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とど・める【止める・留める・停める】🔗🔉

とど・める止める・留める・停める】 〔他下一〕[文]とど・む(下二) ①(行こうとするものを)おさえて行かせない。ひきとめる。万葉集18「明日よりは守部やりそへ君を―・めむ」 ②(進行中のものを)そこに止まらせる。停止させる。制止する。万葉集14「沖つ渚に船は―・めむ」。万葉集19「流るる涙―・めかねつも」。「足を―・める」 ③生きとどまらせる。この世にのこす。万葉集3「―・め得ぬ命にしあれば」。「あやうく一命を―・める」 ④あとに残して置く。のこす。源氏物語桐壺「御子をば―・め奉りて忍びてぞいで給ふ」。源氏物語帚木「忍ばるべきかたみを―・めて」。「子供を故郷に―・めて上京する」「芭蕉が足跡を―・めた土地」「記録に―・める」 ⑤注意をそこに集中させる。宇津保物語俊蔭「はかなくうち振舞へるも人には殊にて、上、御心―・めて御覧ず」。源氏物語帚木「ゆかしくて耳―・め給へるに」 ⑥やめる。中止する。省略する。源氏物語「女房など多くいひ集めたれど―・めつ」 ⑦しとめる。とどめを刺す。曾我物語8「鹿は重保が矢一つにて―・めたる鹿を」 ⑧(結着をつける意で)それを最高のものとする。仮名草子、色音論「誰も嫌はぬ好きの道、若衆・女で―・めたり」 ⑨その範囲を出ないようにする。「誤りを指摘するに―・める」 ○止めを刺すとどめをさす ①刺して息の根をとめる。 ②転じて、物事の最後に、急所をおさえてそれ以上反撃・反駁などのできないようにする。 ③(「AはBに―」の形で)AについてはBが最もすぐれている。「浜焼は鯛に―」 ⇒とどめ【止め】

と・める【止める・留める・停める】🔗🔉

と・める止める・留める・停める】 〔他下一〕[文]と・む(下二) ➊事物の動き・続きをやめさせる。 ①進ませない。動かないようにする。万葉集19「渋渓しぶたにをさしてわが行くこの浜に月夜飽きてむ馬しまし―・め」。「車を―・める」 ②引きとめる。また、つなぎとめる。万葉集4「うち日さす宮に行く子をまがなしみ―・むれば苦しやればすべなし」。後撰和歌集「白露に風の吹きしく秋の野はつらぬき―・めぬ玉ぞ散りける」 ③やめさせる。禁ずる。制する。万葉集2「御立たしの島を見るときにはたづみ流るる涙―・めそかねつる」。「喧嘩を―・める」 ④続いていたものをなくする。とだえさせる。絶つ。特に、生命を断つ。仕留める。春の日「滝壺に柴押しまげて音―・めん」(越人)。浄瑠璃、出世景清「一人を―・めんことは案の打物うちもの小脇にかいこんで」。「痛みを―・める」 ⑤動かないように固定する。「髪をピンで―・める」 ➋(「泊める」とも書く)そこにとどめ居させる。 ①碇泊させる。万葉集15「さ夜ふけて行方を知らに我が心明石の浦に船―・めて浮寝をしつつ」 ②宿を貸す。とまらせる。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「泊らんせ、泊らんせ。旅籠はたご安うて―・めませう」。「客を一晩―・める」 ➌後にとどまらせる。 ①とどめておく。あとにのこす。源氏物語須磨「月影のやどれる袖はせばくとも―・めても見ばや飽かぬ光を」 ②(この世に跡をとどめる意で)命を長らえる。源氏物語真木柱「みづからは斯く心憂き宿世今は見果てつれば、この世に跡―・むべきにもあらず」 ③心をよせる。留意する。(耳や目の働きを)その点に集中させる。源氏物語夕顔「朝霧の晴れ間も待たぬ気色にて花に心を―・めぬとぞ見る」。「気に―・めて下さって有難う」「人の話に耳を―・める」「目を―・める」 ◇動き・続きをやめさせる場合は、「止」がふつうで「停」も使う。固定する場合、感覚の働きを向けたり残したりする場合に「留」を使う。

や・める【止める・已める・辞める・罷める】🔗🔉

や・める止める・已める・辞める・罷める】 〔他下一〕[文]や・む(下二) ①続いていた動作・状態に決まりをつけさせる。絶やす。停止する。万葉集12「梓弓末の中ごろよどめりし君にはあひぬ嘆きは―・めむ」。後撰和歌集「暮れ果てば月も待つべし女郎花雨―・めてとは思はざらなむ」。日葡辞書「トガヲヤムル」。「煙草を―・める」 ②就いていた職・地位などを退く。「会社を―・める」「委員長を―・める」 ③しようとしていたことを思いとどまる。平家物語6「いさめ申ししかば、殿にいるる事を―・められける」。「外出を―・める」 ④病気・癖などをなおす。源氏物語帚木「さがなさも―・めむと思ひて」。源氏物語手習「今はかばかりにていたはり―・め奉り給へ」 ⑤雨などが降りやむのを待つ。歌舞伎、与話情浮名横櫛「もう今にやみませう。御遠慮なしに少し―・めてお出でなされませ」 ◇「辞める」は2に使う。「罷める」も普通は2に使う。

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