おり‐や【折屋】ヲリ‥
①折箱を作る職人。
②印刷された紙を本にするために、必要な大きさに折りたたむ仕事を職業とする人。
おり‐や【織屋】
織物製造を業とする家。はたや。
おり‐やなぎ【折柳】ヲリ‥
髷まげの結い方。元禄(1688〜1704)の頃、女や若衆の間に行われた。
おり‐やま【折山】ヲリ‥
布や紙を折った外側の折り目。
おりゃら‐し‐ます
(オリャルの尊敬語)あらせられます。狂言、夷毘沙門「是は西の宮の夷三郎殿にて―」
おりゃ・る
〔自四〕
(御入リアルの転)
①「行く」「来る」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。閑吟集「―・りそめて―・らねば、おれが名が立つ、只―・れ」
②「ある」「居る」の尊敬語。おありになる。おられる。狂言、泣尼「なうなう尼、―・るか居さしますか」
③(「で―・る」の形で)「である」「だ」の丁寧な言い方。(で)ございます。狂言、末広がり「何事ぞとの不審で―・る」
おり‐ゆ【下り湯】
(→)「居り湯」に同じ。保元物語「古き湯屋を借りて常に―をぞしける」
おり‐ゆ【居り湯】ヲリ‥
釜をとりつけず、他でわかした湯を入れて入浴すること。また、そのような風呂。のちには据風呂すえふろと混同。日葡辞書「ヲリユニイル」
お‐りょう【御寮】‥レウ
(御寮人の略)
①比丘尼びくに。尼。狂言、比丘貞「この―を、皆おあんおあんと仰せらるる程に」
②勧進比丘尼団体の中心者。比丘尼をかかえて勧進または売色をさせた。好色一代男3「いつ比ごろより―みだらになして」
お・りる【下りる・降りる】
〔自上一〕[文]お・る(上二)
上から下への移動を示すが、到達点に焦点をおく点で「さがる」と異なり、目的・意図のある作用を示す点で「おちる」と異なる。
①高い所からだんだんに移って下の位置・場所に着く。また、そのような状態になる。後撰和歌集雑「よと共に峰へ麓へ―・り登り行く雲の身は我にぞ有ける」。枕草子78「いみじう霧りわたりたる庭に―・りてありくを」。「遮断機が―・りた」「肩の荷が―・りる」
②車・舟などの乗物から出る。竹取物語「舟より―・りてこの山の名を何とか申すと問ふ」。枕草子33「車とどめて―・るる人」。「次の駅で―・ります」
③貴人の前から退く。退出する。源氏物語野分「中将―・りてなかの廊の戸より通りて」
④位を退く。職を辞す。役がらをことわる。大鏡陽成「世をしらせ給ふこと八年位―・りさせ給ひて」。後撰和歌集雑「殿上―・りて侍りける時」。「彼はあの役を―・りるそうだ」「政権の座を―・りる」
⑤勝負事などで、参加する権利をすてる。また、役から退く。「つきが回ってくるまで絶対に―・りない」
⑥《下》役所などから指示や決定などがくだされる。「許可が―・りる」「恩給が―・りる」
⑦《下》体内から、下に出る。「回虫が―・りる」
⑧露・霜・霧などが置く。冬の日「霧―・りて本郷の鐘七つきく」(杜国)。「初霜が―・りる」
⑨固形物が磨すられて粒子状になる。日葡辞書「チャ(茶)ガヨウヲルル」。「硯がわるくて墨がよく―・りない」
◇用字で、「下」は「上」の対、「降」は「乗」「登」の対になる意味の場合に使うことが多い。
オリンピア【Olympia】
古代ギリシア、ペロポネソス半島北西部エリス地方にあった都市。ゼウスの神殿があり、宗教の中心。オリンピック競技の発祥地。
⇒オリンピア‐さい【オリンピア祭】
オリンピアード【Olympiad】
①オリンピア祭と次のオリンピア祭との間の4年の時期。紀元前776年来、古代ギリシア人はこれを基準として年代を数えた。
②(→)オリンピック2に同じ。
オリンピア‐さい【オリンピア祭】
古代ギリシアのオリンピアで、紀元前776年から4年ごとに行なった主神ゼウスの祭典。時期は8月の満月の頃で、同時に競技会(古代オリンピック)が行われた。テオドシウス帝の異教禁止令によって393年の293回を最後に廃止。
⇒オリンピア【Olympia】
オリンピック【Olympic】
(「オリンピアの」の意)
①古代ギリシア人がオリンピア祭に催した運動・詩・音楽などの競技大会。紀元前776年から紀元393年まで、4年ごとに開催。古代オリンピック。
②国際オリンピック委員会(IOC)が4年ごとに開催する国際的スポーツ競技大会。第1回は1896年(アテネ)。1924年以降、別に冬季大会も行われる。国際オリンピック大会。近代オリンピック。オリンピアード。五輪。
⇒オリンピック‐しゅもく【オリンピック種目】
⇒オリンピック‐とうき‐きょうぎ‐たいかい【オリンピック冬季競技大会】
⇒オリンピック‐むら【オリンピック村】
オリンピック‐しゅもく【オリンピック種目】
国際オリンピック大会における競技種目。夏季大会は男子は少なくとも4大陸、75国・地域で、女子は少なくとも3大陸、40国・地域で、冬季大会は男女とも3大陸、25国・地域で広く行われている種目の中から、原則として該当大会開催4年前に選定。
⇒オリンピック【Olympic】
オリンピック‐とうき‐きょうぎ‐たいかい【オリンピック冬季競技大会】‥キヤウ‥クワイ
4年に1回開かれる冬季のオリンピック。1924年から始まり、94年より夏季大会の中間年に行われる。
⇒オリンピック【Olympic】
オリンピック‐むら【オリンピック村】
オリンピック大会開催地の近くに選手の宿舎を設けた一地域。選手村。
⇒オリンピック【Olympic】
オリンポス【Olympos】
ギリシア北部、テッサリアとマケドニアとの境界にある峻峰。オリンポスの十二神を初めとするギリシア神話の諸神が住んだという。高さ2917メートル。オリュンポス。
オリンポスの十二神(表)
お・る【下る・降る】
〔自上二〕
⇒おりる(上一)
お・る【折る】ヲル
[一]〔他五〕
直線状または平面であるはずのものに力を加えて急角度にまげる意。
①(棒状のものを)ある一所でまげる。かがめる。伊勢物語「手を―・りてあひ見しことを数ふれば」。日葡辞書「ヒザヲヲル」
②(棒状のものを)まげてその部分を本体から離してしまう。万葉集5「梅の花―・りてかざせる諸人もろひとは」。枕草子97「あさましきもの、刺櫛すりて磨くほどにものにつきさへて―・りたる心地」。「枝を―・る」
③(布や紙を)たたんで二つに重ねる。また、折り目をつける。万葉集12「白
しろたえの袖―・りかへし恋ふればか」。源氏物語浮舟「この右近もの―・るとて」
④(まげたり、たたみ重ねたりして)物の形をつくる。烏帽子えぼし・扇などをつくる。謡曲、烏帽子折「急ぎの旅にて候程に今宵―・りて給はり候へ」。日葡辞書「シャウジまたはビャウブノホネヲヲル」。「千代紙で鶴を―・る」
⑤心をまげる。屈服させる。源氏物語帚木「強き心をしひて加へたれば、なよ竹の心ちして、さすがに―・るべくもあらず」。日葡辞書「ガ(我)ヲヲル」
⑥折句をつくる。誹風柳多留13「かきつばたいたまぬやうに公家は―・り」
⑦(自動詞的に用いて)波などがものを畳んだように寄せる。寄せ返す。万葉集7「今日もかも沖つ玉藻は白波の八重―・るが上に乱れてあるらむ」
[二]〔自下二〕
⇒おれる(下一)
お・る【居る】ヲル
〔自五〕[文]を・り(ラ変)
「ゐ(坐)あり」の転で、動きを止めじっとした状態を長い間続けている意。人の場合に多く用いられるが、古くは人以外にも用いた。意味的に下の立場の人が上に向かっては使いにくく、上から下へが多いため、それをする人を低める語と解釈されることがある。「いる」より使われる場が減った結果、「いる」の改まった感じの語としても使われる。四段活用の例は中世以後の文献に見える。
①その場を動かずにいる。じっとしている。座りつづける。古事記中「人さはに入り―・りとも」。万葉集5「床の辺去らず立てれども―・れども共に戯れ」。為忠百首「夏ながら氷―・りける奥山はこの世の外の心ちこそすれ」。「先生はそこに―・られますか」「下に―・ろう」
②(動詞・助動詞の連用形、または、それに助詞「て」の付いたものに付いて。自分について卑下、他人について軽侮・罵詈の意味を含むことがある)
㋐動作・状態の継続を表す。…ている。万葉集2「なよ竹のとをよる子らはいかさまに念ひ―・れか」。枕草子28「炭櫃などに、手のうらうち返しうち返し、おしのべなどしてあぶり―・る者」。狂言、富士松「不二の三寸みき(神酒)ぢやの何のと言うてのませ―・つて」。「あちらで寝て―・ります」
㋑既にあったことを示す。「そんなことわかって―・る」「警報が出て―・ります」「見て―・られますか」
お・る【愚る】
〔自下二〕
おろかになる。放心状態になる。ぼける。源氏物語少女「かしこがり給へど人の親よ、おのづから―・れたる事こそ出で来べかめれ」
お・る【織る】
〔他五〕
①経糸たていとと緯糸よこいととを組み合わせ、機はたにかけて布をつくる。万葉集10「たなばたの五百機いおはた立てて―・る布の」。「機を―・る」
②藺い・藁わらなどを組み合わせて、筵むしろをつくる。
③(比喩的に)交えつくる。組み立てる。組み合わせる。「錦を―・る山の紅葉」
オルガスムス【Orgasmus ドイツ】
性的興奮の最高潮。オーガズム。
オルガナイザー【organizer】
①⇒オルグ。
②〔生〕形成体。
オルガニズム【organism】
①有機体。生物。
②組織体。機構。
オルガネラ【organella ラテン】
〔生〕(→)細胞小器官。
オルガノン【Organon ギリシア】
機関・道具の意。論理学は哲学の一部門ではなくて道具であるとの見解のもとに、アリストテレス学派は論理学をこう呼び、のちアリストテレスの論理学の諸著作を総括する名称となった。ベーコンの「新オルガノン」はこれに由来。
オルガン【orgão ポルトガル】
鍵盤楽器。風をパイプに送って音を出す。パイプ‐オルガンとリード‐オルガンとに大きく分かれる。風琴。小杉天外、はやり唄「偶ふと竹代の室から―の音ねが聞えた」→パイプ‐オルガン→リード‐オルガン
オルガンティーノ【Organtino Gnecchi; O.Soldo】
イタリア出身のイエズス会士。1570年(元亀1)来日、織田信長の厚遇を受け、秀吉政権下の一時期を除き、京畿伝道に尽力し、安土セミナリヨや京都南蛮寺を建設。烏児干伴天連ウルガンバテレンとして親しまれた。長崎で没。(1530頃〜1609)
オルグ
(オルガナイザーの略)大衆の間に派遣されて、組合や政党を組織したり加入を促したりする人。組織者。また、その活動。
オルゲルプンクト【Orgelpunkt ドイツ】
〔音〕数小節にわたって続く低音。持続低音。保続音。
オルゴール【orgel オランダ】
①ぜんまい仕掛で回転する円筒や円盤につけた多くのとげが、櫛の歯形の固定音階板を順次弾いて自動的に音楽を奏でる装置。箱や時計などに仕掛ける。1790年代スイスで発明。自鳴琴。風簫ふうしょう。上田敏、うづまき「自鳴琴おるごおるの機関ぜんまいを覗いて見たがるといふやうな経験は」
②歌舞伎の下座楽器の一つ。板上にしつらえたいくつかの鈴りんを鳴らす。おうるごうる。
③乳幼児の玩具。円筒に握り柄を付けたもの。振ると、中の振り子が数本の針金に触れて音が出る。
オルコック【Rutherford Alcock】
イギリスの外交官。中国各地の領事を経て、日本駐在の総領事・初代公使となり、幕末の混乱した時代に活躍。著「大君の都」。オールコック。(1809〜1897)
オルコット【Louisa May Alcott】
アメリカの女性作家。代表作「若草物語」(または「四人姉妹」)。(1832〜1888)
オルセー‐びじゅつかん【オルセー美術館】‥クワン
(Musée d'Orsay フランス)フランスの国立近代美術館。パリの旧オルセー駅の建物を改築し、1986年開館。フランスのバルビゾン派や印象派をはじめ、主に19世紀後半から20世紀初頭の美術作品を収蔵・展示。→パリ(図)
オルソ
(orthochromaticの略)写真感光材料が赤・橙色を除く他の可視光に感ずる性質をもっていること。オーソ。整色性。
オルソパン‐フィルム
(orthopanchromatic filmの略)肉眼に近い感色性をもつ写真フィルム。オーソパン。
オルターナティブ【alternative】
①代案。代替物。
②既存の支配的なものに対する、もう一つのもの。特に、産業社会に対抗する人間と自然との共生型の社会を目ざす生活様式・思想・運動など。
オルテガ‐イ‐ガセット【José Ortega y Gasset】
スペインの哲学者。著「無脊椎のスペイン」「大衆の反逆」など。(1883〜1955)
オルデンバーグ【Claes Oldenburg】
スウェーデン出身のアメリカの彫刻家。ポップ‐アートの代表的作家の一人。近年はパブリック‐アートを多く手がける。(1929〜)
オルト【ortho】
(ギリシア語orthos(正規の)に由来する接頭語)〔化〕
①ベンゼン環の1位と2位(隣接する位置)に置換基をもつことを示し、記号oで表す。例えばo‐ニトロフェノールはニトロ基と水酸基が隣接した炭素原子に結合しているベンゼン置換体。
②オキソ酸を区別するのに用いる接頭語。オルト燐酸・オルト硼ほう酸の類。
オルドヴァイ‐いせき【オルドヴァイ遺跡】‥ヰ‥
(Olduvai)アフリカ東部、タンザニアにある前期旧石器時代の遺跡群。人類最古の文化とされる礫器れっきを特徴とするオルドヴァイ文化からハンド‐アックスを特徴とするアシュール文化への発展の様相を確認できる重要な遺跡。
オルドス【鄂爾多斯・Ordos】
中国内モンゴル自治区の一部、黄河の湾曲部に囲まれた部分で長城以北の地域。古くは河南と呼ばれたが、明末、蒙古オルドス部がこの地を占拠して以来オルドスと称。1635年、清の支配下に入る。河套。
オルドビス‐き【オルドビス紀】
(Ordovician Period)地質年代の一つ。古生代のカンブリア紀後、シルル紀前の時代。約4億9000万年前から4億4000万年前まで。甲冑魚類が出現し、筆石類・オウムガイ類が繁栄。奥陶紀。→地質年代(表)
オルドビス‐けい【オルドビス系】
(Ordovician System)オルドビス紀の地層。奥陶系。
オルトラン【Ortran】
有機燐系浸透性の殺虫剤アセフェート剤の商品名。
オルニチン【ornithine】
塩基性α‐アミノ酸の一つ。分子式H2N(CH2)3CHNH2COOH 蛋白質を構成するアミノ酸の一つであるアルギニンの分解によりオルニチンと尿素ができる。
⇒オルニチン‐かいろ【オルニチン回路】
オルニチン‐かいろ【オルニチン回路】‥クワイ‥
〔生〕(ornithine cycle)哺乳類の肝臓における尿素形成の反応経路。1932年クレブスらが提唱。尿素回路。
⇒オルニチン【ornithine】
オルフ【Carl Orff】
ドイツの作曲家。単純で力強いリズムを持つ原始主義的作風。作「カルミナ‐ブラーナ」、歌劇「賢い女」など。音楽教育の分野でも活躍。(1895〜1982)
オルフェウス【Orpheus】
ギリシア神話に現れる、トラキアの詩人・音楽家。リラ(竪琴)の名手で、その音には野獣も山川草木も聞きほれ、また、アルゴナウタイの金羊皮奪還を助けたという。蛇に咬まれて死んだ妻エウリュディケを冥界へ迎えに赴き、地上に連れ帰る途中、後ろを振りむいたため、これを永久に失った。この物語はモンテヴェルディ・グルックなどの歌劇に脚色。
⇒オルフェウス‐きょう【オルフェウス教】
オルフェウス‐きょう【オルフェウス教】‥ケウ
(Orphicism)オルフェウスの名に結びつけられた浄めの密儀宗教。紀元前6世紀にギリシア各地に拡がった。魂はもと天上で神々と共にあったが罪を犯して地上に落ち、輪廻転生の輪にまき込まれ、音楽や戒律(禁欲)により浄められた魂のみが、この輪から脱出し天上へ帰りうると信じられた。ピタゴラス派・プラトンらに影響。
⇒オルフェウス【Orpheus】
オルメカ【Olmeca】
メキシコ湾岸の熱帯地方に紀元前1200〜前400年頃に栄えた文明の称。巨石頭像で有名。メソ‐アメリカ地域の諸文明の母型とされる。
オルレアン【Orléans】
フランス、ロワール川右岸、パリの南西116キロメートルにある都市。百年戦争末期、1428年イギリス軍に包囲されたが、少女ジャンヌ=ダルクの出現でイギリス軍を撃退。人口11万3千(1999)。
おれ【折れ】ヲレ
折れること。折れて切り離れた部分。
おれ【己】
〔代〕
①(二人称)相手を卑しめて呼ぶ語。おのれ。古事記中「―熊曾建くまそたける二人、伏まつろはず礼いや無しと聞しめして、―を取殺とれと詔りたまひて」。枕草子226「ほととぎす、―、かやつよ。―鳴きてこそ」
②(一人称)男女ともに、また目上にも目下にも用いたが、現代では主として男が同輩以下の者に対して用いる、荒っぽい言い方。「俺」「乃公」とも書く。狂言、金岡「―は狂気はせぬ」。「お前と―の仲」
おれ‐あ・う【折れ合う】ヲレアフ
〔自五〕
ゆずり合う。譲歩しあう。おりあう。「双方が―・って話がまとまる」
お‐れい【御礼】
恩恵や贈物を受けたのに対して、感謝の意をあらわすこと。また、その金銭または品物。
⇒おれい‐ごえ【御礼肥】
⇒おれい‐ぼうこう【御礼奉公】
⇒おれい‐まいり【御礼参り】
おれい‐ごえ【御礼肥】
果実の収穫や開花の後に施す肥料。
⇒お‐れい【御礼】
おれい‐ぼうこう【御礼奉公】
奉公人が約束の期間の奉公をすませた後、恩返しとしてただで働くこと。
⇒お‐れい【御礼】
おれい‐まいり【御礼参り】‥マヰリ
①神仏にかけた願がんの成就した礼に参詣すること。
②釈放されたやくざ・不良などが、自分の悪事を告発した人に仕返しをすること。
⇒お‐れい【御礼】
オレイン‐さん【オレイン酸】
(oleic acid)不飽和脂肪酸の代表的なもの。分子式C17H33COOH 二重結合を一つもつ。無色油状の液体。多くの動植物油脂の中にグリセリン‐エステルとして広く存在。椿油・オリーブ油・扁桃へんとう油などの主成分。油酸。
オレーフ【olijf オランダ・阿列布】
オリーブのこと。
オレーム【Nicole Oresme】
フランスの聖職者・科学者。解析幾何学・天文学・貨幣論・物理学のほかアリストテレスのフランス語訳に功績を遺した。(1330頃〜1382)
おれ‐おれ・し【愚愚し】
〔形シク〕
ぼんやりしている。間が抜けている。源氏物語手習「―・しき人の心にて、えさかしく強ひてものたまはず」
おれ‐かえ・る【折れ返る】ヲレカヘル
〔自五〕
①折れて元の方へかえる。
②がっくり折れる。
③舞う時に、身体や袖などがよく曲がりひるがえる。宇津保物語俊蔭「御階のもとに舞ひ出でて―・り舞ふ」
おれ‐かがみ【折れ屈み】ヲレ‥
①折れて屈むこと。
②身体の関節。
③(→)「おりかがみ」に同じ。
オレガノ【orégano スペイン】
シソ科の多年草。南ヨーロッパから東南アジアまで分布。高さ30〜60センチメートル。ピンク色の小花を多数つけ、観賞用にもする。全草に芳香があり、香味料・薬用として栽培。ピザなどに用いる。ハナハッカ。ワイルドマジョラム。
おれが・む【拝む】ヲレガム
〔他四〕
おがむ。おろがむ。
お‐れきれき【御歴歴】
身分・格式などの高い人々。名士たち。「居並ぶ―」
おれ‐くぎ【折れ釘】ヲレ‥
①頭部を折り曲げた釘。柱などにうちつけ物をかけるのに用いる。おりくぎ。
②折れ曲がった釘。
⇒おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】
おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】ヲレ‥リウ
きわめて字のへたなこと。金釘流。
⇒おれ‐くぎ【折れ釘】
おれ‐くち【折れ口】ヲレ‥
①折れたきわ。折れて取れたところ。おれめ。
②人の死にあうこと。とむらい。
③張り合っていたものが折れあう機会。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「粋な女房の挨拶もよい―と」
おれ‐こだ・る【折れこだる】ヲレ‥
〔自下二〕
折れて傾く。身を曲げる。弁内侍日記「―・れ、身をなきになして舞ひたりし」→こだれる
おれ‐こま・す【折れ込ます】ヲレ‥
〔他四〕
(近世語)みごもらせる。妊娠させる。
おれ‐こ・む【折れ込む】ヲレ‥
〔自五〕
①折れて内部にはいる。
②(近世語)みごもる。妊娠する。歌舞伎、傾城倭荘子「―・んだとは、めでたい」
オレゴン【Oregon】
アメリカ合衆国太平洋岸北部の州。森林資源に富み、製造業も盛ん。州都セイレム。→アメリカ合衆国(図)
おれ‐さま【己様・俺様】
〔代〕
自分のことを尊大にいう語。
オレステス【Orestēs】
ギリシア神話中の人物。アガメムノンとクリュタイムネストラとの子。父を殺した母とその情夫とを討つ。この物語はしばしばギリシア悲劇の題材となった。
おれ‐せん【折れ線】ヲレ‥
種々の長さおよび方向をもった線分を順次に接続して得られる線。
⇒おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】
おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】ヲレ‥
統計図表の一種。数量を示す点を順に線分で結んだ折れ線状のグラフ。
⇒おれ‐せん【折れ線】
おれ‐それ
①あれこれ。何やかや。浄瑠璃、傾城酒呑童子「人の―」
②何やかやのあいさつ。応対の作法。浮世風呂2「お屋敷さまへ上げておきますと、―が何処か違つて参ります」
お‐れつ【オ列】
五十音図の第五段。母音オを含む音節の文字の列。オ・コ・ソ・ト・ノ・ホ・モ・ヨ・ロ・ヲ。オ段。
オレフ【olijf オランダ・阿列布】
オリーブのこと。
オレフィン【olefin】
(エチレンの別称オレフィアント‐ガス(生油気)に由来)二重結合を一つもつ不飽和鎖状炭化水素の総称。一般式CnH2nで表される。付加反応を起こしやすい。エチレン(n=2)、プロピレン(n=3)などは化学工業中間原料として重要。オレフィン炭化水素。エチレン系炭化水素。アルケン。
おれ‐まが・る【折れ曲がる】ヲレ‥
〔自五〕
折れて曲がる。
おれ‐め【折れ目】ヲレ‥
折れたきわ。おれくち。折り目。
おれ‐め【己奴】
〔代〕
(二人称の「おれ」に、ののしる意を加えていう語)おのれめ。きさま。狂言、清水「―は身共をおくびやうものにするか」
おれ‐もの【愚者】
おろかな者。間抜け。蜻蛉日記中「我が一人の―にて」
おれ‐ら【己等】
〔代〕
①(二人称)おまえら。相手をののしっていう。平家物語5「さらば―書け」
②(一人称)われら。われ。俺等。讃岐典侍日記「―知らぬに、教へよ」
お・れる【折れる】ヲレル
〔自下一〕[文]を・る(下二)
直線状または平面であるはずのものが途中で急角度にまがる意。
①まがって2重になる。源氏物語玉鬘「天下に目つぶれ足―・れ給へりとも」。「縫代がよく―・れていない」
②まがって二つに分かれ離れる。源氏物語野分「大きなる木の枝などの―・るる音もいとうたてあり」。「鉛筆の芯が―・れる」「足の骨が―・れる」
③まがって行く。横へまがる。源氏物語賢木「二条より洞院の大路を―・れ給ふ程」。「突き当たって右へ―・れる」
④くじける。気勢をそがれる。心が弱くなる。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「刀の詮儀で水責めの腰が―・れた」。「我がが―・れる」「あの人も気が―・れた」
⑤主張・意見を和らげ、相手に従うようにする。譲歩する。保元物語「わが僻事とおぼしめす時は、たちまちに―・れさせ給ひて、御怠状をあそばして」。「こちらから―・れて出る」
⑥和歌の腰(第3句)が次の句とうまく続かず調子がくだける。紫式部日記「腰―・れたることやかきまぜたりけむ」
オレンジ【orange】
①ミカン科の果樹およびその果実の総称。特にインド原産ダイダイ類のネーブル‐オレンジ・バレンシア‐オレンジなどをいう。生食・ジュース用に大規模に栽培。甘橙。スイート‐オレンジ。
オレンジ
撮影:関戸 勇
②オレンジ色。赤みがかった黄色。
Munsell color system: 5YR6.5/13
⇒オレンジ‐エード【orangeade】
⇒オレンジ‐カード
⇒オレンジ‐ジュース【orange juice】
オレンジ‐エード【orangeade】
オレンジの果汁に砂糖を加え、水で割った飲料。
⇒オレンジ【orange】
オレンジ‐カード
(和製語orange card)JR各社が発行しているプリペイド‐カード。券売機で切符を購入できるほか乗越精算にも使える。
⇒オレンジ【orange】
オレンジ‐じゆうこく【オレンジ自由国】‥イウ‥
(Orange Free State)南アフリカのオランダ系ブーア人が、19世紀初めにケープ植民地を占領したイギリス人を避けて、北東方のオレンジ川北部に移住し、1854年に建てた国。南ア戦争(ブーア戦争)によりイギリスに征服され、1910年自治領である南アフリカ連邦の一州、南アフリカ共和国の州の一つとなる。95年フリー‐ステート州と改名。
オレンジ‐ジュース【orange juice】
オレンジ類のしぼり汁。また、それを飲料に加工したもの。
⇒オレンジ【orange】
おろ
牧場の一郭を囲って馬や牛を入れておく囲い・柵。おり。〈日葡辞書〉
お‐ろ【尾ろ】ヲ‥
(ロは接尾語)尾。→尾ろの鏡
お‐ろ【峰ろ】ヲ‥
(ロは接尾語)峰。万葉集14「安房―の―田に生おはるたはみづら」
お‐ろ【緒ろ】ヲ‥
(ロは接尾語)緒。万葉集14「心の―に乗りて愛かなしも」
お‐ろ【悪露】ヲ‥
産褥期に膣ちつおよび子宮から出る血や排出物。俗に下おり物。
おろ【疎】
〔接頭〕
「不完全」「たしかでない」「いささか」などの意をあらわす。うろ。「―抜く」「―覚え」
おろ‐い・ゆ【疎癒ゆ】
〔自下二〕
病・傷などがあらかたなおる。今昔物語集29「三日ばかりを隔てて、杖の目―・ゆる程に」
おろ‐おぼえ【疎覚え】
ぼんやりした記憶。うろおぼえ。
おろ‐おろ
①おぼつかないさま。不十分。宇治拾遺物語1「さきの翁よりは天骨もなく―かなでたりければ」
②泣いて、目や声のうるんださま。「―泣く」
③事態に対処できず取り乱すさま。「事故の知らせに―する」
⇒おろおろ‐ごえ【おろおろ声】
⇒おろおろ‐なみだ【おろおろ涙】
おろおろ‐ごえ【おろおろ声】‥ゴヱ
困惑・悲哀などの場合に出す、泣きそうな声。
⇒おろ‐おろ
おろおろ‐なみだ【おろおろ涙】
途方にくれ取り乱して泣き流す涙。
⇒おろ‐おろ
おろか【疎か】
(「おろ」は大ざっぱの意)
①実じつが十分にはこもっていないこと。いい加減。竹取物語「御使をばいかで―にせむ」
②物の数でないこと。
㋐言うまでもないこと。増鏡「あさましなど言ふも―なり」
㋑(「…は―」の形で)…は無論、その上更に。…ぐらいはまだしも。「日本は―唐天竺までも」
⇒おろか‐おい【疎生・穭】
おろか【愚か】
(「おろ」は不十分、不完全の意で、「疎おろか」と同源)
①知能・理解力が乏しいこと。ばか。あほう。宇津保物語楼上下「―なる者は忽ちに心さとく」。「―にも甘い言葉を信じてしまう」
②程度が劣ること。おろそか。源氏物語明石「いと心細しと言へば―なり」。徒然草「―なるおのれが道よりは」。四十二の物争「春と秋といづれ―はあらねど」
③ばかげていること。日葡辞書「ヲロカナマウシゴト」。「争いなど―なことだ」
⇒おろか‐もの【愚か者】
おろか‐おい【疎生・穭】‥オヒ
刈りあとの株から生えたひこばえ。再生稲。ひつじ。〈倭名類聚鈔17〉
⇒おろか【疎か】
おろかし・い【愚かしい】
〔形〕[文]おろか・し(シク)
ばかだ。ばからしい。
おろが・む【拝む】ヲロガム
〔他四〕
おがむ。推古紀「―・みて仕へまつらむ」
おろか‐もの【愚か者】
おろかな者。ばかもの。ぐしゃ。
⇒おろか【愚か】
おろ・く
〔自下二〕
心がうつろになる。うつける。景行紀「失意こころおろけて酔へるが如し」
おろく‐ぐし【阿六櫛】
木曾街道藪原駅名物の、黄楊つげの櫛。同街道妻籠つまごのお六という女の創始という。
おろし
①義太夫節の旋律型の一つ。時代物の大序の大ヲロシは荘重な曲節。
②能や長唄の打楽器の手法。
おろし【下ろし・卸】
①おろすこと。「雪―」
②神仏の供物や貴人の衣服・食物のさがりもの。
③新しい品物の用いはじめ。「仕立―」
④大根・しょうが・わさびなどをすりくずすこと。また、そのもの。「大根―」
⑤(「颪」と書く)山地から吹きおろす風。「高嶺たかね―」「伊吹―」
⑥(「卸」と書く)商品を問屋から小売店に売り渡すこと。
⇒おろし‐あえ【下ろし和え】
⇒おろし‐あゆみ【下ろし歩み】
⇒おろし‐うり【卸売】
⇒おろしうり‐しじょう【卸売市場】
⇒おろしうり‐ぶっかしすう【卸売物価指数】
⇒おろし‐え【下ろし枝】
⇒おろし‐がね【下ろし金】
⇒おろし‐ぐすり【下ろし薬・堕薬】
⇒おろし‐ご【下ろし子】
⇒おろし‐ごめ【下ろし米】
⇒おろし‐たて【下ろし立て】
⇒おろし‐どんや【卸問屋】
⇒おろし‐なみ【卸並】
⇒おろし‐ね【卸値】
⇒おろし‐ねだん【卸値段】
⇒おろし‐の‐かぜ【颪の風】
⇒おろし‐ばた【下ろし機】
⇒おろし‐もの【下ろし物】
⇒おろし‐や【下ろし矢】
おろし‐あえ【下ろし和え】‥アヘ
魚肉・野菜などを大根おろしで和えること。また、そのもの。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐あゆみ【下ろし歩み】
足をまっすぐに踏みおろす、おちついた歩き方。浄瑠璃、傾城反魂香「―の道中は花の立木のそのままに」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐うり【卸売】
生産者・輸入商から大量の商品を仕入れて小売商人に売り渡すこと。「―商」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろしうり‐しじょう【卸売市場】‥ヂヤウ
卸売を行う市場。生産地の商品の集散市場である産地市場と、大消費地または大集散地の市場である中央市場とに大別。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろしうり‐ぶっかしすう【卸売物価指数】
物価指数の一種で、卸売段階での物価の変動状態を示すもの。日本では2003年まで日本銀行などが調査作成して定期的に発表してきた。→企業物価指数。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐え【下ろし枝】
切りおろした枝。千載和歌集春「花咲きたる―に結びつけて」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐がね【下ろし金】
大根・しょうが・わさびなどをすりおろす器具。表面に小突起が多数ある。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ぐすり【下ろし薬・堕薬】
妊婦にのませて堕胎させる薬。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ご【下ろし子】
児をおろすこと。堕胎。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐こ・む【下ろし籠む】
〔他下二〕
格子などをおろして閉じこもらせる。古今和歌集春「風にあたらじとて―・めてのみ侍りけるあひだに」
おろし‐ごめ【下ろし米】
さがりものの米。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐た・つ【下ろし立つ】
〔他下二〕
①おろして立たせる。
②身分の下の者の間にたち交わらせる。源氏物語帚木「さりともまうとたちのつきづきしく今めきたらむに―・てむやは」
おろし‐たて【下ろし立て】
新しい品物を使い始めたばかりであること。「―のシャツ」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐どんや【卸問屋】
卸売をする問屋。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐なみ【卸並】
小売商品の売価を卸値と同じにして販売すること。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ね【卸値】
卸売の値段。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ねだん【卸値段】
(→)卸値に同じ。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐の‐かぜ【颪の風】
(→)「おろし」5に同じ。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ばた【下ろし機】
木板に竹釘を並立させた大根おろし用の器具。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐もの【下ろし物】
神仏の供物または貴人の膳部の残り物や使用後の品物のさがりもの。おろし。
⇒おろし【下ろし・卸】
オロシャ
(→)オロスに同じ。北槎聞略4「皇朝にてヲロシヤと称し、支那も亦俄字を冠せしなるべし」
おろし‐や【下ろし矢】
低い方へ向かって射おろす矢。
⇒おろし【下ろし・卸】
オロス【俄羅斯】
ロシアの異称。オロシャ。増訂英華字典(1899年)「峨羅斯国」
おろ・す【下ろす・降ろす・卸す】
〔他五〕
➊上から下へだんだんに移す。
①注意を保ちながら低い位置にそろそろと移す。だんだんと下にやる。また、そのような状態にする。竹取物語「集まりてとく―・さむとて」。日葡辞書「ホヲヲロス」。「腰を―・す」「国旗を―・す」「肩の荷を―・す」「根を―・す」
②(幕などを)引きさげる。また、(よろい戸・錠などを)上から下へ動かして閉鎖する。源氏物語若紫「あやしきさまを人や見つらむとて、簾垂―・しつ」。源氏物語夕顔「半蔀はじとみは―・してけり」。炭俵「朝貌や昼は錠―・す門の垣」(芭蕉)。「シャッターを―・す」
③車・舟などの乗物から出す。竹取物語「舟底に伏し給へり。松原に御むしろ敷きて―・し奉る」。「乗客を―・す」
④(水に)入れる。宇津保物語祭使「御前の池に網―・し、鵜―・して、鯉鮒とらせ」。日葡辞書「イカリヲヲロス」「フネヲヲロス」
⑤貴人の前からさがらせる。退去させる。源氏物語帚木「皆しもやに―・し侍りぬるを」
⑥(官位を)さげる。位を退かせる。役などをやめさせる。また、一段低い用途に転用する。大鏡師尹「押して―・し奉らむことはばかり思し召しつるに」。「会長から―・す」「主役を―・される」
⑦けなす。悪く言う。源氏物語少女「あさましく咎め出でつつ―・す」
⑧神おろしをする。沙石集1「大明神を―・しまゐらせて、御託宣を仰ぐべし」
⑨(神仏の供え物や貴人の召料などを)おさがりとして与える、また、いただく。宇津保物語蔵開中「ここにておろしを物せよとて、―・させ給ふ」。今昔物語集23「そこの奉る御衣を一つ二つ―・し候はむ」
⑩(高い所から風などが)吹いて下に移動させる。吹きおろす。千載和歌集秋「浮き寝する猪名いなの湊に聞ゆなり鹿の音―・す峰の松風」
▷自動詞的にも使う。
➋もとあった所から離して落とす。
①(木の枝などを)きり落とす。万葉集15「青柳の枝きり―・しゆたね蒔き忌々しき君に恋ひわたるかも」。日葡辞書「ケダモノノシソク(四足)ヲヲロス」。「下枝を―・す」
②(頭髪を)そり落とす。伊勢物語「御髪ぐし―・し給うてけり」。日葡辞書「カシラヲヲロス」
③体内から下へ出す。堕胎する。元輔集「男の国にまかるほどに、児を―・してける女の」。木下尚江、良人の自白「都亭の主婦おかみさんの言の通り、堕胎おろして了つた方が可かつたか知ら」。「虫くだしを飲んで回虫を―・す」
④すりおろして粉にする。また、すりくずす。宇治拾遺物語2「件の金を取りて袖に包みて家にかへりぬ、―・してみればきらきらとして実の金なりければ、不思議のことなり」。日葡辞書「ダイコン・ワサビナドヲヲロス」
⑤(魚や獣の)肉を切りさく。今昔物語集19「猪をとり生けながら―・してけるを見て」。日葡辞書「ウヲヲヲロス」。「三枚に―・す」
➌しまってあるものを出し、実地の用に供する。
①新しい品を使い始める。宇津保物語藤原君「自らの料には三合の米よね―・して食ひつつ」。「―・したばかりの服」
②種子を植える。種子をまく。夫木和歌抄5「あめのあなたの苗代に神のくだせるたね―・すらし」
③(預金などを)引き出す。「貯金を全部―・す」
④《卸》商品を問屋が小売商に売りわたす。卸売りする。「品物を安く―・す」
◇広く一般には「下」。上げるや乗せるの対の意味の場合に「降」をよく使う。卸売りする意には「卸」、物をすりくだく意の場合は「下」または「卸」を使う。
おろ・す【織ろす】
〔他四〕
(オルの尊敬語オラスの転)お織りになる。古事記下「我が王おおきみの―・す服はた」
おろ‐す・う【下ろ据う】
〔他下二〕
(オロシスウの約)おろしてすえる。万葉集20「難波津に御船―・ゑ」
オロスコ【José Clemente Orozco】
メキシコの画家。近代的表現によって土俗的な内容を力強く表し、壁画運動を推進。作「サパタの同志たち」など。(1883〜1949)
おろせ
(「重くばおろせ」と歌いながらかついだのに基づく)
①「おろせ駕籠」の略。
②駕籠舁かごかきの異称。
⇒おろせ‐かご【おろせ駕籠】
⇒おろせ‐やど【おろせ宿】
おろせ‐かご【おろせ駕籠】
江戸時代、辻駕籠の一つ。主に上方の遊里でいう。おろせ。
⇒おろせ
おろせ‐やど【おろせ宿】
江戸時代、駕籠かきを寝泊りさせて客の注文に応じた家。
⇒おろせ
おろそか【疎か】
(「おろ」は大ざっぱの意)
①すきまが多いさま。まばら。〈日本霊異記上訓釈〉
②実じつが十分にこもっていないさま。また、しなければいけないことをほうっておくこと。なおざり。いいかげん。通り一遍。源氏物語桐壺「おほやけごとにつかうまつれる―なる事もぞと」。「勉強が―になる」
③つたないこと。劣っていること。宇治拾遺物語4「前世の運―にして」
おろ‐た【峰ろ田】ヲロ‥
山の田。万葉集14「安房峰おろの―に」
おろち【大蛇】ヲロチ
(オは「峰」、ロは接尾語、チは霊威あるものの意)きわめて大きな蛇。うわばみ。だいじゃ。古事記上「高志こしの八俣やまたの―」
⇒おろち‐の‐あらまさ【大蛇の麁正】
おろち‐の‐あらまさ【大蛇の麁正】ヲロチ‥
記紀神話で素戔嗚尊すさのおのみことが大蛇を斬った十拳剣とつかのつるぎの名。天の羽羽斫ははきり。大蛇の韓鋤からさい。
⇒おろち【大蛇】
オロチョン【Orochon・鄂倫春】
シベリアのブリヤート共和国、アムール州および中国の内モンゴル自治区や黒竜江省の北部に居住するアルタイ語族ツングース‐マンチュー語派の言語を話す民族。ロシアではエヴェンキ人の一部とされるが、中国では別個の公定少数民族とされる。鹿類の狩猟、トナカイ飼育、漁労・採集を主としたが、現在では一部で農耕も行う。
オロッコ【Oroke】
ウィルタの旧称。
おろ‐ぬ・く【疎抜く】
〔他五〕
①多くの中から、間を隔てて抜き取る。まびく。うろぬく。また、より出す。取りのける。徳和歌後万載集春「鶯の声もたか菜を―・きて畠をあつちこちにとびなく」
②間をあける。黄表紙、見徳一炊夢みるがとくいっすいのゆめ「女郎買ひも当分―・くつもりだ」
おろ‐ねぶ・る【疎眠る】
〔自四〕
浅く眠る。うつらうつらする。宇治拾遺物語1「足を打ちひろげて―・りたるを」
おろ‐の‐かがみ【尾ろの鏡】ヲ‥
山鳥の雄の尾に光沢があり、それに谷を隔てた雌の影がうつるということから、尾を鏡にみなしたもの。万葉集14「山鳥の尾ろの初麻はつおに鏡懸け」
おろ‐よ・し【疎よし】
〔形ク〕
①少しよい。ややよい。町人嚢「―・し。少しよきをいふ」
②あまりよくない。悪い。東海道中膝栗毛8「客どもに向ひてあんがい―・いことぬかいてよかばいものか」
おわ
〔感〕
(→)「おえ」に同じ。
お‐わい【汚穢】ヲ‥
汚れていること。汚れているもの。また、糞尿。おあい。
⇒おわい‐や【汚穢屋】
おわい‐や【汚穢屋】ヲ‥
便所の汲取りを業とする人。
⇒お‐わい【汚穢】
おわ・う【追はふ】オハフ
〔他下二〕
(オフに接尾語フの付いた語)追いかける。追い続ける。沙石集5「冠者ばら―・へて搦からめてけり」
おわさ・う【御座さふ】オハサフ
〔自四〕
(オハスに接尾語フの付いた語。主語が複数の場合に使う)(みな)いらっしゃる。大鏡序「この―・ふ人々に…と聞かせ奉らむ」
おわし‐どころ【御座所】オハシ‥
貴人の居所。おましどころ。おわしましどころ。源氏物語浮舟「―尋ねられ給ふ日も」
おわし‐まさ・う【御座しまさふ】オハシマサフ
〔自四〕
(オハシマスに接尾語フの付いた語。主語が複数の場合に使う)(みな)いらっしゃる。大鏡師輔「女君たちはみなかく―・ふ」
おわしまし‐どころ【御座所】オハシ‥
[reference](→)「おわし
お・る【下る・降る】
〔自上二〕
⇒おりる(上一)
お・る【折る】ヲル
[一]〔他五〕
直線状または平面であるはずのものに力を加えて急角度にまげる意。
①(棒状のものを)ある一所でまげる。かがめる。伊勢物語「手を―・りてあひ見しことを数ふれば」。日葡辞書「ヒザヲヲル」
②(棒状のものを)まげてその部分を本体から離してしまう。万葉集5「梅の花―・りてかざせる諸人もろひとは」。枕草子97「あさましきもの、刺櫛すりて磨くほどにものにつきさへて―・りたる心地」。「枝を―・る」
③(布や紙を)たたんで二つに重ねる。また、折り目をつける。万葉集12「白
しろたえの袖―・りかへし恋ふればか」。源氏物語浮舟「この右近もの―・るとて」
④(まげたり、たたみ重ねたりして)物の形をつくる。烏帽子えぼし・扇などをつくる。謡曲、烏帽子折「急ぎの旅にて候程に今宵―・りて給はり候へ」。日葡辞書「シャウジまたはビャウブノホネヲヲル」。「千代紙で鶴を―・る」
⑤心をまげる。屈服させる。源氏物語帚木「強き心をしひて加へたれば、なよ竹の心ちして、さすがに―・るべくもあらず」。日葡辞書「ガ(我)ヲヲル」
⑥折句をつくる。誹風柳多留13「かきつばたいたまぬやうに公家は―・り」
⑦(自動詞的に用いて)波などがものを畳んだように寄せる。寄せ返す。万葉集7「今日もかも沖つ玉藻は白波の八重―・るが上に乱れてあるらむ」
[二]〔自下二〕
⇒おれる(下一)
お・る【居る】ヲル
〔自五〕[文]を・り(ラ変)
「ゐ(坐)あり」の転で、動きを止めじっとした状態を長い間続けている意。人の場合に多く用いられるが、古くは人以外にも用いた。意味的に下の立場の人が上に向かっては使いにくく、上から下へが多いため、それをする人を低める語と解釈されることがある。「いる」より使われる場が減った結果、「いる」の改まった感じの語としても使われる。四段活用の例は中世以後の文献に見える。
①その場を動かずにいる。じっとしている。座りつづける。古事記中「人さはに入り―・りとも」。万葉集5「床の辺去らず立てれども―・れども共に戯れ」。為忠百首「夏ながら氷―・りける奥山はこの世の外の心ちこそすれ」。「先生はそこに―・られますか」「下に―・ろう」
②(動詞・助動詞の連用形、または、それに助詞「て」の付いたものに付いて。自分について卑下、他人について軽侮・罵詈の意味を含むことがある)
㋐動作・状態の継続を表す。…ている。万葉集2「なよ竹のとをよる子らはいかさまに念ひ―・れか」。枕草子28「炭櫃などに、手のうらうち返しうち返し、おしのべなどしてあぶり―・る者」。狂言、富士松「不二の三寸みき(神酒)ぢやの何のと言うてのませ―・つて」。「あちらで寝て―・ります」
㋑既にあったことを示す。「そんなことわかって―・る」「警報が出て―・ります」「見て―・られますか」
お・る【愚る】
〔自下二〕
おろかになる。放心状態になる。ぼける。源氏物語少女「かしこがり給へど人の親よ、おのづから―・れたる事こそ出で来べかめれ」
お・る【織る】
〔他五〕
①経糸たていとと緯糸よこいととを組み合わせ、機はたにかけて布をつくる。万葉集10「たなばたの五百機いおはた立てて―・る布の」。「機を―・る」
②藺い・藁わらなどを組み合わせて、筵むしろをつくる。
③(比喩的に)交えつくる。組み立てる。組み合わせる。「錦を―・る山の紅葉」
オルガスムス【Orgasmus ドイツ】
性的興奮の最高潮。オーガズム。
オルガナイザー【organizer】
①⇒オルグ。
②〔生〕形成体。
オルガニズム【organism】
①有機体。生物。
②組織体。機構。
オルガネラ【organella ラテン】
〔生〕(→)細胞小器官。
オルガノン【Organon ギリシア】
機関・道具の意。論理学は哲学の一部門ではなくて道具であるとの見解のもとに、アリストテレス学派は論理学をこう呼び、のちアリストテレスの論理学の諸著作を総括する名称となった。ベーコンの「新オルガノン」はこれに由来。
オルガン【orgão ポルトガル】
鍵盤楽器。風をパイプに送って音を出す。パイプ‐オルガンとリード‐オルガンとに大きく分かれる。風琴。小杉天外、はやり唄「偶ふと竹代の室から―の音ねが聞えた」→パイプ‐オルガン→リード‐オルガン
オルガンティーノ【Organtino Gnecchi; O.Soldo】
イタリア出身のイエズス会士。1570年(元亀1)来日、織田信長の厚遇を受け、秀吉政権下の一時期を除き、京畿伝道に尽力し、安土セミナリヨや京都南蛮寺を建設。烏児干伴天連ウルガンバテレンとして親しまれた。長崎で没。(1530頃〜1609)
オルグ
(オルガナイザーの略)大衆の間に派遣されて、組合や政党を組織したり加入を促したりする人。組織者。また、その活動。
オルゲルプンクト【Orgelpunkt ドイツ】
〔音〕数小節にわたって続く低音。持続低音。保続音。
オルゴール【orgel オランダ】
①ぜんまい仕掛で回転する円筒や円盤につけた多くのとげが、櫛の歯形の固定音階板を順次弾いて自動的に音楽を奏でる装置。箱や時計などに仕掛ける。1790年代スイスで発明。自鳴琴。風簫ふうしょう。上田敏、うづまき「自鳴琴おるごおるの機関ぜんまいを覗いて見たがるといふやうな経験は」
②歌舞伎の下座楽器の一つ。板上にしつらえたいくつかの鈴りんを鳴らす。おうるごうる。
③乳幼児の玩具。円筒に握り柄を付けたもの。振ると、中の振り子が数本の針金に触れて音が出る。
オルコック【Rutherford Alcock】
イギリスの外交官。中国各地の領事を経て、日本駐在の総領事・初代公使となり、幕末の混乱した時代に活躍。著「大君の都」。オールコック。(1809〜1897)
オルコット【Louisa May Alcott】
アメリカの女性作家。代表作「若草物語」(または「四人姉妹」)。(1832〜1888)
オルセー‐びじゅつかん【オルセー美術館】‥クワン
(Musée d'Orsay フランス)フランスの国立近代美術館。パリの旧オルセー駅の建物を改築し、1986年開館。フランスのバルビゾン派や印象派をはじめ、主に19世紀後半から20世紀初頭の美術作品を収蔵・展示。→パリ(図)
オルソ
(orthochromaticの略)写真感光材料が赤・橙色を除く他の可視光に感ずる性質をもっていること。オーソ。整色性。
オルソパン‐フィルム
(orthopanchromatic filmの略)肉眼に近い感色性をもつ写真フィルム。オーソパン。
オルターナティブ【alternative】
①代案。代替物。
②既存の支配的なものに対する、もう一つのもの。特に、産業社会に対抗する人間と自然との共生型の社会を目ざす生活様式・思想・運動など。
オルテガ‐イ‐ガセット【José Ortega y Gasset】
スペインの哲学者。著「無脊椎のスペイン」「大衆の反逆」など。(1883〜1955)
オルデンバーグ【Claes Oldenburg】
スウェーデン出身のアメリカの彫刻家。ポップ‐アートの代表的作家の一人。近年はパブリック‐アートを多く手がける。(1929〜)
オルト【ortho】
(ギリシア語orthos(正規の)に由来する接頭語)〔化〕
①ベンゼン環の1位と2位(隣接する位置)に置換基をもつことを示し、記号oで表す。例えばo‐ニトロフェノールはニトロ基と水酸基が隣接した炭素原子に結合しているベンゼン置換体。
②オキソ酸を区別するのに用いる接頭語。オルト燐酸・オルト硼ほう酸の類。
オルドヴァイ‐いせき【オルドヴァイ遺跡】‥ヰ‥
(Olduvai)アフリカ東部、タンザニアにある前期旧石器時代の遺跡群。人類最古の文化とされる礫器れっきを特徴とするオルドヴァイ文化からハンド‐アックスを特徴とするアシュール文化への発展の様相を確認できる重要な遺跡。
オルドス【鄂爾多斯・Ordos】
中国内モンゴル自治区の一部、黄河の湾曲部に囲まれた部分で長城以北の地域。古くは河南と呼ばれたが、明末、蒙古オルドス部がこの地を占拠して以来オルドスと称。1635年、清の支配下に入る。河套。
オルドビス‐き【オルドビス紀】
(Ordovician Period)地質年代の一つ。古生代のカンブリア紀後、シルル紀前の時代。約4億9000万年前から4億4000万年前まで。甲冑魚類が出現し、筆石類・オウムガイ類が繁栄。奥陶紀。→地質年代(表)
オルドビス‐けい【オルドビス系】
(Ordovician System)オルドビス紀の地層。奥陶系。
オルトラン【Ortran】
有機燐系浸透性の殺虫剤アセフェート剤の商品名。
オルニチン【ornithine】
塩基性α‐アミノ酸の一つ。分子式H2N(CH2)3CHNH2COOH 蛋白質を構成するアミノ酸の一つであるアルギニンの分解によりオルニチンと尿素ができる。
⇒オルニチン‐かいろ【オルニチン回路】
オルニチン‐かいろ【オルニチン回路】‥クワイ‥
〔生〕(ornithine cycle)哺乳類の肝臓における尿素形成の反応経路。1932年クレブスらが提唱。尿素回路。
⇒オルニチン【ornithine】
オルフ【Carl Orff】
ドイツの作曲家。単純で力強いリズムを持つ原始主義的作風。作「カルミナ‐ブラーナ」、歌劇「賢い女」など。音楽教育の分野でも活躍。(1895〜1982)
オルフェウス【Orpheus】
ギリシア神話に現れる、トラキアの詩人・音楽家。リラ(竪琴)の名手で、その音には野獣も山川草木も聞きほれ、また、アルゴナウタイの金羊皮奪還を助けたという。蛇に咬まれて死んだ妻エウリュディケを冥界へ迎えに赴き、地上に連れ帰る途中、後ろを振りむいたため、これを永久に失った。この物語はモンテヴェルディ・グルックなどの歌劇に脚色。
⇒オルフェウス‐きょう【オルフェウス教】
オルフェウス‐きょう【オルフェウス教】‥ケウ
(Orphicism)オルフェウスの名に結びつけられた浄めの密儀宗教。紀元前6世紀にギリシア各地に拡がった。魂はもと天上で神々と共にあったが罪を犯して地上に落ち、輪廻転生の輪にまき込まれ、音楽や戒律(禁欲)により浄められた魂のみが、この輪から脱出し天上へ帰りうると信じられた。ピタゴラス派・プラトンらに影響。
⇒オルフェウス【Orpheus】
オルメカ【Olmeca】
メキシコ湾岸の熱帯地方に紀元前1200〜前400年頃に栄えた文明の称。巨石頭像で有名。メソ‐アメリカ地域の諸文明の母型とされる。
オルレアン【Orléans】
フランス、ロワール川右岸、パリの南西116キロメートルにある都市。百年戦争末期、1428年イギリス軍に包囲されたが、少女ジャンヌ=ダルクの出現でイギリス軍を撃退。人口11万3千(1999)。
おれ【折れ】ヲレ
折れること。折れて切り離れた部分。
おれ【己】
〔代〕
①(二人称)相手を卑しめて呼ぶ語。おのれ。古事記中「―熊曾建くまそたける二人、伏まつろはず礼いや無しと聞しめして、―を取殺とれと詔りたまひて」。枕草子226「ほととぎす、―、かやつよ。―鳴きてこそ」
②(一人称)男女ともに、また目上にも目下にも用いたが、現代では主として男が同輩以下の者に対して用いる、荒っぽい言い方。「俺」「乃公」とも書く。狂言、金岡「―は狂気はせぬ」。「お前と―の仲」
おれ‐あ・う【折れ合う】ヲレアフ
〔自五〕
ゆずり合う。譲歩しあう。おりあう。「双方が―・って話がまとまる」
お‐れい【御礼】
恩恵や贈物を受けたのに対して、感謝の意をあらわすこと。また、その金銭または品物。
⇒おれい‐ごえ【御礼肥】
⇒おれい‐ぼうこう【御礼奉公】
⇒おれい‐まいり【御礼参り】
おれい‐ごえ【御礼肥】
果実の収穫や開花の後に施す肥料。
⇒お‐れい【御礼】
おれい‐ぼうこう【御礼奉公】
奉公人が約束の期間の奉公をすませた後、恩返しとしてただで働くこと。
⇒お‐れい【御礼】
おれい‐まいり【御礼参り】‥マヰリ
①神仏にかけた願がんの成就した礼に参詣すること。
②釈放されたやくざ・不良などが、自分の悪事を告発した人に仕返しをすること。
⇒お‐れい【御礼】
オレイン‐さん【オレイン酸】
(oleic acid)不飽和脂肪酸の代表的なもの。分子式C17H33COOH 二重結合を一つもつ。無色油状の液体。多くの動植物油脂の中にグリセリン‐エステルとして広く存在。椿油・オリーブ油・扁桃へんとう油などの主成分。油酸。
オレーフ【olijf オランダ・阿列布】
オリーブのこと。
オレーム【Nicole Oresme】
フランスの聖職者・科学者。解析幾何学・天文学・貨幣論・物理学のほかアリストテレスのフランス語訳に功績を遺した。(1330頃〜1382)
おれ‐おれ・し【愚愚し】
〔形シク〕
ぼんやりしている。間が抜けている。源氏物語手習「―・しき人の心にて、えさかしく強ひてものたまはず」
おれ‐かえ・る【折れ返る】ヲレカヘル
〔自五〕
①折れて元の方へかえる。
②がっくり折れる。
③舞う時に、身体や袖などがよく曲がりひるがえる。宇津保物語俊蔭「御階のもとに舞ひ出でて―・り舞ふ」
おれ‐かがみ【折れ屈み】ヲレ‥
①折れて屈むこと。
②身体の関節。
③(→)「おりかがみ」に同じ。
オレガノ【orégano スペイン】
シソ科の多年草。南ヨーロッパから東南アジアまで分布。高さ30〜60センチメートル。ピンク色の小花を多数つけ、観賞用にもする。全草に芳香があり、香味料・薬用として栽培。ピザなどに用いる。ハナハッカ。ワイルドマジョラム。
おれが・む【拝む】ヲレガム
〔他四〕
おがむ。おろがむ。
お‐れきれき【御歴歴】
身分・格式などの高い人々。名士たち。「居並ぶ―」
おれ‐くぎ【折れ釘】ヲレ‥
①頭部を折り曲げた釘。柱などにうちつけ物をかけるのに用いる。おりくぎ。
②折れ曲がった釘。
⇒おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】
おれくぎ‐りゅう【折れ釘流】ヲレ‥リウ
きわめて字のへたなこと。金釘流。
⇒おれ‐くぎ【折れ釘】
おれ‐くち【折れ口】ヲレ‥
①折れたきわ。折れて取れたところ。おれめ。
②人の死にあうこと。とむらい。
③張り合っていたものが折れあう機会。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「粋な女房の挨拶もよい―と」
おれ‐こだ・る【折れこだる】ヲレ‥
〔自下二〕
折れて傾く。身を曲げる。弁内侍日記「―・れ、身をなきになして舞ひたりし」→こだれる
おれ‐こま・す【折れ込ます】ヲレ‥
〔他四〕
(近世語)みごもらせる。妊娠させる。
おれ‐こ・む【折れ込む】ヲレ‥
〔自五〕
①折れて内部にはいる。
②(近世語)みごもる。妊娠する。歌舞伎、傾城倭荘子「―・んだとは、めでたい」
オレゴン【Oregon】
アメリカ合衆国太平洋岸北部の州。森林資源に富み、製造業も盛ん。州都セイレム。→アメリカ合衆国(図)
おれ‐さま【己様・俺様】
〔代〕
自分のことを尊大にいう語。
オレステス【Orestēs】
ギリシア神話中の人物。アガメムノンとクリュタイムネストラとの子。父を殺した母とその情夫とを討つ。この物語はしばしばギリシア悲劇の題材となった。
おれ‐せん【折れ線】ヲレ‥
種々の長さおよび方向をもった線分を順次に接続して得られる線。
⇒おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】
おれせん‐グラフ【折れ線グラフ】ヲレ‥
統計図表の一種。数量を示す点を順に線分で結んだ折れ線状のグラフ。
⇒おれ‐せん【折れ線】
おれ‐それ
①あれこれ。何やかや。浄瑠璃、傾城酒呑童子「人の―」
②何やかやのあいさつ。応対の作法。浮世風呂2「お屋敷さまへ上げておきますと、―が何処か違つて参ります」
お‐れつ【オ列】
五十音図の第五段。母音オを含む音節の文字の列。オ・コ・ソ・ト・ノ・ホ・モ・ヨ・ロ・ヲ。オ段。
オレフ【olijf オランダ・阿列布】
オリーブのこと。
オレフィン【olefin】
(エチレンの別称オレフィアント‐ガス(生油気)に由来)二重結合を一つもつ不飽和鎖状炭化水素の総称。一般式CnH2nで表される。付加反応を起こしやすい。エチレン(n=2)、プロピレン(n=3)などは化学工業中間原料として重要。オレフィン炭化水素。エチレン系炭化水素。アルケン。
おれ‐まが・る【折れ曲がる】ヲレ‥
〔自五〕
折れて曲がる。
おれ‐め【折れ目】ヲレ‥
折れたきわ。おれくち。折り目。
おれ‐め【己奴】
〔代〕
(二人称の「おれ」に、ののしる意を加えていう語)おのれめ。きさま。狂言、清水「―は身共をおくびやうものにするか」
おれ‐もの【愚者】
おろかな者。間抜け。蜻蛉日記中「我が一人の―にて」
おれ‐ら【己等】
〔代〕
①(二人称)おまえら。相手をののしっていう。平家物語5「さらば―書け」
②(一人称)われら。われ。俺等。讃岐典侍日記「―知らぬに、教へよ」
お・れる【折れる】ヲレル
〔自下一〕[文]を・る(下二)
直線状または平面であるはずのものが途中で急角度にまがる意。
①まがって2重になる。源氏物語玉鬘「天下に目つぶれ足―・れ給へりとも」。「縫代がよく―・れていない」
②まがって二つに分かれ離れる。源氏物語野分「大きなる木の枝などの―・るる音もいとうたてあり」。「鉛筆の芯が―・れる」「足の骨が―・れる」
③まがって行く。横へまがる。源氏物語賢木「二条より洞院の大路を―・れ給ふ程」。「突き当たって右へ―・れる」
④くじける。気勢をそがれる。心が弱くなる。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「刀の詮儀で水責めの腰が―・れた」。「我がが―・れる」「あの人も気が―・れた」
⑤主張・意見を和らげ、相手に従うようにする。譲歩する。保元物語「わが僻事とおぼしめす時は、たちまちに―・れさせ給ひて、御怠状をあそばして」。「こちらから―・れて出る」
⑥和歌の腰(第3句)が次の句とうまく続かず調子がくだける。紫式部日記「腰―・れたることやかきまぜたりけむ」
オレンジ【orange】
①ミカン科の果樹およびその果実の総称。特にインド原産ダイダイ類のネーブル‐オレンジ・バレンシア‐オレンジなどをいう。生食・ジュース用に大規模に栽培。甘橙。スイート‐オレンジ。
オレンジ
撮影:関戸 勇
②オレンジ色。赤みがかった黄色。
Munsell color system: 5YR6.5/13
⇒オレンジ‐エード【orangeade】
⇒オレンジ‐カード
⇒オレンジ‐ジュース【orange juice】
オレンジ‐エード【orangeade】
オレンジの果汁に砂糖を加え、水で割った飲料。
⇒オレンジ【orange】
オレンジ‐カード
(和製語orange card)JR各社が発行しているプリペイド‐カード。券売機で切符を購入できるほか乗越精算にも使える。
⇒オレンジ【orange】
オレンジ‐じゆうこく【オレンジ自由国】‥イウ‥
(Orange Free State)南アフリカのオランダ系ブーア人が、19世紀初めにケープ植民地を占領したイギリス人を避けて、北東方のオレンジ川北部に移住し、1854年に建てた国。南ア戦争(ブーア戦争)によりイギリスに征服され、1910年自治領である南アフリカ連邦の一州、南アフリカ共和国の州の一つとなる。95年フリー‐ステート州と改名。
オレンジ‐ジュース【orange juice】
オレンジ類のしぼり汁。また、それを飲料に加工したもの。
⇒オレンジ【orange】
おろ
牧場の一郭を囲って馬や牛を入れておく囲い・柵。おり。〈日葡辞書〉
お‐ろ【尾ろ】ヲ‥
(ロは接尾語)尾。→尾ろの鏡
お‐ろ【峰ろ】ヲ‥
(ロは接尾語)峰。万葉集14「安房―の―田に生おはるたはみづら」
お‐ろ【緒ろ】ヲ‥
(ロは接尾語)緒。万葉集14「心の―に乗りて愛かなしも」
お‐ろ【悪露】ヲ‥
産褥期に膣ちつおよび子宮から出る血や排出物。俗に下おり物。
おろ【疎】
〔接頭〕
「不完全」「たしかでない」「いささか」などの意をあらわす。うろ。「―抜く」「―覚え」
おろ‐い・ゆ【疎癒ゆ】
〔自下二〕
病・傷などがあらかたなおる。今昔物語集29「三日ばかりを隔てて、杖の目―・ゆる程に」
おろ‐おぼえ【疎覚え】
ぼんやりした記憶。うろおぼえ。
おろ‐おろ
①おぼつかないさま。不十分。宇治拾遺物語1「さきの翁よりは天骨もなく―かなでたりければ」
②泣いて、目や声のうるんださま。「―泣く」
③事態に対処できず取り乱すさま。「事故の知らせに―する」
⇒おろおろ‐ごえ【おろおろ声】
⇒おろおろ‐なみだ【おろおろ涙】
おろおろ‐ごえ【おろおろ声】‥ゴヱ
困惑・悲哀などの場合に出す、泣きそうな声。
⇒おろ‐おろ
おろおろ‐なみだ【おろおろ涙】
途方にくれ取り乱して泣き流す涙。
⇒おろ‐おろ
おろか【疎か】
(「おろ」は大ざっぱの意)
①実じつが十分にはこもっていないこと。いい加減。竹取物語「御使をばいかで―にせむ」
②物の数でないこと。
㋐言うまでもないこと。増鏡「あさましなど言ふも―なり」
㋑(「…は―」の形で)…は無論、その上更に。…ぐらいはまだしも。「日本は―唐天竺までも」
⇒おろか‐おい【疎生・穭】
おろか【愚か】
(「おろ」は不十分、不完全の意で、「疎おろか」と同源)
①知能・理解力が乏しいこと。ばか。あほう。宇津保物語楼上下「―なる者は忽ちに心さとく」。「―にも甘い言葉を信じてしまう」
②程度が劣ること。おろそか。源氏物語明石「いと心細しと言へば―なり」。徒然草「―なるおのれが道よりは」。四十二の物争「春と秋といづれ―はあらねど」
③ばかげていること。日葡辞書「ヲロカナマウシゴト」。「争いなど―なことだ」
⇒おろか‐もの【愚か者】
おろか‐おい【疎生・穭】‥オヒ
刈りあとの株から生えたひこばえ。再生稲。ひつじ。〈倭名類聚鈔17〉
⇒おろか【疎か】
おろかし・い【愚かしい】
〔形〕[文]おろか・し(シク)
ばかだ。ばからしい。
おろが・む【拝む】ヲロガム
〔他四〕
おがむ。推古紀「―・みて仕へまつらむ」
おろか‐もの【愚か者】
おろかな者。ばかもの。ぐしゃ。
⇒おろか【愚か】
おろ・く
〔自下二〕
心がうつろになる。うつける。景行紀「失意こころおろけて酔へるが如し」
おろく‐ぐし【阿六櫛】
木曾街道藪原駅名物の、黄楊つげの櫛。同街道妻籠つまごのお六という女の創始という。
おろし
①義太夫節の旋律型の一つ。時代物の大序の大ヲロシは荘重な曲節。
②能や長唄の打楽器の手法。
おろし【下ろし・卸】
①おろすこと。「雪―」
②神仏の供物や貴人の衣服・食物のさがりもの。
③新しい品物の用いはじめ。「仕立―」
④大根・しょうが・わさびなどをすりくずすこと。また、そのもの。「大根―」
⑤(「颪」と書く)山地から吹きおろす風。「高嶺たかね―」「伊吹―」
⑥(「卸」と書く)商品を問屋から小売店に売り渡すこと。
⇒おろし‐あえ【下ろし和え】
⇒おろし‐あゆみ【下ろし歩み】
⇒おろし‐うり【卸売】
⇒おろしうり‐しじょう【卸売市場】
⇒おろしうり‐ぶっかしすう【卸売物価指数】
⇒おろし‐え【下ろし枝】
⇒おろし‐がね【下ろし金】
⇒おろし‐ぐすり【下ろし薬・堕薬】
⇒おろし‐ご【下ろし子】
⇒おろし‐ごめ【下ろし米】
⇒おろし‐たて【下ろし立て】
⇒おろし‐どんや【卸問屋】
⇒おろし‐なみ【卸並】
⇒おろし‐ね【卸値】
⇒おろし‐ねだん【卸値段】
⇒おろし‐の‐かぜ【颪の風】
⇒おろし‐ばた【下ろし機】
⇒おろし‐もの【下ろし物】
⇒おろし‐や【下ろし矢】
おろし‐あえ【下ろし和え】‥アヘ
魚肉・野菜などを大根おろしで和えること。また、そのもの。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐あゆみ【下ろし歩み】
足をまっすぐに踏みおろす、おちついた歩き方。浄瑠璃、傾城反魂香「―の道中は花の立木のそのままに」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐うり【卸売】
生産者・輸入商から大量の商品を仕入れて小売商人に売り渡すこと。「―商」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろしうり‐しじょう【卸売市場】‥ヂヤウ
卸売を行う市場。生産地の商品の集散市場である産地市場と、大消費地または大集散地の市場である中央市場とに大別。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろしうり‐ぶっかしすう【卸売物価指数】
物価指数の一種で、卸売段階での物価の変動状態を示すもの。日本では2003年まで日本銀行などが調査作成して定期的に発表してきた。→企業物価指数。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐え【下ろし枝】
切りおろした枝。千載和歌集春「花咲きたる―に結びつけて」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐がね【下ろし金】
大根・しょうが・わさびなどをすりおろす器具。表面に小突起が多数ある。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ぐすり【下ろし薬・堕薬】
妊婦にのませて堕胎させる薬。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ご【下ろし子】
児をおろすこと。堕胎。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐こ・む【下ろし籠む】
〔他下二〕
格子などをおろして閉じこもらせる。古今和歌集春「風にあたらじとて―・めてのみ侍りけるあひだに」
おろし‐ごめ【下ろし米】
さがりものの米。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐た・つ【下ろし立つ】
〔他下二〕
①おろして立たせる。
②身分の下の者の間にたち交わらせる。源氏物語帚木「さりともまうとたちのつきづきしく今めきたらむに―・てむやは」
おろし‐たて【下ろし立て】
新しい品物を使い始めたばかりであること。「―のシャツ」
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐どんや【卸問屋】
卸売をする問屋。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐なみ【卸並】
小売商品の売価を卸値と同じにして販売すること。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ね【卸値】
卸売の値段。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ねだん【卸値段】
(→)卸値に同じ。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐の‐かぜ【颪の風】
(→)「おろし」5に同じ。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐ばた【下ろし機】
木板に竹釘を並立させた大根おろし用の器具。
⇒おろし【下ろし・卸】
おろし‐もの【下ろし物】
神仏の供物または貴人の膳部の残り物や使用後の品物のさがりもの。おろし。
⇒おろし【下ろし・卸】
オロシャ
(→)オロスに同じ。北槎聞略4「皇朝にてヲロシヤと称し、支那も亦俄字を冠せしなるべし」
おろし‐や【下ろし矢】
低い方へ向かって射おろす矢。
⇒おろし【下ろし・卸】
オロス【俄羅斯】
ロシアの異称。オロシャ。増訂英華字典(1899年)「峨羅斯国」
おろ・す【下ろす・降ろす・卸す】
〔他五〕
➊上から下へだんだんに移す。
①注意を保ちながら低い位置にそろそろと移す。だんだんと下にやる。また、そのような状態にする。竹取物語「集まりてとく―・さむとて」。日葡辞書「ホヲヲロス」。「腰を―・す」「国旗を―・す」「肩の荷を―・す」「根を―・す」
②(幕などを)引きさげる。また、(よろい戸・錠などを)上から下へ動かして閉鎖する。源氏物語若紫「あやしきさまを人や見つらむとて、簾垂―・しつ」。源氏物語夕顔「半蔀はじとみは―・してけり」。炭俵「朝貌や昼は錠―・す門の垣」(芭蕉)。「シャッターを―・す」
③車・舟などの乗物から出す。竹取物語「舟底に伏し給へり。松原に御むしろ敷きて―・し奉る」。「乗客を―・す」
④(水に)入れる。宇津保物語祭使「御前の池に網―・し、鵜―・して、鯉鮒とらせ」。日葡辞書「イカリヲヲロス」「フネヲヲロス」
⑤貴人の前からさがらせる。退去させる。源氏物語帚木「皆しもやに―・し侍りぬるを」
⑥(官位を)さげる。位を退かせる。役などをやめさせる。また、一段低い用途に転用する。大鏡師尹「押して―・し奉らむことはばかり思し召しつるに」。「会長から―・す」「主役を―・される」
⑦けなす。悪く言う。源氏物語少女「あさましく咎め出でつつ―・す」
⑧神おろしをする。沙石集1「大明神を―・しまゐらせて、御託宣を仰ぐべし」
⑨(神仏の供え物や貴人の召料などを)おさがりとして与える、また、いただく。宇津保物語蔵開中「ここにておろしを物せよとて、―・させ給ふ」。今昔物語集23「そこの奉る御衣を一つ二つ―・し候はむ」
⑩(高い所から風などが)吹いて下に移動させる。吹きおろす。千載和歌集秋「浮き寝する猪名いなの湊に聞ゆなり鹿の音―・す峰の松風」
▷自動詞的にも使う。
➋もとあった所から離して落とす。
①(木の枝などを)きり落とす。万葉集15「青柳の枝きり―・しゆたね蒔き忌々しき君に恋ひわたるかも」。日葡辞書「ケダモノノシソク(四足)ヲヲロス」。「下枝を―・す」
②(頭髪を)そり落とす。伊勢物語「御髪ぐし―・し給うてけり」。日葡辞書「カシラヲヲロス」
③体内から下へ出す。堕胎する。元輔集「男の国にまかるほどに、児を―・してける女の」。木下尚江、良人の自白「都亭の主婦おかみさんの言の通り、堕胎おろして了つた方が可かつたか知ら」。「虫くだしを飲んで回虫を―・す」
④すりおろして粉にする。また、すりくずす。宇治拾遺物語2「件の金を取りて袖に包みて家にかへりぬ、―・してみればきらきらとして実の金なりければ、不思議のことなり」。日葡辞書「ダイコン・ワサビナドヲヲロス」
⑤(魚や獣の)肉を切りさく。今昔物語集19「猪をとり生けながら―・してけるを見て」。日葡辞書「ウヲヲヲロス」。「三枚に―・す」
➌しまってあるものを出し、実地の用に供する。
①新しい品を使い始める。宇津保物語藤原君「自らの料には三合の米よね―・して食ひつつ」。「―・したばかりの服」
②種子を植える。種子をまく。夫木和歌抄5「あめのあなたの苗代に神のくだせるたね―・すらし」
③(預金などを)引き出す。「貯金を全部―・す」
④《卸》商品を問屋が小売商に売りわたす。卸売りする。「品物を安く―・す」
◇広く一般には「下」。上げるや乗せるの対の意味の場合に「降」をよく使う。卸売りする意には「卸」、物をすりくだく意の場合は「下」または「卸」を使う。
おろ・す【織ろす】
〔他四〕
(オルの尊敬語オラスの転)お織りになる。古事記下「我が王おおきみの―・す服はた」
おろ‐す・う【下ろ据う】
〔他下二〕
(オロシスウの約)おろしてすえる。万葉集20「難波津に御船―・ゑ」
オロスコ【José Clemente Orozco】
メキシコの画家。近代的表現によって土俗的な内容を力強く表し、壁画運動を推進。作「サパタの同志たち」など。(1883〜1949)
おろせ
(「重くばおろせ」と歌いながらかついだのに基づく)
①「おろせ駕籠」の略。
②駕籠舁かごかきの異称。
⇒おろせ‐かご【おろせ駕籠】
⇒おろせ‐やど【おろせ宿】
おろせ‐かご【おろせ駕籠】
江戸時代、辻駕籠の一つ。主に上方の遊里でいう。おろせ。
⇒おろせ
おろせ‐やど【おろせ宿】
江戸時代、駕籠かきを寝泊りさせて客の注文に応じた家。
⇒おろせ
おろそか【疎か】
(「おろ」は大ざっぱの意)
①すきまが多いさま。まばら。〈日本霊異記上訓釈〉
②実じつが十分にこもっていないさま。また、しなければいけないことをほうっておくこと。なおざり。いいかげん。通り一遍。源氏物語桐壺「おほやけごとにつかうまつれる―なる事もぞと」。「勉強が―になる」
③つたないこと。劣っていること。宇治拾遺物語4「前世の運―にして」
おろ‐た【峰ろ田】ヲロ‥
山の田。万葉集14「安房峰おろの―に」
おろち【大蛇】ヲロチ
(オは「峰」、ロは接尾語、チは霊威あるものの意)きわめて大きな蛇。うわばみ。だいじゃ。古事記上「高志こしの八俣やまたの―」
⇒おろち‐の‐あらまさ【大蛇の麁正】
おろち‐の‐あらまさ【大蛇の麁正】ヲロチ‥
記紀神話で素戔嗚尊すさのおのみことが大蛇を斬った十拳剣とつかのつるぎの名。天の羽羽斫ははきり。大蛇の韓鋤からさい。
⇒おろち【大蛇】
オロチョン【Orochon・鄂倫春】
シベリアのブリヤート共和国、アムール州および中国の内モンゴル自治区や黒竜江省の北部に居住するアルタイ語族ツングース‐マンチュー語派の言語を話す民族。ロシアではエヴェンキ人の一部とされるが、中国では別個の公定少数民族とされる。鹿類の狩猟、トナカイ飼育、漁労・採集を主としたが、現在では一部で農耕も行う。
オロッコ【Oroke】
ウィルタの旧称。
おろ‐ぬ・く【疎抜く】
〔他五〕
①多くの中から、間を隔てて抜き取る。まびく。うろぬく。また、より出す。取りのける。徳和歌後万載集春「鶯の声もたか菜を―・きて畠をあつちこちにとびなく」
②間をあける。黄表紙、見徳一炊夢みるがとくいっすいのゆめ「女郎買ひも当分―・くつもりだ」
おろ‐ねぶ・る【疎眠る】
〔自四〕
浅く眠る。うつらうつらする。宇治拾遺物語1「足を打ちひろげて―・りたるを」
おろ‐の‐かがみ【尾ろの鏡】ヲ‥
山鳥の雄の尾に光沢があり、それに谷を隔てた雌の影がうつるということから、尾を鏡にみなしたもの。万葉集14「山鳥の尾ろの初麻はつおに鏡懸け」
おろ‐よ・し【疎よし】
〔形ク〕
①少しよい。ややよい。町人嚢「―・し。少しよきをいふ」
②あまりよくない。悪い。東海道中膝栗毛8「客どもに向ひてあんがい―・いことぬかいてよかばいものか」
おわ
〔感〕
(→)「おえ」に同じ。
お‐わい【汚穢】ヲ‥
汚れていること。汚れているもの。また、糞尿。おあい。
⇒おわい‐や【汚穢屋】
おわい‐や【汚穢屋】ヲ‥
便所の汲取りを業とする人。
⇒お‐わい【汚穢】
おわ・う【追はふ】オハフ
〔他下二〕
(オフに接尾語フの付いた語)追いかける。追い続ける。沙石集5「冠者ばら―・へて搦からめてけり」
おわさ・う【御座さふ】オハサフ
〔自四〕
(オハスに接尾語フの付いた語。主語が複数の場合に使う)(みな)いらっしゃる。大鏡序「この―・ふ人々に…と聞かせ奉らむ」
おわし‐どころ【御座所】オハシ‥
貴人の居所。おましどころ。おわしましどころ。源氏物語浮舟「―尋ねられ給ふ日も」
おわし‐まさ・う【御座しまさふ】オハシマサフ
〔自四〕
(オハシマスに接尾語フの付いた語。主語が複数の場合に使う)(みな)いらっしゃる。大鏡師輔「女君たちはみなかく―・ふ」
おわしまし‐どころ【御座所】オハシ‥
[reference](→)「おわしおり‐も‐おり【折も折】ヲリ‥ヲリ🔗⭐🔉
おり‐も‐おり【折も折】ヲリ‥ヲリ
⇒おり(折)(成句)
広辞苑に「折も折」で始まるの検索結果 1-2。