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と・る【取る・採る・捕る・執る・撮る】🔗⭐🔉
と・る【取る・採る・捕る・執る・撮る】
〔他五〕
(「て(手)」と同源)
➊手ににぎりもつ。
①手にもつ。にぎる。つかむ。皇極紀「向かつ峰おに立てる夫らが柔手にこでこそ我が手を―・らめ」。日葡辞書「テヲトリクム」
②つかまえる。とらえる。捕獲する。万葉集19「ほととぎす聞けども飽かず網取りに―・りてなつけな離かれず鳴くがね」。日葡辞書「トリヲトル」。「猫がねずみを―・る」
③手に入れる。わが物とする。平家物語7「御運だに尽させ給ひなば…世を―・らせ給はん事かたし」。「天下を―・る」「免許を―・る」「点を―・る」
④手にもって使う。操作する。手で扱う。万葉集18「わが背子が琴―・るなへに常人のいふ嘆かしもいや重しき増すも」。平家物語4「弓矢―・る身」。「舵を―・る」
⑤手にもって植える。古今和歌集秋「きのふこそ早苗―・りしかいつの間に稲葉そよぎて秋風の吹く」
⑥いざないみちびく。源氏物語末摘花「侍従こそ取りなほすべかめれ、又筆の尻―・る博士ぞなかるべき」。日葡辞書「テヲトッテヲシユル」
⑦馬轡くつわをつかんでひく。源氏物語須磨「おりておほん馬の口を―・る」
⑧つまんで引きあげる。好色一代男4「裏つけ袴の股立ち―・つて」。「褄を―・る」
⑨その手で運用する。「政務を―・る」「事務を―・る」
⑩かたく守る。保つ。固持する。「自説を―・って譲らぬ」
➋つかんでそれまでの所から引き離し、または当方へ移しおさめる。
①引きよせる。源氏物語松風「宿守のようにてある人を呼び―・りて語らふ」
②収穫する。採集する。応神紀「香ぐはし花橘下枝らは人皆―・り」。日葡辞書「チヲトル」「ミヲトル」。「山菜を―・る」
③除く。日葡辞書「アカ(淦)ヲトル」。「汚れを―・る」「ふたを―・る」「痛みを―・る」
④討ちとる。万葉集6「千よろづの軍なりともことあげせず―・りて来ぬべきをのことそ思ふ」。平家物語9「名のらずとも首を―・つて人に問へ」。「仇を―・る」
⑤うばう。源氏物語花宴「扇を―・られてからき目を見る」。「顧客を―・られる」「歩行者に気を―・られる」
⑥召しあげる。没収する。源氏物語須磨「遂に御簡削られて官も―・られてはしたなければ」
⑦ぬすむ。平家物語6「さて―・られつらんきぬは何色ぞ」。日葡辞書「タ(他)ノメ(妻)ヲトル」。「財布を―・られる」
⑧身につけているものをはずす。ぬぐ。日葡辞書「ボウシヲトル」。「眼鏡を―・る」
⑨受け収める。受け入れる。摂取する。平家物語5「天の与ふるを―・らざれば却て咎を受く」。「料金を―・る」「栄養を―・る」「睡眠を―・る」
⑩もらう。狂言、法師が母「総て暇を貰ふには、男の手から塵を結んでなりとも―・るものじや」。「許可を―・る」
⑪嫁・婿などを、むかえる。もらう。狂言、八幡の前「一芸あるものを婿に―・ろうと存ずる」。「養女を―・る」
⑫師匠などにつく。主人に仕える。源氏物語紅葉賀「舞の師どもなど世になべてならぬを―・りつつおのおの籠り居てなむ習ひける」。「主を―・る」
⑬歌などを詠み続ける。源氏物語早蕨「行きかふ時々に随ひ、花鳥の色をも音をも、同じ心に起き臥し見つつ、はかなき事をも、もと末を―・りていひかはし」
⑭芸者・娼妓しょうぎなどが客を迎えて勤める。「客を―・る」
⑮持って来させて買う。ひきつづき買う。「新聞を―・る」「出前を―・る」
⑯税などを課して出させる。税などを受けおさめる。「税金を―・る」
⑰約束のうえ出させて受納する。「月給を―・る」「月謝を―・る」
⑱代価として受ける。価する。「1個で50円―・る」
⑲分ける。移す。「火鉢へ火を―・る」「小皿に―・る」
⑳費やす。「時間を―・る」「手間を―・る」
㉑つみかさねる。春の日「世に合はぬ局涙に年―・りて」(雨桐)
残し貯える。古今和歌集恋「忘れ草種―・らましを逢ふことのいと斯く難きものと知りせば」
➌身に負い持つ。
①身に受ける。源氏物語夕顔「ありありてをこがましき名を―・るべきかな」。日葡辞書「ナヲトル」。「年を―・る」「相手にひけを―・る」
②身に負うて行う。「仲介の労を―・る」
③跡をつぐ。「後あとを―・る」
➍えらび出す。
①採用する。あげ用いる。源氏物語帚木「―・る方なく口惜しき際きわと、優なりとおぼゆばかりすぐれたるとは、数ひとしくこそ侍らめ」。「経験者を―・る」
②えらぶ。源氏物語薄雲「日など―・らせ給ひて、忍びやかにさるべき事など宣ひおきてさせ給ふ」。日葡辞書「クジヲトル」
➎事物をつくり出す。
①つくり出す。製する。「豆から油を―・る」
②形を模してつくる。「型を―・る」
③ノートや控えなどを書く。万葉集20「わが妻も画にかき―・らむ暇もが旅ゆくあれは見つつ偲はむ」。「メモを―・る」
④音・映像・動きを記録する。「写真を―・る」
➏物事の内容をはかり知る。
①相手の心を推量してうまくはからう。源氏物語花散里「さきざきも聞きし声なれば、こわづくり気色―・りて御消息聞ゆ」。好色一代女1「位取ることは脇になりて機嫌を―・ることになりぬ」
②考える。理解する。解釈する。推量する。「悪く―・る」
③はかる。かぞえる。「数を―・る」「脈を―・る」
➐ある所を占める。
①定め落ち着く。源氏物語若紫「くらぶの山に宿りも―・らまほしげなれど」。日葡辞書「ヤドヲトル」
②定め設ける。「床を―・る」
③予約する。「特別席を―・る」
➑遊戯・競技などを行う。
①合わせる。源氏物語明石「声よき人に謡はせて我も時々ひやうし―・りて声打添へ給ふを」。「調子を―・る」
②相撲をする。今昔物語集23「尻蹴くえむとする相撲すまいをも―・りて」。「もう一番―・る」
③カルタとりをする。「カルタを―・る」
➒関係する。
①(主に「…に―・り(っ)て」の形で)…に関して。…の見地からは。源氏物語若菜上「身に―・りては事にもあるまじく思ひ給へ立ち侍る折々あるを」。「私に―・っては叔父に当たる」
②なずらえる。たとえる。「人体に―・れば琵琶湖は臍へその孔」
➓(連用形が他の動詞の上に付いて)直接手をくだしてその行為を行きとどいたものにする意を表す。転じて、語調を整えるのにも用いる。源氏物語椎本「年頃打忘れたりつる古への御事をさへ―・りかさねて、聞えやらむかたもなくおぼほれゐたり」。「式を―・り行う」「―・りいそぎ御返事申し上げます」
◇広く一般には「取」、➋2のような採集・採取や➍のような採用・採択の意の場合に「採」、➊2には「捕」「獲」、➊4・9などでは「執」、➋2で収穫の場合に「穫」、➋7は「盗」、➋9で摂取の場合には「摂」も使う。また、➎4で写真・映画の場合は「撮る」と書き、録音・録画の場合は「録る」と書くこともある。
⇒捕らぬ狸の皮算用
⇒取りも敢えず
⇒取るに足りない
⇒取る物も取り敢えず
残し貯える。古今和歌集恋「忘れ草種―・らましを逢ふことのいと斯く難きものと知りせば」
➌身に負い持つ。
①身に受ける。源氏物語夕顔「ありありてをこがましき名を―・るべきかな」。日葡辞書「ナヲトル」。「年を―・る」「相手にひけを―・る」
②身に負うて行う。「仲介の労を―・る」
③跡をつぐ。「後あとを―・る」
➍えらび出す。
①採用する。あげ用いる。源氏物語帚木「―・る方なく口惜しき際きわと、優なりとおぼゆばかりすぐれたるとは、数ひとしくこそ侍らめ」。「経験者を―・る」
②えらぶ。源氏物語薄雲「日など―・らせ給ひて、忍びやかにさるべき事など宣ひおきてさせ給ふ」。日葡辞書「クジヲトル」
➎事物をつくり出す。
①つくり出す。製する。「豆から油を―・る」
②形を模してつくる。「型を―・る」
③ノートや控えなどを書く。万葉集20「わが妻も画にかき―・らむ暇もが旅ゆくあれは見つつ偲はむ」。「メモを―・る」
④音・映像・動きを記録する。「写真を―・る」
➏物事の内容をはかり知る。
①相手の心を推量してうまくはからう。源氏物語花散里「さきざきも聞きし声なれば、こわづくり気色―・りて御消息聞ゆ」。好色一代女1「位取ることは脇になりて機嫌を―・ることになりぬ」
②考える。理解する。解釈する。推量する。「悪く―・る」
③はかる。かぞえる。「数を―・る」「脈を―・る」
➐ある所を占める。
①定め落ち着く。源氏物語若紫「くらぶの山に宿りも―・らまほしげなれど」。日葡辞書「ヤドヲトル」
②定め設ける。「床を―・る」
③予約する。「特別席を―・る」
➑遊戯・競技などを行う。
①合わせる。源氏物語明石「声よき人に謡はせて我も時々ひやうし―・りて声打添へ給ふを」。「調子を―・る」
②相撲をする。今昔物語集23「尻蹴くえむとする相撲すまいをも―・りて」。「もう一番―・る」
③カルタとりをする。「カルタを―・る」
➒関係する。
①(主に「…に―・り(っ)て」の形で)…に関して。…の見地からは。源氏物語若菜上「身に―・りては事にもあるまじく思ひ給へ立ち侍る折々あるを」。「私に―・っては叔父に当たる」
②なずらえる。たとえる。「人体に―・れば琵琶湖は臍へその孔」
➓(連用形が他の動詞の上に付いて)直接手をくだしてその行為を行きとどいたものにする意を表す。転じて、語調を整えるのにも用いる。源氏物語椎本「年頃打忘れたりつる古への御事をさへ―・りかさねて、聞えやらむかたもなくおぼほれゐたり」。「式を―・り行う」「―・りいそぎ御返事申し上げます」
◇広く一般には「取」、➋2のような採集・採取や➍のような採用・採択の意の場合に「採」、➊2には「捕」「獲」、➊4・9などでは「執」、➋2で収穫の場合に「穫」、➋7は「盗」、➋9で摂取の場合には「摂」も使う。また、➎4で写真・映画の場合は「撮る」と書き、録音・録画の場合は「録る」と書くこともある。
⇒捕らぬ狸の皮算用
⇒取りも敢えず
⇒取るに足りない
⇒取る物も取り敢えず
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