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ひ【桧】🔗🔉

】 ヒノキの古称。万葉集1「衣手の田上山たなかみやまの真木さく―のつまでを」

ひ‐あじろ【桧網代】🔗🔉

ひ‐あじろ桧網代】 ①ヒノキの薄板で網代に組んだもの。大鏡道兼「―といふ物張りて」 ②1を用いた駕籠かご。女性が用いる。

ひ‐おうぎ【桧扇】‥アフギ🔗🔉

ひ‐おうぎ桧扇‥アフギ ①桧ひのきの薄板を重ね、下端の穴に糸を通して要かなめとし、上端を白や紅の糸で綴り連ねたもの。衣冠または直衣のうしの時、笏しゃくにかえて用いるもので、板の数は、近世は25枚または23枚。女房の桧扇は大翳おおかざしまたは衵扇あこめおうぎをいう。 桧扇 ②アヤメ科の多年草。山野に自生し、高さ約1メートル。葉は広い剣状で密に互生し、桧扇1を開いた形に似る。夏、濃色の斑点のある黄赤色の花を多数総状に開く。黒色の種子を「ぬばたま」または「うばたま」という。観賞用に栽培。カラスオウギ。漢名、射干。〈[季]夏〉 ヒオウギ 提供:OPO ③紋所の名。桧扇1を図案化したもの。鷹の羽を加えたものなど各種ある。 ⇒ひおうぎ‐あやめ【桧扇菖蒲】 ⇒ひおうぎ‐がい【桧扇貝】 ⇒ひおうぎ‐ずいせん【桧扇水仙】

ひおうぎ‐あやめ【桧扇菖蒲】‥アフギ‥🔗🔉

ひおうぎ‐あやめ桧扇菖蒲‥アフギ‥ アヤメ科の多年草。本州中部以北の高所の湿原に自生。葉は剣状で幅も1〜2センチメートルと広い。花茎は高さ60〜70センチメートルあり、夏に枝分れして枝端にアヤメに似た紫色の花を各1個つける。 ⇒ひ‐おうぎ【桧扇】

ひおうぎ‐がい【桧扇貝】‥アフギガヒ🔗🔉

ひおうぎ‐がい桧扇貝‥アフギガヒ イタヤガイ科の二枚貝。殻は扇形で表面に24本内外の放射肋があり、その上に鱗状突起が並ぶ。普通は赤褐色であるが、黄・橙・紫色など美しいものは観賞用。肉は美味で養殖される。房総半島から九州に分布。 ⇒ひ‐おうぎ【桧扇】

ひおうぎ‐ずいせん【桧扇水仙】‥アフギ‥🔗🔉

ひおうぎ‐ずいせん桧扇水仙‥アフギ‥ アヤメ科の多年草。南アフリカ原産。観賞用に明治時代に輸入され、各地で自生。地下に塊茎があり、葉は細い剣状で根生し、2列に並ぶ。夏に黄色で6弁の花を多数、花穂につけ、花穂はややジグザグになる。園芸上は旧属名のモントブレチアでよぶ。同名だが別種の園芸植物もある。 ⇒ひ‐おうぎ【桧扇】

ひ‐がき【桧垣】🔗🔉

ひ‐がき桧垣】 ①桧ひのきの薄板を網代あじろ組みにした垣。源氏物語夕顔「この家のかたはらに、―といふもの新しうして」 ②桧垣1の編目のような衣服の模様。 ③桧垣船の略。 ⇒ひがき‐あや【桧垣綾】 ⇒ひがき‐かいせん【桧垣廻船・菱垣廻船】 ⇒ひがき‐づくり【桧垣造・菱垣造】 ⇒ひがき‐とんや【桧垣問屋・菱垣問屋】 ⇒ひがき‐ぶね【桧垣船・菱垣船】

ひがき【桧垣】(作品名)🔗🔉

ひがき桧垣】 能。世阿弥作の老女物。ある白拍子の女が、老後太宰府に桧垣を造って住んでいたという説話を脚色。最高の秘曲とする三老女の一つ。→姨捨おばすて

ひがき‐あや【桧垣綾】🔗🔉

ひがき‐あや桧垣綾(→)桧垣2に菊花模様を織り出してある綾。 ⇒ひ‐がき【桧垣】

ひがき‐かいせん【桧垣廻船・菱垣廻船】‥クワイ‥🔗🔉

ひがき‐かいせん桧垣廻船・菱垣廻船‥クワイ‥ 江戸・大坂間を定期に航海した江戸時代の廻船の一種。その垣立かきたつの下部に桧垣様の格子を付けたからいう。江戸十組問屋とくみどいやと大坂二十四組問屋とに従属し、両地の問屋に関係ある商品および幕府・諸藩の荷物に限り回漕し、公の保護を受けていた。桧垣船。→樽たる廻船。 桧垣廻船 ⇒ひ‐がき【桧垣】

ひがき‐づくり【桧垣造・菱垣造】🔗🔉

ひがき‐づくり桧垣造・菱垣造】 船を桧垣廻船風に造ること。また、その船。浄瑠璃、博多小女郎波枕「沖に何待つ―十四五端の廻船に」 ⇒ひ‐がき【桧垣】

ひがき‐とんや【桧垣問屋・菱垣問屋】🔗🔉

ひがき‐とんや桧垣問屋・菱垣問屋】 桧垣廻船を用いて江戸十組問屋と大坂二十四組問屋との貨物を回漕した海運業者。 ⇒ひ‐がき【桧垣】

ひがき‐ぶね【桧垣船・菱垣船】🔗🔉

ひがき‐ぶね桧垣船・菱垣船(→)桧垣廻船に同じ。 ⇒ひ‐がき【桧垣】

ひ‐がさ【桧笠】🔗🔉

ひ‐がさ桧笠⇒ひのきがさ

ひ‐そ【桧曾・桧楚】🔗🔉

ひ‐そ桧曾・桧楚】 2〜3寸角の角材。

ひ‐の‐き【桧・桧木】🔗🔉

ひ‐の‐き桧・桧木】 ヒノキ科の常緑高木。日本特産種。高さ30〜40メートル。樹皮は赤褐色、葉は小鱗片状で、枝に密生。雌雄同株。春、枝の上に小花を開き、のちに球果を結ぶ。材は帯黄白色、緻密で光沢・芳香があり、諸材中最も用途が広く、建築材として最良。木曾五木の最高位とされる。チャボヒバ・クジャクヒバなど葉の美しい園芸品種もある。古称、ひ。〈新撰字鏡7〉 ヒノキ(実) 撮影:関戸 勇 ⇒ひのき‐がさ【桧笠・桧木笠】 ⇒ひのき‐づな【桧綱】 ⇒ひのき‐ぶたい【桧舞台】 ○火の消えたようひのきえたよう 急に活気を失い、寂しくなるさま。「娘が嫁いで家の中は火が消えたようだ」 ⇒ひ【火】

ひのき‐がさ【桧笠・桧木笠】🔗🔉

ひのき‐がさ桧笠・桧木笠】 ヒノキを薄く削って網代あじろに編んで作った笠。晴雨両用。〈[季]夏〉 檜笠 撮影:薗部 澄(JCII蔵) ⇒ひ‐の‐き【桧・桧木】

ひのき‐づな【桧綱】🔗🔉

ひのき‐づな桧綱】 ヒノキの幹を細く裂いて縒った綱。和船の錨綱や釣瓶縄、倉壁の桟えつりに用いる。桧縄。 ⇒ひ‐の‐き【桧・桧木】

ひのき‐ぶたい【桧舞台】🔗🔉

ひのき‐ぶたい桧舞台】 ①ヒノキの板で張った、能楽・歌舞伎などの格の正しい舞台。 ②転じて、自分の腕前を表す晴れの場所。 ⇒ひ‐の‐き【桧・桧木】

ひ‐の‐つまで【桧の嬬手】🔗🔉

ひ‐の‐つまで桧の嬬手】 ヒノキの角材。万葉集1「真木さく―を」

ひ‐の‐みかど【桧の御門】🔗🔉

ひ‐の‐みかど桧の御門】 ヒノキで造った御門。また、その宮殿。古事記「真木さく―」

ひ‐ば【桧葉】🔗🔉

ひ‐ば桧葉】 ①ヒノキの葉。 ②アスナロの別称。 ③チャボヒバなどヒノキの園芸品種の総称。

ひ‐はし【桧橋】🔗🔉

ひ‐はし桧橋】 ヒノキで造った橋。万葉集16「櫟津いちいつの―よりこむ狐に浴むさむ」

ひ‐はだ【桧皮】🔗🔉

ひ‐はだ桧皮⇒ひわだ

ひば‐また【桧葉叉】🔗🔉

ひば‐また桧葉叉】 褐藻類ヒバマタ科の海藻。扁平な体で二叉に枝分れを繰り返し、扇状になる。中肋ちゅうろくをもつ。高さ15〜30センチメートル。成熟すると枝の末端が気胞状の生殖器床になる。北海道東部からカムチャッカ半島までの潮間帯上部の岩上に生育。ひばつのまた。

ひ‐ばら【桧原】🔗🔉

ひ‐ばら桧原】 (ヒハラとも)ヒノキの繁ったところ。万葉集7「泊瀬はつせの―思ほゆるかも」

ひばら‐こ【桧原湖】🔗🔉

ひばら‐こ桧原湖】 福島県北部にある湖。磐梯ばんだい山の爆発によりできた堰止せきとめ湖の一つ。湖面標高822メートル。最大深度31メートル。面積10.7平方キロメートル。→磐梯山 檜原湖と磐梯山 撮影:佐藤 尚

ひ‐もの【桧物】🔗🔉

ひ‐もの桧物】 ヒノキの材で作った薄いわげもの。後には、わげものの総称。まげもの。 ⇒ひもの‐ざ【桧物座】 ⇒ひもの‐ざいく【桧物細工】 ⇒ひもの‐し【桧物師】 ⇒ひもの‐ぶね【桧物船】 ⇒ひもの‐や【桧物屋】

ひもの‐ざ【桧物座】🔗🔉

ひもの‐ざ桧物座】 鎌倉・室町時代、市いちで桧物を製造・販売した業者の組合。七座の一つ。 ⇒ひ‐もの【桧物】

ひもの‐ざいく【桧物細工】🔗🔉

ひもの‐ざいく桧物細工】 桧物を使って細工すること。また、その細工物。 ⇒ひ‐もの【桧物】

ひもの‐し【桧物師】🔗🔉

ひもの‐し桧物師】 桧物をつくる人。桧物細工師。ひものだくみ。 ⇒ひ‐もの【桧物】

ひもの‐ぶね【桧物船】🔗🔉

ひもの‐ぶね桧物船】 桧材または桧物細工を積んだ船。源平盛衰記33「当国の―とて、まさの木積みたる船百三十余艘点定して奉る」 ⇒ひ‐もの【桧物】

ひもの‐や【桧物屋】🔗🔉

ひもの‐や桧物屋】 桧物を製造する家または人。 ⇒ひ‐もの【桧物】

ひ‐やま【桧山】🔗🔉

ひ‐やま桧山】 ヒノキのしげる山。万葉集13「斧取りて丹生にふの―の木こり来て筏に作り」

ひやま【桧山】(地名)🔗🔉

ひやま桧山】 北海道南西部の支庁。江差町・奥尻町など7町が含まれる。 ▷行政上の支庁名は「檜山支庁」と書く。

ひ‐わだ【桧皮】‥ハダ🔗🔉

ひ‐わだ桧皮‥ハダ ①ヒノキの樹皮。細かに裂いて種々の用に供する。 ②「ひわだぶき」の略。 ③襲かさねの色目。表は黒ずんだ蘇芳すおう、裏は縹はなだ色。 ⇒ひわだ‐いろ【桧皮色】 ⇒ひわだ‐ぶき【桧皮葺き】 ⇒ひわだ‐や【桧皮屋】

ひわだ‐いろ【桧皮色】‥ハダ‥🔗🔉

ひわだ‐いろ桧皮色‥ハダ‥ ①蘇芳色の黒みがかった染色。 Munsell color system: 7.5R4/4.5 ②経たては浅黄の糸、緯よこは赤糸を用いた織色。 ⇒ひ‐わだ【桧皮】

ひわだ‐ぶき【桧皮葺き】‥ハダ‥🔗🔉

ひわだ‐ぶき桧皮葺き‥ハダ‥ 桧皮で屋根を葺くこと。また、その屋根。神殿・宮殿などに多く行われる。ひわだ。 ⇒ひ‐わだ【桧皮】

ひわだ‐や【桧皮屋】‥ハダ‥🔗🔉

ひわだ‐や桧皮屋‥ハダ‥ 桧皮葺の家。宇津保物語藤原君「―・御倉どもあり」 ⇒ひ‐わだ【桧皮】

ひ‐わりご【桧破子】🔗🔉

ひ‐わりご桧破子】 ヒノキの薄板を曲げて作ったわりご。宇津保物語吹上上「沈の―一掛、合薫物」

[漢]桧🔗🔉

 字形 〔木部6画/10画/4116・4930〕 ⇒檜

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