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かく【格】🔗🔉

かく】 (呉音はキャク、慣用音はコウ) ①㋐のり。きまり。法則。規則。やり方。三冊子「四文字四文字に書く、大かたの―也」。東海道中膝栗毛5「江戸の―にて杯をさしたるおやまを」 ㋑⇒きゃく(格)。 ②身分。位。等級。「―が高い」「―づけ」 ③木を四角に組んだもの。組みあわせ。 ④〔言〕(case)名詞や代名詞の文中における文法的・機能的働き。また、それを表す言語形式。主格・対格(目的格)・与格(間接目的格)・属格(所有格)などがある。語形変化や助詞などの語によって示される。 ⑤〔論〕三段論法を構成する大・小前提と結論の主語・述語の組み合せに基づく三段論法の分類。形式的には第1格から第4格まである。↔式

かく‐あげ【格上げ】🔗🔉

かく‐あげ格上げ】 ①人や物の資格・地位を引きあげること。「課を部に―する」 ②商品取引所で、受渡品が標準品に比較してその品位が優良であるため、標準品の上に格付けすること。

かく‐うえ【格上】‥ウヘ🔗🔉

かく‐うえ格上‥ウヘ 地位や力量が上であること。↔格下

かく‐か【格花】‥クワ🔗🔉

かく‐か格花‥クワ 立華りっかや生花せいかのこと。格式のある花型をもつ生け花として盛花もりばな・投入れと区別する。かくばな。↔自由花

かく‐がい【格外】‥グワイ🔗🔉

かく‐がい格外‥グワイ ①普通からはずれていること。並はずれ。 ②格付けの中に入らない劣等品。

かく‐ぎ【格技】🔗🔉

かく‐ぎ格技】 1対1で(互いに組み合って)勝敗を争うスポーツ競技。柔道・相撲・レスリングなど。格闘技。

かく‐ぎ【格義】🔗🔉

かく‐ぎ格義】 〔仏〕仏教の思想・用語を解釈するとき、それと類似する儒教・老荘思想など中国伝統の思想・用語にあてはめて解釈すること。中国で4世紀頃盛んに流行した。格義仏教。

かく‐げん【格言】🔗🔉

かく‐げん格言】 深い経験を踏まえ、簡潔に表現したいましめの言葉。金言。箴言しんげん

かく‐さ【格差】🔗🔉

かく‐さ格差】 商品の標準品に対する品位の差。また、価格・資格・等級・生活水準などの差。「賃金―」

かく‐さげ【格下げ】🔗🔉

かく‐さげ格下げ】 ①人や物の資格・地位を低くすること。 ②商品取引所で、受渡品が標準品に比較してその品位が劣るため、標準品の下に格付けすること。

かく‐さつ【格殺・挌殺】🔗🔉

かく‐さつ格殺・挌殺】 手でうち殺すこと。なぐり殺すこと。

かく‐しき【格式】🔗🔉

かく‐しき格式】 ①身分・儀式などについてのきまり。また、身分や家柄の程度。「―を尊ぶ」 ②⇒きゃくしき⇒かくしき‐ば・る【格式張る】

かくしき‐ば・る【格式張る】🔗🔉

かくしき‐ば・る格式張る】 〔自五〕 礼儀作法のきまりを重んじて、堅苦しくふるまう。 ⇒かく‐しき【格式】

かく‐した【格下】🔗🔉

かく‐した格下】 地位や力量が下であること。↔格上

かく‐じょし【格助詞】🔗🔉

かく‐じょし格助詞】 助詞の分類の一つ。主として体言につき、その体言と他の語との格関係を示す助詞。「桜が咲く」「枝を折る」「花で飾る」の「が」「を」「で」の類。文語では「が」「の」「を」「に」「と」「へ」「より」「から」「にて」「して」、上代には「ゆ」「ゆり」「よ」「つ」など。

かく‐せん【格戦・挌戦】🔗🔉

かく‐せん格戦・挌戦】 たがいにうちあい戦うこと。

かく‐だん【格段】🔗🔉

かく‐だん格段】 ①まるで違うこと。段違い。「―に劣る」 ②格別。破格。「―の御配慮を願う」

かく‐ちょう【格調】‥テウ🔗🔉

かく‐ちょう格調‥テウ 詩歌の体裁と調子。転じて、文章・演説などについてもいう。「―が高い」 ⇒かくちょう‐は【格調派】

かくちょう‐は【格調派】‥テウ‥🔗🔉

かくちょう‐は格調派‥テウ‥ 中国清代、風格のととのい声調の調和した雄渾な表現を重んじた詩派。漢魏・盛唐詩をたっとぶ。沈徳潜しんとくせんが主唱。→性霊説 ⇒かく‐ちょう【格調】

かく‐づけ【格付け】🔗🔉

かく‐づけ格付け】 ①人や物をその資格・地位・能力などに応じて段階づけること。「Aクラスに―する」 ②商品取引所の清算取引で、売買物件中のある商品を標準品とし、他の物をこれに比較し品位に応じて価格の差をつけること。 ③債券の元利支払いの確実性についての等級づけ。会社の業績・財務内容などを基準にして行われ、社債の発行条件はこの等級によって異なる。 ⇒かくづけ‐ひょう【格付表】

かくづけ‐ひょう【格付表】‥ヘウ🔗🔉

かくづけ‐ひょう格付表‥ヘウ 「格付け」3を一定の記号を用いて表にしたもの。 ⇒かく‐づけ【格付け】

かく‐とう【格闘・挌闘】🔗🔉

かく‐とう格闘・挌闘】 組打ちして争うこと。懸命に取り組むこと。とっくみあい。「難問と―する」 ⇒かくとう‐ぎ【格闘技】

かくとう‐ぎ【格闘技】🔗🔉

かくとう‐ぎ格闘技(→)格技に同じ。 ⇒かく‐とう【格闘・挌闘】

かく‐のう【格納】‥ナフ🔗🔉

かく‐のう格納‥ナフ しまい入れること。 ⇒かくのう‐こ【格納庫】

かくのう‐こ【格納庫】‥ナフ‥🔗🔉

かくのう‐こ格納庫‥ナフ‥ 航空機などを格納する倉庫や建物。 ⇒かく‐のう【格納】

かく‐はずれ【格外れ】‥ハヅレ🔗🔉

かく‐はずれ格外れ‥ハヅレ 規格からはずれていること。また、そのもの。

かく‐ぶくろ【格袋】🔗🔉

かく‐ぶくろ格袋(→)「はこえ」に同じ。

かく‐ぶつ【格物】🔗🔉

かく‐ぶつ格物】 「礼記」大学の、いわゆる八条目(格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下)の一つ。宋学以来重視されるようになった。 ㋐朱子学では、「物(の理)にいたる」と読み、事物に本来そなわる理に窮め至ることと解した。 ㋑陽明学では、「物(事)をただす」と読み、心の良知を発揮することによって社会のあり方をただすことと解した。 ⇒かくぶつ‐がく【格物学】 ⇒かくぶつ‐ちち【格物致知】

かくぶつ‐がく【格物学】🔗🔉

かくぶつ‐がく格物学】 物理学の旧称。〈明六雑誌〉 ⇒かく‐ぶつ【格物】

かくぶつ‐ちち【格物致知】🔗🔉

かくぶつ‐ちち格物致知】 学問・修養法の一つ。 ㋐朱子学では、自己とあらゆる事物に内在する個別の理を窮め(格物)、後天的に得た知見を拡充(致知)して究極的に宇宙普遍の理に達する(窮理)ことを目指す。三宅雪嶺、真善美日本人「朱子の学は専ら―を唱へ、理義を講究するを尚びしが故に」 ㋑陽明学では、先天的道徳知としての自己の良知を十分に発揮(致良知)し、それによって社会的な物事に正しく処する(格物)ことを目指す。→知行合一説 ⇒かく‐ぶつ【格物】

かく‐ぶんぽう【格文法】‥パフ🔗🔉

かく‐ぶんぽう格文法‥パフ (case grammar)アメリカの言語学者フィルモア(Charles J. Fillmore1929〜)が唱えた文法理論。文を、一つの動詞と、それに係る複数の格から成ると考えるもの。

かく‐べち【格別・各別】🔗🔉

かく‐べち格別・各別⇒かくべつ。風姿花伝「是は凡そ―の事なれば」

かく‐べつ【格別・各別】🔗🔉

かく‐べつ格別・各別】 (カクベチとも) ①それぞれ別々にすること、なること。保元物語(金刀比羅本)「父子・伯父甥・親類・郎従にいたるまで、みなもつて―す」 ②格段の差があること。格段。特別。とりわけ。甲陽軍鑑6「若くまします時よりも、…―なるは信玄公なり」。狂言、柿山伏「下で見たとは違うて―見事な柿ぢや」。「―の思し召し」「―においしい料理」 ③例外であること。「当座は―。その他は罷りならぬ」

かく‐へんか【格変化】‥クワ🔗🔉

かく‐へんか格変化‥クワ 〔言〕屈折語において、名詞・代名詞・形容詞などが、文中での文法的機能を示すために語形を変えること。

かく‐やす【格安】🔗🔉

かく‐やす格安】 品質の割にねだんの安いこと。「―の品」

かく‐りつ【格率】🔗🔉

かく‐りつ格率】 〔哲〕(maxim)古代からライプニッツの頃までは、証明なしに認められる自明の命題・公理などの意。カントは行為の個人的・主観的規則の意味に用い、普遍的道徳法則から区別した。近世以後は行為や論理の規則の簡潔な言表の意。箴言集(maximes)の意味でも用いる。準則。

かく‐れい【格例】🔗🔉

かく‐れい格例】 しきたり。慣例。規則。格式。

きゃく【格】🔗🔉

きゃく】 (呉音)古代、律令を部分的に改めるために臨時に発せられた詔勅・官符の類。また、それらを編纂した書。→格式きゃくしき

きゃく‐しき【格式】🔗🔉

きゃく‐しき格式】 格と式。律令の補助法で、格は律令の部分修正や追加、式は律令の施行細則。「弘仁―」「延喜―」

きゃく‐りつぶん【格率分】🔗🔉

きゃく‐りつぶん格率分「率分2」参照。

クルップ【Krupp ドイツ・格魯布】(医学)🔗🔉

クルップKrupp ドイツ・格魯布】 〔医〕喉頭・気管のあたりに繊維素性の偽膜を生じる急性炎症。咽頭部の痛み、嗄声させい、窒息などを起こすが、その偽膜が容易にはがれる点がジフテリアと異なる。嗄声を表す古代英語が語源。クループ。コロップ。

こ【格】🔗🔉

】 ①障子の骨。 ②梯子はしごの足をかける横木。古今著聞集14「階はしの―を斜におり下りて」 ③格天井ごうてんじょうの竿材。 ④碁盤・将棋盤の面に引いた縦横の線。め。

ごう‐いた【格板】ガウ‥🔗🔉

ごう‐いた格板ガウ‥ 格天井ごうてんじょうの板。

こう‐ぐみ【格組み】カウ‥🔗🔉

こう‐ぐみ格組みカウ‥ 木を縦横に組んだもの。

こう‐ざま【格狭間】カウ‥🔗🔉

こう‐ざま格狭間カウ‥ 壇の羽目や露盤・器具などに施した特殊な刳形くりかたの装飾。香狭間。→牙象げじょう 格狭間

こう‐し【格子】カウ‥🔗🔉

こう‐し格子カウ‥ ①細い角材を縦横、あるいはそのどちらかの方向に間をすかして組んだもの。窓に付ける。また、それを組み込んだ建具。蔀しとみ。竹取物語「―どもも人はなくして開きぬ」 ②格子戸の略。 ③格子縞の略。 ④格子女郎の略。また、格子女郎のいる所。 ⑤〔電〕(→)グリッドに同じ。 ⑥〔理〕 ㋐(→)結晶格子の略。 ㋑(→)回折格子の略。 ⇒こうし‐いわい【格子祝】 ⇒こうし‐ぐわ【格子鍬】 ⇒こうし‐げた【格子桁】 ⇒こうし‐けっかん【格子欠陥】 ⇒こうし‐こ【格子子】 ⇒こうし‐じま【格子縞】 ⇒こうし‐じょろう【格子女郎】 ⇒こうし‐しんどう【格子振動】 ⇒こうし‐だゆう【格子太夫】 ⇒こうし‐づくり【格子造り】 ⇒こうし‐ていすう【格子定数】 ⇒こうし‐てん【格子点】 ⇒こうし‐ど【格子戸】 ⇒こうし‐まど【格子窓】

こうし‐いわい【格子祝】カウ‥イハヒ🔗🔉

こうし‐いわい格子祝カウ‥イハヒ 江戸時代、大坂の遊郭で、遊女が客の来ない時、近辺を散歩して客の来るまじないをすること。浄瑠璃、心中重井筒「あんまり余所が賑かさに、―に出ました」 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐ぐわ【格子鍬】カウ‥グハ🔗🔉

こうし‐ぐわ格子鍬カウ‥グハ すかし孔のある鍬。孔があるために軽く、粘土地の耕作に適する。窓鍬。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐げた【格子桁】カウ‥🔗🔉

こうし‐げた格子桁カウ‥ 横方向の加重を分配するよう、格子状に組み立てた桁。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐けっかん【格子欠陥】カウ‥🔗🔉

こうし‐けっかん格子欠陥カウ‥ 規則正しい結晶格子の中にある構造上の乱れ。不純物原子の混入による配列の乱れなど。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐こ【格子子】カウ‥🔗🔉

こうし‐こ格子子カウ‥ 格子を組み立てる縦横の部材。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐じま【格子縞】カウ‥🔗🔉

こうし‐じま格子縞カウ‥ 格子の目を表した縞。また、その縞織物。格子。チェック。→縞織物(図)⇒こう‐し【格子】

こうし‐じょろう【格子女郎】カウ‥ヂヨラウ🔗🔉

こうし‐じょろう格子女郎カウ‥ヂヨラウ (もと表通りに面した格子の中に控えていたからいう)太夫たゆうに次ぎ、局つぼね女郎の上に位した女郎。大坂の新町では天神職のものをいう。格子。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐しんどう【格子振動】カウ‥🔗🔉

こうし‐しんどう格子振動カウ‥ 結晶格子を構成する原子が平衡位置付近で行う小振動。格子配列を乱し、電子などの結晶内を移動する粒子と相互作用を起こして金属では電気抵抗の原因になる。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐だゆう【格子太夫】カウ‥ダイフ🔗🔉

こうし‐だゆう格子太夫カウ‥ダイフ 江戸吉原で、太夫の次、散茶女郎の上位の遊女。太夫格子。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐づくり【格子造り】カウ‥🔗🔉

こうし‐づくり格子造りカウ‥ 表に格子を設けた家の造り。また、その家。歌舞伎、与話情浮名横櫛「―の囲ひ者」 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐ていすう【格子定数】カウ‥🔗🔉

こうし‐ていすう格子定数カウ‥ ①結晶格子において、単位格子の大きさと形を示すための基本となる定数。各稜の長さ(普通1億分の1センチメートル程度)およびその間の角。 ②回折格子において、隣り合うスリットの中心から中心までの長さ。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐てん【格子点】カウ‥🔗🔉

こうし‐てん格子点カウ‥ 「空間格子」参照。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐ど【格子戸】カウ‥🔗🔉

こうし‐ど格子戸カウ‥ 格子を組み込んだ戸。 ⇒こう‐し【格子】

こうし‐まど【格子窓】カウ‥🔗🔉

こうし‐まど格子窓カウ‥ 格子を取り付けた窓。 ⇒こう‐し【格子】

ごう‐てんじょう【格天井】ガウ‥ジヤウ🔗🔉

ごう‐てんじょう格天井ガウ‥ジヤウ 角材(格縁ごうぶち)を45センチメートルほどの間隔で格子形に組んで上に板を張った天井。 格天井

ごう‐ぶち【格縁】ガウ‥🔗🔉

ごう‐ぶち格縁ガウ‥ 格天井ごうてんじょうの、各区画を仕切る材。

ごう‐ま【格間】ガウ‥🔗🔉

ごう‐ま格間ガウ‥ 格天井ごうてんじょうの、組子内の一区画。

ゴルムド【Golmud・格爾木】🔗🔉

ゴルムドGolmud・格爾木】 中国青海省中部、ツァイダム盆地南側の都市。新疆・チベットに通じる道路の起点。北方にカリ岩塩を産するチャルハン塩湖がある。人口11万(2004)。

[漢]格🔗🔉

 字形  筆順 〔木部6画/10画/教育/1942・334A〕 〔音〕カク(漢) キャク(呉) コウ〈カウ〉=(慣) 〔訓〕いたる・ただす [意味] ①物事を制限するきまり。法則。標準。「格式かくしき・きゃくしき・格言・規格・適格・破格」 ②人や物などの柄がら。位置づけ。品等。「格が下がる」「格調・人格・性格・資格・価格」 ③方形にきちんと組み合わせた材。骨組み。「格子こうし・格天井ごうてんじょう・骨格」 ④きちんとする。ただす。「格納・厳格」 ⑤いたる。いたす。「格物致知」 ⑥手でなぐる。うち殺す。(同)挌。「格闘・格技」 ⑦文法上、文中の語句の意味関係。「主格・目的格」▶caseの訳語。 [解字] 形声。「木」+音符「各」(=つかえる。いたりとまる)。ひっかかる木、転じて、わくをはめる、制限する意。 [下ツキ 価格・家格・歌格・扞格・規格・欠格・厳格・降格・合格・古格・骨格・詩格・資格・寺格・失格・社格・主格・出格・昇格・神格・人格・性格・正格・体格・適格・同格・破格・品格・賓格・風格・別格・変格・本格

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