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いらか【甍】🔗⭐🔉
いらか【甍】
(苛処いらかの意)
①屋根の背。家の上棟うわむね。万葉集16「海神わたつみの殿の―に飛びかける」
②屋根の棟瓦。また、瓦葺かわらぶきの屋根。「―を並べる」
③屋根の妻の下の三角形の壁体部分。
⇒いらか‐づくり【甍造】
⇒甍を争う
いらか‐づくり【甍造】🔗⭐🔉
○甍を争ういらかをあらそう🔗⭐🔉
○甍を争ういらかをあらそう
甍の高さを競うかのように、家がたくさん立ち並ぶ。
⇒いらか【甍】
い‐らく【怡楽】
よろこび楽しむこと。
イラク【Iraq; Irak】
西南アジア、チグリス・ユーフラテス両河の流域にある共和国。古代文明の発祥地。アッバース朝の本拠地で、イスラム文化の中心の一つ。第一次大戦後イギリスの委任統治領、1932年独立、58年共和制。68年バース党が政権を握り、2003年のイラク戦争まで支配。住民はアラブ人およびクルド人で、南部を中心にイスラム教シーア派が約6割を占める。面積43万8000平方キロメートル。人口2481万(2001)。首都バグダード。→西アジア(図)。
バグダード
撮影:田沼武能
⇒イラク‐せんそう【イラク戦争】
いら‐くさ【刺草・蕁麻】
イラクサ科の多年草。山野の陰地に自生。高さ数十センチメートル。葉は先端がとがり、粗鋸歯がある。茎は四角で叢生。茎や葉の細かいとげに蟻酸を含み、触れれば痛みが残る。雌雄同株。秋、葉腋に淡緑色の小花を穂状につける。茎の繊維を糸や織物の原料とし、若芽は食用、美味。いたいたぐさ。いらぐさ。日葡辞書「イラグサガサス」
⇒いらくさ‐おり【刺草織】
いらくさ‐おり【刺草織】
イラクサの茎の繊維から製した糸で織った織物。
⇒いら‐くさ【刺草・蕁麻】
いら‐ぐさ・し【苛臭し】
〔形ク〕
ひどく臭い。酒食論「かかる上戸の口の香は、息なまぐさし―・し」
イラク‐せんそう【イラク戦争】‥サウ
イラクで大量破壊兵器が製造されているとの理由で、2003年アメリカ・イギリスなどが始めた戦争。フセイン政権は崩壊したが、大量破壊兵器は見つからず、長期化。
引き倒されるサダム・フセイン像(バクダット 2003年4月)
撮影:豊田直巳
空爆で自宅を破壊された男性(バクダット 2003年3月)
撮影:豊田直巳
⇒イラク【Iraq; Irak】
いら‐くら
気がいらだつさま。いらいら。浄瑠璃、艶容女舞衣「主半兵衛、老の五調がんじょう気は―」
いらこ【伊良子】
姓氏の一つ。
⇒いらこ‐せいはく【伊良子清白】
いらご‐ざき【伊良湖岬】
(伊良子・伊良虞とも書く)愛知県渥美あつみ半島西端の岬。伊勢湾口を挟んで志摩半島に相対し、岬端に灯台がある。いらごみさき。(歌枕)
伊良湖岬 恋路ヶ浜
撮影:山梨勝弘
いらこ‐せいはく【伊良子清白】
詩人。本名、暉造てるぞう。別号、すずしろのや。鳥取県生れ。三重県鳥羽で医業のかたわら詩作。抒情と精妙な詩句で注目される。詩集「孔雀船くじゃくぶね」。(1877〜1946)
⇒いらこ【伊良子】
イラジエーション【irradiation】
①(写真用語)撮影・焼付の際、フィルム・印画紙などの乳剤層に入った光が散乱し、本来の像の周囲まで感光させて、像がにじむ現象。強い光が当たった部分に起こる。光滲。→ハレーション。
②放射線を照射すること。
イラショナル【irrational】
不合理なさま。非合理的。↔ラショナル
いら・す【貸す】
〔他四〕
貸かす。利息をとって貸す。天武紀下「中戸なかのへより以下しもつかたに―・し与たまふべし」。日本霊異記中「酒を作り利うまわしを―・す」↔借いらう
イラスト
イラストレーションの略。特に、見て楽しく誇張・変形した絵についていう。
⇒イラスト‐マップ
イラスト‐マップ
(和製語)旅行案内などの絵地図。
⇒イラスト
イラストレーション【illustration】
さし絵。図解。→イラスト
イラストレーター【illustrator】
挿絵画家。宣伝美術家。
いらず‐やま【不入山】
入ると出られなくなるとして、入ることを忌む山。
いら‐せ‐ら・れる
〔自下一〕[文]いらせら・る(下二)
①「入る」の尊敬語。お入りになる。
②「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。
いら‐たか【苛高・刺高】
(イラダカとも)
①かどだっていること。
②刺高数珠の略。
⇒いらたか‐じゅず【刺高数珠】
いらたか‐じゅず【刺高数珠】
珠が平たくて角の高い数珠。多く修験者の用いるもので、もめば高い音を出す。いらたかずず。太平記2「―をさらさらと押しもみて」
⇒いら‐たか【苛高・刺高】
いら‐だたし・い【苛立たしい】
〔形〕[文]いらだた・し(シク)
思い通りにならず、落ち着いていられない感じである。心がいらいらするさまである。
いら‐だ・つ【苛立つ】
[一]〔自五〕
気がいらいらする。じれったくなる。「神経が―・つ」
[二]〔他下二〕
⇒いらだてる(下一)
いら‐だ・てる【苛立てる】
〔他下一〕[文]いらだ・つ(下二)
気をたかぶらせる。いらいらさせる。
いらち【苛ち】
(京阪で)性急で落着きのないさま。また、そのような人。
いら・つ【苛つ】
[一]〔自四〕
いらいらする。いらだつ。謡曲、熊坂「―・つて熊坂早足さそくをふみ」
[二]〔他下二〕
いらだたせる。せかす。太平記4「探使襲来して―・てければ」
いら‐つ‐きみ【郎君】
(→)「いらつこ」に同じ。↔いらつひめ
いら‐つ・く【苛つく】
〔自五〕
あせっていらいらする。いらだつ。「仕事がはかどらないので―・く」
いら‐つ‐こ【郎子】
(イラは同母の意のイロと同源の接頭語)若い男子を親しんでいう語。応神紀「
道稚郎子うじのわきいらつこ」↔いらつめ
いらっ‐しゃい
(イラッシャルの命令形)人の訪ねて来た時に挨拶に用いる語。よくいらっしゃったの意。
いらっ‐しゃ・る
〔自五〕
(イラセラルの転)
①「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語。
②(用言に「て」「で」の付いたものに接続して)「…ている」「…である」などの尊敬語。「先生は御多忙で―・います」
いら‐つ‐ひめ【郎姫】
(→)「いらつめ」に同じ。雄略紀「
幡姫たくはたのいらつひめ」↔いらつきみ
いら‐つ‐め【郎女・女郎】
(イラはイロ(同母)と同源の接頭語)若い女子を親しんでいう語。〈景行紀訓注〉↔いらつこ
いら‐な・し
〔形ク〕
①きわだって甚だしい。ことごとしい。大和物語「候ふ人々も―・くなむ泣きあはれがりける」
②あらあらしい。強い。宇津保物語藤原君「天の下の―・き軍士いくさなりとも打ち勝ちなむや」
③鋭い。宇治拾遺物語10「―・き太刀をみがき」
いら‐ぬ【入らぬ・要らぬ】
(ヌは打消の助動詞)不要の。余計な。「―お世話」
いらぼ【伊羅保】
(表面がざらついているからいう)李朝時代の朝鮮焼の茶碗。
いら‐ぼし【苛星】
かぶとの星の先のとがったもの。
いら‐むし【刺虫】
イラガの幼虫。〈[季]秋〉
イラムシ
撮影:海野和男
いら‐め・く【苛めく】
〔自四〕
かど張って見える。宇治拾遺物語11「胸骨はことにさし出でて―・き」
いらら・ぐ【苛ぐ】
(イララクとも)
[一]〔自四〕
①とがる。かどだつ。落窪物語2「顔つきただ駒のやうに、鼻―・きたること限りなし」
②鳥肌が立つ。源氏物語橋姫「寒げに―・きたる顔して」
[二]〔他下二〕
とがらせる。かどだてる。落窪物語2「鼻の穴よりは人通りぬべく吹き―・げて」
いら・る【苛る・焦らる】
〔自下二〕
いらいらする。気をもむ。落窪物語1「おきふし泣き―・るれば、仕ふ人も安からず見る」
いられ‐がま・し【苛れがまし】
〔形シク〕
いらいらしている感じである。源氏物語胡蝶「―・しきわびごとどもを書き集め給へる御文を」
イラワジ【Irrawaddy】
ミャンマー中央部を南流する川。チベットに発源、アンダマン海に注ぐ。長さ2090キロメートル。エーヤーワディ。
い‐らん【恚乱】
うらみ怒ってとりみだすこと。
い‐らん【違乱】ヰ‥
①法に違たがい秩序を乱すこと。
②混乱すること。
③苦情をのべること。日葡辞書「コノギイランアルナ」
イラン【伊蘭】
(梵語eraṇḍa)トウダイグサ科トウゴマ属の植物。悪臭を発するので、香気ある栴檀せんだんに対して、煩悩ぼんのうにたとえる。
イラン【Iran】
西南アジア、カスピ海の南に位置するイスラム共和国。旧称ペルシア。1935年改称。79年までは王制。砂漠・荒地が多い。世界屈指の産油国。住民の大半はペルシア人でイスラム教シーア派を信じ、公用語は現代ペルシア語。面積163万3000平方キロメートル。人口6748万(2004)。首都テヘラン。→西アジア(図)。
テヘラン
撮影:田沼武能
⇒イラン‐イラク‐せんそう【イランイラク戦争】
⇒イラン‐かくめい【イラン革命】
⇒イラン‐ご【イラン語】
⇒イラン‐こうげん【イラン高原】
⇒イラン‐ごは【イラン語派】
⇒イラン‐コントラ‐じけん【イランコントラ事件】
イラン‐イラク‐せんそう【イランイラク戦争】‥サウ
1980年から88年にわたるイラン・イラク間の戦争。イラクがイラン国内に侵入して開戦。両国の国境紛争であるとともに、イラン革命への介入という側面があった。
イラク軍による化学兵器による負傷の為来日したイラク軍民兵 1984年(東京女子医大病院)
提供:毎日新聞社
⇒イラン【Iran】
イラン‐かくめい【イラン革命】
ホメイニらを指導者として1978年に勃発し翌年にパフレヴィー王朝を倒した革命。イラン‐イスラム共和国が成立。
⇒イラン【Iran】
イラン‐ご【イラン語】
(Iranian)狭義にはイランで公用語として用いられる現代ペルシア語。広義にはイラン・アフガニスタンを中心にイラク・シリア・パキスタンにかけて用いられているイラン諸語。ペルシア語のほかにダリー語・クルド語・パシュトー語・オセット語など。
⇒イラン【Iran】
イラン‐こうげん【イラン高原】‥カウ‥
西アジア、イラン主要部からパキスタン・アフガニスタンに広がる高原。カナートによる灌漑農業が発達。
⇒イラン【Iran】
イラン‐ごは【イラン語派】
インド‐ヨーロッパ語族の一語派。古代ペルシア語・アヴェスタ語・近代イラン語など。インド‐アーリア語派とまとめてインド‐イラン語派と呼ぶことがある。
⇒イラン【Iran】
イラン‐コントラ‐じけん【イランコントラ事件】
(Iran-Contra Affairs)1980年代、レーガン政権期の米国政府が、当時敵対していたイランに秘かに禁輸武器を売却し、その代金でニカラグアの反左翼・反政府ゲリラ組織コントラを支援していた事件。イランゲート事件。
⇒イラン【Iran】
いり【入り】
①入ること。「土俵―」「鳴り物―」
②日や月が沈むこと。「日の―」
③(沖縄で)西。
④(「要り」とも書く)いりよう。入費。ものいり。「―がかさむ」
⑤収入。あがり。「―をはかる」
⑥人や物のはいる量。「芝居の―がわるい」
⑦特定の期間の最初の日。「彼岸の―」
いり【圦】
土手の下などに樋ひを埋めて、水の出入りを調節するもの。水門。
い‐り【委吏】ヰ‥
[孟子万章下]中国で、米穀の出納をつかさどった官吏。
い‐り【遺利】ヰ‥
とりのこされた利益。
イリ【伊犁】
(Ili)中国新疆ウイグル自治区の北西地域。古来、遊牧民の拠った地、すなわち、漢・魏時代の烏孫、唐代の西突厥の住地。チャガタイ‐ハン国の中心。現住民はカザフ族・ウイグル族など少数民族が多い。土壌は肥沃で、農業・牧畜に適する。
いり‐あい【入会・入相・入合】‥アヒ
一定地域の住民が特定の権利をもって一定の範囲の森林・原野に入り、木材・薪炭・まぐさ等を採取するなど共同利用すること。「―漁業」
⇒いりあい‐けん【入会権】
⇒いりあい‐ち【入会地】
いり‐あい【入相】‥アヒ
①日の入る頃。夕暮。「いりやい」とも。伊勢物語「今日の―ばかりに絶え入りて」
②「入相の鐘」の略。源氏物語澪標「山寺の―の声々にそへても」
⇒いりあい‐どき【入相時】
⇒いりあい‐の‐かね【入相の鐘】
いりあい‐けん【入会権】‥アヒ‥
入会地を利用する権利。
⇒いり‐あい【入会・入相・入合】
いりあい‐ち【入会地】‥アヒ‥
一定の人々のあいだで入会の権利が設定されている山野・漁場など。
⇒いり‐あい【入会・入相・入合】
いりあい‐どき【入相時】‥アヒ‥
夕暮れ時。日没時。
⇒いり‐あい【入相】
いりあい‐の‐かね【入相の鐘】‥アヒ‥
日暮に寺でつく鐘。晩鐘。拾遺和歌集哀傷「山寺の―の声ごとに今日も暮れぬと聞くぞ悲しき」
⇒いり‐あい【入相】
いり‐あ・げる【入り揚げる】
〔他下一〕
(→)「いれあげる」に同じ。
イリアス【Ilias】
古代ギリシアの長編叙事詩。「オデュッセイア」と共にホメロス作と伝える。24巻。10年間にわたるトロイア戦争中の数十日間の出来事を描いたもので、アキレスの怒りを主題とし、トロイア・ギリシア両軍の戦況の推移を描く。英語名イリアッド。
イリアッド【Iliad】
イリアスの英語名。
いり‐あや【入綾】
舞楽で、舞終了後の退出作法。舞楽曲の中心となる当曲とうきょくを舞い終わり、同じ曲が反復演奏(重吹しげぶき)される中を舞人は中央に縦1列になり、その曲の舞の手を続けながら順次退出する。入舞いりまい。
いり‐あられ【炒霰】
采の目に切った青・赤・白の餅を炒って砂糖をまぶしたもの。雛祭に供える。
いり‐あわ・す【入り合す】‥アハス
〔他四・下二〕
(→)「いれあわす」に同じ。
イリーガル【illegal】
非合法的なこと。違法なこと。
イリイチ【Ivan Illich】
オーストリア生れの思想家。メキシコを拠点に、現代の医療制度や学校制度に焦点をあてて産業社会批判・文明批判を展開。著「脱学校の社会」「脱病院化社会」「シャドウ‐ワーク」など。(1926〜2002)
イリイチ
提供:ullstein bild/APL
いり‐いり【煎煎】
(女房詞)大豆をいったもの。
いり‐うど【入人】
(イリビトの音便)
①(「入夫」とも書く)いりむこ。
②他村から寄留した者。
いり‐うみ【入海】
陸地に入り込んだ海。湾。
いり‐え【入江】
湖または海が陸地に入り込んだ部分。「―に停泊する」
いりえ【入江】
姓氏の一つ。
⇒いりえ‐たいきち【入江泰吉】
⇒いりえ‐たかこ【入江たか子】
⇒いりえ‐はこう【入江波光】
いり‐え【入縁】
(「入家」とも書く)いりむこ。婿養子。好色五人女5「一門より似合はしき―取ること」
いりえ‐たいきち【入江泰吉】
写真家。奈良市生れ。奈良・大和の風物・仏閣・仏像を撮る。代表作「万葉大和路」「仏像の表情」。(1905〜1992)
入江泰吉
提供:毎日新聞社
⇒いりえ【入江】
いりえ‐たかこ【入江たか子】
映画女優。本名、東坊城英子。東京生れ。サイレント時代の「生ける人形」「滝の白糸」をはじめ、「良人の貞操」「藤十郎の恋」などに出演した、戦前を代表するスター。(1911〜1995)
⇒いりえ【入江】
いりえ‐はこう【入江波光】‥クワウ
日本画家。名は幾治郎。京都生れ。国画創作協会同人。仏教的主題の作品が多い。法隆寺金堂壁画の模写にも尽力。(1887〜1948)
⇒いりえ【入江】
いり‐えん【入縁】
①いりむこ。いりえ。
②先方から申込みのあった縁談。
いり‐おう【入王】‥ワウ
将棋で、(→)入玉にゅうぎょくに同じ。
いりおもて【西表】
沖縄県南西部、八重山諸島の島。石垣島の西にある。面積289平方キロメートル。広く亜熱帯原生林におおわれる。
⇒いりおもて‐いしがき‐こくりつこうえん【西表石垣国立公園】
⇒いりおもて‐やまねこ【西表山猫】
いりおもて‐いしがき‐こくりつこうえん【西表石垣国立公園】‥ヱン
西表島・石垣島を中心とし、周囲の竹富島・黒島などの小島を含む国立公園。亜熱帯原生林と珊瑚礁に富む。
⇒いりおもて【西表】
いりおもて‐やまねこ【西表山猫】
ネコ科の哺乳類。イエネコよりやや大形で、頭胴長約60センチメートル、尾長20センチメートル。暗褐色の地色に縦列の黒斑がある。頭骨などに原始的な特徴がある。沖縄県西表島だけに生息、1965年に発見。特別天然記念物。
イリオモテヤマネコ
提供:東京動物園協会
イリオモテヤマネコ
提供:NHK
⇒いりおもて【西表】
いり‐おんじょう【入り音声】‥ジヤウ
舞楽で、舞人が舞いながら退場しようとする時の奏楽。
いり‐か【入費】
にゅうひ。かかり。〈和英語林集成初版〉
いり‐がく【入角】
〔建〕
⇒いりすみ
いり‐かげん【入り加減】
①はいっている程度、分量。
②湯などの、はいるのに適度なころあい。はいりかげん。浮世風呂前「げにも朝湯の―」
いり‐がし【炒菓子】‥グワ‥
米・豆などに砂糖を加えて炒った菓子。
いり‐かせぎ【入り稼ぎ】
他所から入りこんで稼ぐこと。
いり‐がた【入り方】
日や月などの沈もうとするころ。源氏物語桐壺「月は―の、空清う澄みわたれるに」
いり‐かど【入り門】
いりくち。戸ぐち。
いり‐がね【入り金】
収入金。所得の金銭。
いり‐かや【炒榧】
カヤの果実を炒って作った菓子。
いり‐がら【炒殻】
①クジラの脂身を細く切り、炒って脂を取り、乾かした食品。
②おからを炒って、味を添えたもの。
いり‐がわ【入側】‥ガハ
①建物の外周から1間入った柱筋。
②座敷と外縁側との間にある1間幅の通路・縁側。
いり‐がわら【炒瓦】‥ガハラ
いりなべ。ほうろく。
いり‐かわり【入り替り】‥カハリ
(→)「いれかわり」に同じ。
⇒いりかわり‐たちかわり【入り替り立ち替り】
いりかわり‐たちかわり【入り替り立ち替り】‥カハリ‥カハリ
(→)「いれかわりたちかわり」に同じ。
⇒いり‐かわり【入り替り】
いり‐かわ・る【入り替わる・入り代わる】‥カハル
〔自五〕
(→)「いれかわる」に同じ。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「外道の悪念魂に―・り」
いり‐きって【入切手】
「出切手できって」参照。
いり‐くさ【入草】
鷹に追われて、鳥が隠れる草やぶ。〈日葡辞書〉
いり‐ぐち【入口】
(イリクチとも)
①はいり口。
②(比喩的に)物事のしはじめ。最初の段階。端緒。「学問の―」
いり‐くみ【入組み】
いりくむこと。事件の紛糾。日葡辞書「チギャウ(知行)ノイリクミ」
いり‐く・む【入り組む】
〔自五〕
物事が互いにからみあって複雑になる。こみいる。「―・んだ話」「―・んだ路地」
いりくり‐うた【入り繰り歌】
ひねくりまわし過ぎてぎこちなく、情も言葉も整わない歌。毎月抄「いりほがの―」
いり‐こ【炒子】
小さな雑魚ざこを炒って干したもの。いりじゃこ。いりぼし。
いり‐こ【炒粉】
①米の粉を炒ったもの。菓子だねにする。
②むぎこがし。
いり‐こ【海参・煎海鼠】
ナマコの腸をとり去り、ゆでて干したもの。平安初期から調物ちょうもつとされ、近世には中国に輸出された。中国料理の高級材料としても珍重。ほしこ。〈倭名類聚鈔19〉
いり‐ご【揺子】
砕米くだけまいの更に細かいもの。糯米もちごめをまぜて餅や団子を作る。
いり‐ごい【煎鯉】‥ゴヒ
鯉の身を煎酒でさっと煎ったもの。煎った鯉の卵を身にまぶしつける。
いり‐こさく【入小作】
江戸時代、他村からはいって来て小作すること。また、その人。いりさく。↔出小作でこさく
いり‐こぶ【炒昆布】
炒るか油で揚げるかした昆布。
いり‐ごま【炒胡麻】
炒った胡麻。
いり‐ごみ【入込み】
①多人数入りまじること。
②劇場などで、多人数がいっしょに入る席。大衆席。おいこみ。
③男女が混浴すること。また、その浴場。
④嫁入りのこと。
いり‐こ・む【入り込む】
〔自五〕
①無理にはいる。おしわけてはいる。
②潜入する。
③いりくむ。こみいる。
いり‐ごめ【炒米】
炒った米。
いり‐さく【入作】
江戸時代、村内の耕地を他村の居住者が耕作すること。また、その人。↔出作でさく
いり‐ざけ【煎酒】
①酒を煮つめたもの。
②酒に鰹節・梅干・炒塩・醤油などを加えて煮つめて漉したもの。刺身・膾なますなどの味付け用。錦之裏「―のにほひ、鼻をつらぬき」
いり‐ざこ【煎雑魚】
雑魚を煎ったもの。
イリジウム【iridium】
(ギリシア語のiris(虹)から)白金族元素の一種。元素記号Ir 原子番号77。原子量192.2。銀白色の金属で、耐酸性に富み、溶けにくく、硬度が高く、膨張率が小さい。触媒、白金と合金にして万年筆のペン先、理化学器械の製作などに用いる。
いり‐しお【入潮】‥シホ
①引き潮。続古今和歌集冬「―遠く千鳥鳴くなり」↔出潮いでしお。
②満ちて入ってくる潮。差し潮。満ち潮。玉葉集雑「浦荒れて風よりのぼる―におろさぬ舟ぞ浪に浮きぬる」
いり‐じお【炒塩】‥ジホ
いった塩。焼き塩。
いり‐しごと【入仕事】
手間賃を取ってする仕事。入手間いりでまでする仕事。いり。
いり‐し・める【入り染める】
〔自下一〕
入ってよく馴れる。東海道中膝栗毛初「―・めて見ると熱くはねえ」
イリ‐じょうやく【伊犁条約】‥デウ‥
1881年、ロシアと清国との間に結ばれた条約。イリ地方の国境を定め新疆全土をロシア貿易に開放することを約した。サンクト‐ペテルブルグ条約。
イリス【Iris ギリシア】
〔神〕
⇒アイリス1
いり‐すみ【入角・入隅】
〔建〕壁・板などが或る角度をもって出会う所の内方の隅。いりがく。↔出角ですみ
いり‐ずみ【炒炭】
火にあぶって湿気を去り、火のつきやすいようにした炭。
いり‐だい【煎鯛】‥ダヒ
鯛の身を煎酒でさっと煎ったもの。
いり‐たち【入立ち】
皇居の台盤所だいばんどころに参入することを許されること。また、その人。簾中入立れんちゅういりたち。
いり‐た・つ【入り立つ】
〔自四〕
①はいりこむ。古事記下「臣おみの子の八重の柴垣―・たずあり」
②親しく出入りする。親しく交際する。源氏物語蜻蛉「大将の君は、いとさしも―・ちなどし給はぬほどにて」
③物事に深く立ち入る。通じる。徒然草「何事も―・たぬさましたるぞよき」
いり‐だね【炒種】
米・糯粟もちあわなどを蒸して挽き割って炒った粒種。おめで糖・おこしなどの材料。
いり‐たまご【煎玉子・炒卵】
溶きほぐして調味した鶏卵を煎りつけた料理。
いり‐ちが・う【入り違う】‥チガフ
[一]〔自五〕
(→)「いれちがう」に同じ。
[二]〔他下二〕
⇒いりちがえる(下一)
いり‐ちが・える【入り違える】‥チガヘル
〔他下一〕[文]いりちが・ふ(下二)
(→)「いれちがえる」に同じ。
いり‐ちょう【入帳】‥チヤウ
商家などで収入関係の事項を記す帳簿。世間胸算用3「―の銀高かねだか積りて」
いり‐つ・ける【煎り付ける】
〔他下一〕[文]いりつ・く(下二)
水気のなくなるまで煮つめる。焦げるほどに熱する。「ぎんなんを―・ける」
いりでっぽう‐でおんな【入鉄砲出女】‥パウ‥ヲンナ
江戸幕府が、江戸に入る鉄砲と江戸から出る女性を箱根などの関所で特に厳重に改めたこと。謀反を警戒して武器の流入と諸大名の妻女の脱出を防ぐため行なった。
いり‐でま【入手間】
手間仕事の賃銭。いれでま。
いり‐と【入頭】
宮座の頭とう仲間に入ること。
いり‐どうふ【煎豆腐】
豆腐をゆでてから水気を去り、味を加えて煎りつけたもの。
イリドスミン【iridosmine】
イリジウムとオスミウムとの合金。天然にも産する。硬度・耐食性が高く、万年筆のペン先などに使用。オスミリジウム。
いり‐とり【煎鳥】
鳥肉を醤油・砂糖・味醂などで味つけして煎りつけたもの。広津柳浪、河内屋「不漁しけで何にも出来ないと申しますんですがね、―か何か其様物では如何で御在ませうねえ」
いり‐どり【入り取り】
人家に押し入り物品を奪い取ること。また、その者。平家物語8「京中には源氏みちみちて、在々所々に―多し」
いり‐なべ【炒鍋】
肉・豆・野菜などを炒るのに用いる浅い鉄製の鍋。土製のものもある。ほうろく。
いり‐に【入荷】
①送りとどけられて来た荷物。
②倉などに積み入れられている荷物。
いり‐に【炒煮】
油でいためてから煮る調理法。
いり‐の【入野】
入り込んだ野。万葉集14「草枕多胡たごの―の奥も悲しも」
いりの【入野】
姓氏の一つ。
⇒いりの‐よしろう【入野義朗】
イリノイ【Illinois】
アメリカ合衆国中部の州。州都スプリングフィールド。交通・運輸の要地で、農業・工業が発達。→アメリカ合衆国(図)
いり‐のう【入能】
能の上演に際し、予定番組にない臨時に組み入れた演目。
いりの‐よしろう【入野義朗】‥ラウ
作曲家。ウラジヴォストーク生れ。第二次大戦後、日本で初めて十二音技法による音楽を作曲。現代音楽祭の運営、音楽教育にも貢献。(1921〜1980)
⇒いりの【入野】
いり‐は【入端】
①舞踊的な芸能で、諸役の退場の場面。また、その音楽・歌・踊りなど。反対に、登場をいう場合もある。三道「夫婦・兄弟などの尋ね逢ふ所を結びて、―にして入る事あり」↔出端では。
②能で、2場構成の演目の後場をさす古用語。
いり‐はま【入浜】
満潮面より低い海岸に海水を流入して行う製塩法。揚浜あげはまを改良したもので、江戸初期から行われた。→揚浜。
⇒いりはま‐けん【入浜権】
いりはま‐けん【入浜権】
海浜・海岸に立ち入り、景観を楽しみ、海水浴や魚介類の採取などのレクリエーションを享受できる権利。
⇒いり‐はま【入浜】
いり‐ひ【入り日】
夕暮に西に沈もうとする太陽。また、その光。落日。万葉集1「わたつみの豊旗雲に―見し」
⇒いりひ‐かげ【入日影】
いり‐ひ【圦樋】
水を引き入れ、または吐き出すために設けた水門の樋。樋口。
いりひ‐かげ【入日影】
夕日の光。曠野「涼しさよ夕立ながら―」(去来)
⇒いり‐ひ【入り日】
いり‐びたり【入り浸り】
いりびたること。
いり‐びた・る【入り浸る】
〔自五〕
①水の中にずうっとつかる。
②自宅以外の場所に居つづけて帰らない。また、ひんぱんに行く。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「年中くるわへ―・り」。「碁会所に―・る」
いり‐びゃくしょう【入百姓】‥シヤウ
江戸時代、他村から転入した農民の称。
いり‐ふ・す【入り臥す】
〔自四〕
①入って臥す。枕草子312「夜行し細殿などに―・したる」
②ある状態に入りきる。没入する。毎月抄「心をすまして、その一境に―・してこそ」
いり‐ふね【入り船】
港にはいって来る船。↔出船でふね。
⇒いりふね‐つなぎ【入船繋ぎ】
⇒いりふね‐ほっけ【入船祝】
いり‐ふね【炒船】
瀬戸内海の鰯網いわしあみ漁業などに付随し、船中に釜を据え、とれた鰯をゆがいた加工船。いりやぶね。
いりふね‐つなぎ【入船繋ぎ】
舳先へさきを陸へ向けて船をつなぐこと。↔出船繋ぎ。
⇒いり‐ふね【入り船】
いりふね‐ほっけ【入船祝】
(ホッケはホカヒ(祝)の転。壱岐地方で)航海を終えて帰港した際の祝宴。
⇒いり‐ふね【入り船】
いり‐べ【入部】
子代こしろ・名代なしろの民。
いり‐ほが【鑿・入穿】
①和歌などで、たくみ過ぎていやみに落ちること。八雲御抄「ことばの―とは、例へば、霧の有明、風の夕暮、露ふけて、雲たけて、などいふ風情なり」
②せんさくし過ぎて的まとをはずれること。うがちすぎ。
いり‐ほが・し【鑿し・入穿し】
〔形シク〕
せんさくがましい。狂言、酒講式「余りに余りに―・し」
いり‐ぼし【熬乾・炒干】
小魚を炒ってほしたもの。いりこ。だしこ。こわいじゃこ。いりじゃこ。
いり‐まい【入米】
(米の収入の意か)収入。みいり。訛って入前いりまえともいう。浄瑠璃、心中宵庚申「身の―は上田の田畠の世話をやきやめば」
いり‐まい【入舞】‥マヒ
①(→)入綾いりあやに同じ。
②転じて、物事の終り。源平盛衰記28「世既に至極せり、―にや」
いり‐まえ【入前】‥マヘ
①(→)「いりまい(入米)」に同じ。
②ものいり。生活費。浮世草子、新可笑記「親のなき人は―案じ」
いり‐まじ・る【入り交じる・入り雑じる】
〔自五〕
さまざまのものがまざり合う。入りこんで区別がつかなくなる。「敵味方―・る」「怒りと悲しみの―・った表情」
いり‐ます【入枡】
小作米の付加米。
いり‐まめ【炒豆】
①大豆を炒ったもの。
②まめいり。
⇒炒豆に花
⇒イラク‐せんそう【イラク戦争】
いら‐くさ【刺草・蕁麻】
イラクサ科の多年草。山野の陰地に自生。高さ数十センチメートル。葉は先端がとがり、粗鋸歯がある。茎は四角で叢生。茎や葉の細かいとげに蟻酸を含み、触れれば痛みが残る。雌雄同株。秋、葉腋に淡緑色の小花を穂状につける。茎の繊維を糸や織物の原料とし、若芽は食用、美味。いたいたぐさ。いらぐさ。日葡辞書「イラグサガサス」
⇒いらくさ‐おり【刺草織】
いらくさ‐おり【刺草織】
イラクサの茎の繊維から製した糸で織った織物。
⇒いら‐くさ【刺草・蕁麻】
いら‐ぐさ・し【苛臭し】
〔形ク〕
ひどく臭い。酒食論「かかる上戸の口の香は、息なまぐさし―・し」
イラク‐せんそう【イラク戦争】‥サウ
イラクで大量破壊兵器が製造されているとの理由で、2003年アメリカ・イギリスなどが始めた戦争。フセイン政権は崩壊したが、大量破壊兵器は見つからず、長期化。
引き倒されるサダム・フセイン像(バクダット 2003年4月)
撮影:豊田直巳
空爆で自宅を破壊された男性(バクダット 2003年3月)
撮影:豊田直巳
⇒イラク【Iraq; Irak】
いら‐くら
気がいらだつさま。いらいら。浄瑠璃、艶容女舞衣「主半兵衛、老の五調がんじょう気は―」
いらこ【伊良子】
姓氏の一つ。
⇒いらこ‐せいはく【伊良子清白】
いらご‐ざき【伊良湖岬】
(伊良子・伊良虞とも書く)愛知県渥美あつみ半島西端の岬。伊勢湾口を挟んで志摩半島に相対し、岬端に灯台がある。いらごみさき。(歌枕)
伊良湖岬 恋路ヶ浜
撮影:山梨勝弘
いらこ‐せいはく【伊良子清白】
詩人。本名、暉造てるぞう。別号、すずしろのや。鳥取県生れ。三重県鳥羽で医業のかたわら詩作。抒情と精妙な詩句で注目される。詩集「孔雀船くじゃくぶね」。(1877〜1946)
⇒いらこ【伊良子】
イラジエーション【irradiation】
①(写真用語)撮影・焼付の際、フィルム・印画紙などの乳剤層に入った光が散乱し、本来の像の周囲まで感光させて、像がにじむ現象。強い光が当たった部分に起こる。光滲。→ハレーション。
②放射線を照射すること。
イラショナル【irrational】
不合理なさま。非合理的。↔ラショナル
いら・す【貸す】
〔他四〕
貸かす。利息をとって貸す。天武紀下「中戸なかのへより以下しもつかたに―・し与たまふべし」。日本霊異記中「酒を作り利うまわしを―・す」↔借いらう
イラスト
イラストレーションの略。特に、見て楽しく誇張・変形した絵についていう。
⇒イラスト‐マップ
イラスト‐マップ
(和製語)旅行案内などの絵地図。
⇒イラスト
イラストレーション【illustration】
さし絵。図解。→イラスト
イラストレーター【illustrator】
挿絵画家。宣伝美術家。
いらず‐やま【不入山】
入ると出られなくなるとして、入ることを忌む山。
いら‐せ‐ら・れる
〔自下一〕[文]いらせら・る(下二)
①「入る」の尊敬語。お入りになる。
②「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語。おいでになる。いらっしゃる。
いら‐たか【苛高・刺高】
(イラダカとも)
①かどだっていること。
②刺高数珠の略。
⇒いらたか‐じゅず【刺高数珠】
いらたか‐じゅず【刺高数珠】
珠が平たくて角の高い数珠。多く修験者の用いるもので、もめば高い音を出す。いらたかずず。太平記2「―をさらさらと押しもみて」
⇒いら‐たか【苛高・刺高】
いら‐だたし・い【苛立たしい】
〔形〕[文]いらだた・し(シク)
思い通りにならず、落ち着いていられない感じである。心がいらいらするさまである。
いら‐だ・つ【苛立つ】
[一]〔自五〕
気がいらいらする。じれったくなる。「神経が―・つ」
[二]〔他下二〕
⇒いらだてる(下一)
いら‐だ・てる【苛立てる】
〔他下一〕[文]いらだ・つ(下二)
気をたかぶらせる。いらいらさせる。
いらち【苛ち】
(京阪で)性急で落着きのないさま。また、そのような人。
いら・つ【苛つ】
[一]〔自四〕
いらいらする。いらだつ。謡曲、熊坂「―・つて熊坂早足さそくをふみ」
[二]〔他下二〕
いらだたせる。せかす。太平記4「探使襲来して―・てければ」
いら‐つ‐きみ【郎君】
(→)「いらつこ」に同じ。↔いらつひめ
いら‐つ・く【苛つく】
〔自五〕
あせっていらいらする。いらだつ。「仕事がはかどらないので―・く」
いら‐つ‐こ【郎子】
(イラは同母の意のイロと同源の接頭語)若い男子を親しんでいう語。応神紀「
道稚郎子うじのわきいらつこ」↔いらつめ
いらっ‐しゃい
(イラッシャルの命令形)人の訪ねて来た時に挨拶に用いる語。よくいらっしゃったの意。
いらっ‐しゃ・る
〔自五〕
(イラセラルの転)
①「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語。
②(用言に「て」「で」の付いたものに接続して)「…ている」「…である」などの尊敬語。「先生は御多忙で―・います」
いら‐つ‐ひめ【郎姫】
(→)「いらつめ」に同じ。雄略紀「
幡姫たくはたのいらつひめ」↔いらつきみ
いら‐つ‐め【郎女・女郎】
(イラはイロ(同母)と同源の接頭語)若い女子を親しんでいう語。〈景行紀訓注〉↔いらつこ
いら‐な・し
〔形ク〕
①きわだって甚だしい。ことごとしい。大和物語「候ふ人々も―・くなむ泣きあはれがりける」
②あらあらしい。強い。宇津保物語藤原君「天の下の―・き軍士いくさなりとも打ち勝ちなむや」
③鋭い。宇治拾遺物語10「―・き太刀をみがき」
いら‐ぬ【入らぬ・要らぬ】
(ヌは打消の助動詞)不要の。余計な。「―お世話」
いらぼ【伊羅保】
(表面がざらついているからいう)李朝時代の朝鮮焼の茶碗。
いら‐ぼし【苛星】
かぶとの星の先のとがったもの。
いら‐むし【刺虫】
イラガの幼虫。〈[季]秋〉
イラムシ
撮影:海野和男
いら‐め・く【苛めく】
〔自四〕
かど張って見える。宇治拾遺物語11「胸骨はことにさし出でて―・き」
いらら・ぐ【苛ぐ】
(イララクとも)
[一]〔自四〕
①とがる。かどだつ。落窪物語2「顔つきただ駒のやうに、鼻―・きたること限りなし」
②鳥肌が立つ。源氏物語橋姫「寒げに―・きたる顔して」
[二]〔他下二〕
とがらせる。かどだてる。落窪物語2「鼻の穴よりは人通りぬべく吹き―・げて」
いら・る【苛る・焦らる】
〔自下二〕
いらいらする。気をもむ。落窪物語1「おきふし泣き―・るれば、仕ふ人も安からず見る」
いられ‐がま・し【苛れがまし】
〔形シク〕
いらいらしている感じである。源氏物語胡蝶「―・しきわびごとどもを書き集め給へる御文を」
イラワジ【Irrawaddy】
ミャンマー中央部を南流する川。チベットに発源、アンダマン海に注ぐ。長さ2090キロメートル。エーヤーワディ。
い‐らん【恚乱】
うらみ怒ってとりみだすこと。
い‐らん【違乱】ヰ‥
①法に違たがい秩序を乱すこと。
②混乱すること。
③苦情をのべること。日葡辞書「コノギイランアルナ」
イラン【伊蘭】
(梵語eraṇḍa)トウダイグサ科トウゴマ属の植物。悪臭を発するので、香気ある栴檀せんだんに対して、煩悩ぼんのうにたとえる。
イラン【Iran】
西南アジア、カスピ海の南に位置するイスラム共和国。旧称ペルシア。1935年改称。79年までは王制。砂漠・荒地が多い。世界屈指の産油国。住民の大半はペルシア人でイスラム教シーア派を信じ、公用語は現代ペルシア語。面積163万3000平方キロメートル。人口6748万(2004)。首都テヘラン。→西アジア(図)。
テヘラン
撮影:田沼武能
⇒イラン‐イラク‐せんそう【イランイラク戦争】
⇒イラン‐かくめい【イラン革命】
⇒イラン‐ご【イラン語】
⇒イラン‐こうげん【イラン高原】
⇒イラン‐ごは【イラン語派】
⇒イラン‐コントラ‐じけん【イランコントラ事件】
イラン‐イラク‐せんそう【イランイラク戦争】‥サウ
1980年から88年にわたるイラン・イラク間の戦争。イラクがイラン国内に侵入して開戦。両国の国境紛争であるとともに、イラン革命への介入という側面があった。
イラク軍による化学兵器による負傷の為来日したイラク軍民兵 1984年(東京女子医大病院)
提供:毎日新聞社
⇒イラン【Iran】
イラン‐かくめい【イラン革命】
ホメイニらを指導者として1978年に勃発し翌年にパフレヴィー王朝を倒した革命。イラン‐イスラム共和国が成立。
⇒イラン【Iran】
イラン‐ご【イラン語】
(Iranian)狭義にはイランで公用語として用いられる現代ペルシア語。広義にはイラン・アフガニスタンを中心にイラク・シリア・パキスタンにかけて用いられているイラン諸語。ペルシア語のほかにダリー語・クルド語・パシュトー語・オセット語など。
⇒イラン【Iran】
イラン‐こうげん【イラン高原】‥カウ‥
西アジア、イラン主要部からパキスタン・アフガニスタンに広がる高原。カナートによる灌漑農業が発達。
⇒イラン【Iran】
イラン‐ごは【イラン語派】
インド‐ヨーロッパ語族の一語派。古代ペルシア語・アヴェスタ語・近代イラン語など。インド‐アーリア語派とまとめてインド‐イラン語派と呼ぶことがある。
⇒イラン【Iran】
イラン‐コントラ‐じけん【イランコントラ事件】
(Iran-Contra Affairs)1980年代、レーガン政権期の米国政府が、当時敵対していたイランに秘かに禁輸武器を売却し、その代金でニカラグアの反左翼・反政府ゲリラ組織コントラを支援していた事件。イランゲート事件。
⇒イラン【Iran】
いり【入り】
①入ること。「土俵―」「鳴り物―」
②日や月が沈むこと。「日の―」
③(沖縄で)西。
④(「要り」とも書く)いりよう。入費。ものいり。「―がかさむ」
⑤収入。あがり。「―をはかる」
⑥人や物のはいる量。「芝居の―がわるい」
⑦特定の期間の最初の日。「彼岸の―」
いり【圦】
土手の下などに樋ひを埋めて、水の出入りを調節するもの。水門。
い‐り【委吏】ヰ‥
[孟子万章下]中国で、米穀の出納をつかさどった官吏。
い‐り【遺利】ヰ‥
とりのこされた利益。
イリ【伊犁】
(Ili)中国新疆ウイグル自治区の北西地域。古来、遊牧民の拠った地、すなわち、漢・魏時代の烏孫、唐代の西突厥の住地。チャガタイ‐ハン国の中心。現住民はカザフ族・ウイグル族など少数民族が多い。土壌は肥沃で、農業・牧畜に適する。
いり‐あい【入会・入相・入合】‥アヒ
一定地域の住民が特定の権利をもって一定の範囲の森林・原野に入り、木材・薪炭・まぐさ等を採取するなど共同利用すること。「―漁業」
⇒いりあい‐けん【入会権】
⇒いりあい‐ち【入会地】
いり‐あい【入相】‥アヒ
①日の入る頃。夕暮。「いりやい」とも。伊勢物語「今日の―ばかりに絶え入りて」
②「入相の鐘」の略。源氏物語澪標「山寺の―の声々にそへても」
⇒いりあい‐どき【入相時】
⇒いりあい‐の‐かね【入相の鐘】
いりあい‐けん【入会権】‥アヒ‥
入会地を利用する権利。
⇒いり‐あい【入会・入相・入合】
いりあい‐ち【入会地】‥アヒ‥
一定の人々のあいだで入会の権利が設定されている山野・漁場など。
⇒いり‐あい【入会・入相・入合】
いりあい‐どき【入相時】‥アヒ‥
夕暮れ時。日没時。
⇒いり‐あい【入相】
いりあい‐の‐かね【入相の鐘】‥アヒ‥
日暮に寺でつく鐘。晩鐘。拾遺和歌集哀傷「山寺の―の声ごとに今日も暮れぬと聞くぞ悲しき」
⇒いり‐あい【入相】
いり‐あ・げる【入り揚げる】
〔他下一〕
(→)「いれあげる」に同じ。
イリアス【Ilias】
古代ギリシアの長編叙事詩。「オデュッセイア」と共にホメロス作と伝える。24巻。10年間にわたるトロイア戦争中の数十日間の出来事を描いたもので、アキレスの怒りを主題とし、トロイア・ギリシア両軍の戦況の推移を描く。英語名イリアッド。
イリアッド【Iliad】
イリアスの英語名。
いり‐あや【入綾】
舞楽で、舞終了後の退出作法。舞楽曲の中心となる当曲とうきょくを舞い終わり、同じ曲が反復演奏(重吹しげぶき)される中を舞人は中央に縦1列になり、その曲の舞の手を続けながら順次退出する。入舞いりまい。
いり‐あられ【炒霰】
采の目に切った青・赤・白の餅を炒って砂糖をまぶしたもの。雛祭に供える。
いり‐あわ・す【入り合す】‥アハス
〔他四・下二〕
(→)「いれあわす」に同じ。
イリーガル【illegal】
非合法的なこと。違法なこと。
イリイチ【Ivan Illich】
オーストリア生れの思想家。メキシコを拠点に、現代の医療制度や学校制度に焦点をあてて産業社会批判・文明批判を展開。著「脱学校の社会」「脱病院化社会」「シャドウ‐ワーク」など。(1926〜2002)
イリイチ
提供:ullstein bild/APL
いり‐いり【煎煎】
(女房詞)大豆をいったもの。
いり‐うど【入人】
(イリビトの音便)
①(「入夫」とも書く)いりむこ。
②他村から寄留した者。
いり‐うみ【入海】
陸地に入り込んだ海。湾。
いり‐え【入江】
湖または海が陸地に入り込んだ部分。「―に停泊する」
いりえ【入江】
姓氏の一つ。
⇒いりえ‐たいきち【入江泰吉】
⇒いりえ‐たかこ【入江たか子】
⇒いりえ‐はこう【入江波光】
いり‐え【入縁】
(「入家」とも書く)いりむこ。婿養子。好色五人女5「一門より似合はしき―取ること」
いりえ‐たいきち【入江泰吉】
写真家。奈良市生れ。奈良・大和の風物・仏閣・仏像を撮る。代表作「万葉大和路」「仏像の表情」。(1905〜1992)
入江泰吉
提供:毎日新聞社
⇒いりえ【入江】
いりえ‐たかこ【入江たか子】
映画女優。本名、東坊城英子。東京生れ。サイレント時代の「生ける人形」「滝の白糸」をはじめ、「良人の貞操」「藤十郎の恋」などに出演した、戦前を代表するスター。(1911〜1995)
⇒いりえ【入江】
いりえ‐はこう【入江波光】‥クワウ
日本画家。名は幾治郎。京都生れ。国画創作協会同人。仏教的主題の作品が多い。法隆寺金堂壁画の模写にも尽力。(1887〜1948)
⇒いりえ【入江】
いり‐えん【入縁】
①いりむこ。いりえ。
②先方から申込みのあった縁談。
いり‐おう【入王】‥ワウ
将棋で、(→)入玉にゅうぎょくに同じ。
いりおもて【西表】
沖縄県南西部、八重山諸島の島。石垣島の西にある。面積289平方キロメートル。広く亜熱帯原生林におおわれる。
⇒いりおもて‐いしがき‐こくりつこうえん【西表石垣国立公園】
⇒いりおもて‐やまねこ【西表山猫】
いりおもて‐いしがき‐こくりつこうえん【西表石垣国立公園】‥ヱン
西表島・石垣島を中心とし、周囲の竹富島・黒島などの小島を含む国立公園。亜熱帯原生林と珊瑚礁に富む。
⇒いりおもて【西表】
いりおもて‐やまねこ【西表山猫】
ネコ科の哺乳類。イエネコよりやや大形で、頭胴長約60センチメートル、尾長20センチメートル。暗褐色の地色に縦列の黒斑がある。頭骨などに原始的な特徴がある。沖縄県西表島だけに生息、1965年に発見。特別天然記念物。
イリオモテヤマネコ
提供:東京動物園協会
イリオモテヤマネコ
提供:NHK
⇒いりおもて【西表】
いり‐おんじょう【入り音声】‥ジヤウ
舞楽で、舞人が舞いながら退場しようとする時の奏楽。
いり‐か【入費】
にゅうひ。かかり。〈和英語林集成初版〉
いり‐がく【入角】
〔建〕
⇒いりすみ
いり‐かげん【入り加減】
①はいっている程度、分量。
②湯などの、はいるのに適度なころあい。はいりかげん。浮世風呂前「げにも朝湯の―」
いり‐がし【炒菓子】‥グワ‥
米・豆などに砂糖を加えて炒った菓子。
いり‐かせぎ【入り稼ぎ】
他所から入りこんで稼ぐこと。
いり‐がた【入り方】
日や月などの沈もうとするころ。源氏物語桐壺「月は―の、空清う澄みわたれるに」
いり‐かど【入り門】
いりくち。戸ぐち。
いり‐がね【入り金】
収入金。所得の金銭。
いり‐かや【炒榧】
カヤの果実を炒って作った菓子。
いり‐がら【炒殻】
①クジラの脂身を細く切り、炒って脂を取り、乾かした食品。
②おからを炒って、味を添えたもの。
いり‐がわ【入側】‥ガハ
①建物の外周から1間入った柱筋。
②座敷と外縁側との間にある1間幅の通路・縁側。
いり‐がわら【炒瓦】‥ガハラ
いりなべ。ほうろく。
いり‐かわり【入り替り】‥カハリ
(→)「いれかわり」に同じ。
⇒いりかわり‐たちかわり【入り替り立ち替り】
いりかわり‐たちかわり【入り替り立ち替り】‥カハリ‥カハリ
(→)「いれかわりたちかわり」に同じ。
⇒いり‐かわり【入り替り】
いり‐かわ・る【入り替わる・入り代わる】‥カハル
〔自五〕
(→)「いれかわる」に同じ。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「外道の悪念魂に―・り」
いり‐きって【入切手】
「出切手できって」参照。
いり‐くさ【入草】
鷹に追われて、鳥が隠れる草やぶ。〈日葡辞書〉
いり‐ぐち【入口】
(イリクチとも)
①はいり口。
②(比喩的に)物事のしはじめ。最初の段階。端緒。「学問の―」
いり‐くみ【入組み】
いりくむこと。事件の紛糾。日葡辞書「チギャウ(知行)ノイリクミ」
いり‐く・む【入り組む】
〔自五〕
物事が互いにからみあって複雑になる。こみいる。「―・んだ話」「―・んだ路地」
いりくり‐うた【入り繰り歌】
ひねくりまわし過ぎてぎこちなく、情も言葉も整わない歌。毎月抄「いりほがの―」
いり‐こ【炒子】
小さな雑魚ざこを炒って干したもの。いりじゃこ。いりぼし。
いり‐こ【炒粉】
①米の粉を炒ったもの。菓子だねにする。
②むぎこがし。
いり‐こ【海参・煎海鼠】
ナマコの腸をとり去り、ゆでて干したもの。平安初期から調物ちょうもつとされ、近世には中国に輸出された。中国料理の高級材料としても珍重。ほしこ。〈倭名類聚鈔19〉
いり‐ご【揺子】
砕米くだけまいの更に細かいもの。糯米もちごめをまぜて餅や団子を作る。
いり‐ごい【煎鯉】‥ゴヒ
鯉の身を煎酒でさっと煎ったもの。煎った鯉の卵を身にまぶしつける。
いり‐こさく【入小作】
江戸時代、他村からはいって来て小作すること。また、その人。いりさく。↔出小作でこさく
いり‐こぶ【炒昆布】
炒るか油で揚げるかした昆布。
いり‐ごま【炒胡麻】
炒った胡麻。
いり‐ごみ【入込み】
①多人数入りまじること。
②劇場などで、多人数がいっしょに入る席。大衆席。おいこみ。
③男女が混浴すること。また、その浴場。
④嫁入りのこと。
いり‐こ・む【入り込む】
〔自五〕
①無理にはいる。おしわけてはいる。
②潜入する。
③いりくむ。こみいる。
いり‐ごめ【炒米】
炒った米。
いり‐さく【入作】
江戸時代、村内の耕地を他村の居住者が耕作すること。また、その人。↔出作でさく
いり‐ざけ【煎酒】
①酒を煮つめたもの。
②酒に鰹節・梅干・炒塩・醤油などを加えて煮つめて漉したもの。刺身・膾なますなどの味付け用。錦之裏「―のにほひ、鼻をつらぬき」
いり‐ざこ【煎雑魚】
雑魚を煎ったもの。
イリジウム【iridium】
(ギリシア語のiris(虹)から)白金族元素の一種。元素記号Ir 原子番号77。原子量192.2。銀白色の金属で、耐酸性に富み、溶けにくく、硬度が高く、膨張率が小さい。触媒、白金と合金にして万年筆のペン先、理化学器械の製作などに用いる。
いり‐しお【入潮】‥シホ
①引き潮。続古今和歌集冬「―遠く千鳥鳴くなり」↔出潮いでしお。
②満ちて入ってくる潮。差し潮。満ち潮。玉葉集雑「浦荒れて風よりのぼる―におろさぬ舟ぞ浪に浮きぬる」
いり‐じお【炒塩】‥ジホ
いった塩。焼き塩。
いり‐しごと【入仕事】
手間賃を取ってする仕事。入手間いりでまでする仕事。いり。
いり‐し・める【入り染める】
〔自下一〕
入ってよく馴れる。東海道中膝栗毛初「―・めて見ると熱くはねえ」
イリ‐じょうやく【伊犁条約】‥デウ‥
1881年、ロシアと清国との間に結ばれた条約。イリ地方の国境を定め新疆全土をロシア貿易に開放することを約した。サンクト‐ペテルブルグ条約。
イリス【Iris ギリシア】
〔神〕
⇒アイリス1
いり‐すみ【入角・入隅】
〔建〕壁・板などが或る角度をもって出会う所の内方の隅。いりがく。↔出角ですみ
いり‐ずみ【炒炭】
火にあぶって湿気を去り、火のつきやすいようにした炭。
いり‐だい【煎鯛】‥ダヒ
鯛の身を煎酒でさっと煎ったもの。
いり‐たち【入立ち】
皇居の台盤所だいばんどころに参入することを許されること。また、その人。簾中入立れんちゅういりたち。
いり‐た・つ【入り立つ】
〔自四〕
①はいりこむ。古事記下「臣おみの子の八重の柴垣―・たずあり」
②親しく出入りする。親しく交際する。源氏物語蜻蛉「大将の君は、いとさしも―・ちなどし給はぬほどにて」
③物事に深く立ち入る。通じる。徒然草「何事も―・たぬさましたるぞよき」
いり‐だね【炒種】
米・糯粟もちあわなどを蒸して挽き割って炒った粒種。おめで糖・おこしなどの材料。
いり‐たまご【煎玉子・炒卵】
溶きほぐして調味した鶏卵を煎りつけた料理。
いり‐ちが・う【入り違う】‥チガフ
[一]〔自五〕
(→)「いれちがう」に同じ。
[二]〔他下二〕
⇒いりちがえる(下一)
いり‐ちが・える【入り違える】‥チガヘル
〔他下一〕[文]いりちが・ふ(下二)
(→)「いれちがえる」に同じ。
いり‐ちょう【入帳】‥チヤウ
商家などで収入関係の事項を記す帳簿。世間胸算用3「―の銀高かねだか積りて」
いり‐つ・ける【煎り付ける】
〔他下一〕[文]いりつ・く(下二)
水気のなくなるまで煮つめる。焦げるほどに熱する。「ぎんなんを―・ける」
いりでっぽう‐でおんな【入鉄砲出女】‥パウ‥ヲンナ
江戸幕府が、江戸に入る鉄砲と江戸から出る女性を箱根などの関所で特に厳重に改めたこと。謀反を警戒して武器の流入と諸大名の妻女の脱出を防ぐため行なった。
いり‐でま【入手間】
手間仕事の賃銭。いれでま。
いり‐と【入頭】
宮座の頭とう仲間に入ること。
いり‐どうふ【煎豆腐】
豆腐をゆでてから水気を去り、味を加えて煎りつけたもの。
イリドスミン【iridosmine】
イリジウムとオスミウムとの合金。天然にも産する。硬度・耐食性が高く、万年筆のペン先などに使用。オスミリジウム。
いり‐とり【煎鳥】
鳥肉を醤油・砂糖・味醂などで味つけして煎りつけたもの。広津柳浪、河内屋「不漁しけで何にも出来ないと申しますんですがね、―か何か其様物では如何で御在ませうねえ」
いり‐どり【入り取り】
人家に押し入り物品を奪い取ること。また、その者。平家物語8「京中には源氏みちみちて、在々所々に―多し」
いり‐なべ【炒鍋】
肉・豆・野菜などを炒るのに用いる浅い鉄製の鍋。土製のものもある。ほうろく。
いり‐に【入荷】
①送りとどけられて来た荷物。
②倉などに積み入れられている荷物。
いり‐に【炒煮】
油でいためてから煮る調理法。
いり‐の【入野】
入り込んだ野。万葉集14「草枕多胡たごの―の奥も悲しも」
いりの【入野】
姓氏の一つ。
⇒いりの‐よしろう【入野義朗】
イリノイ【Illinois】
アメリカ合衆国中部の州。州都スプリングフィールド。交通・運輸の要地で、農業・工業が発達。→アメリカ合衆国(図)
いり‐のう【入能】
能の上演に際し、予定番組にない臨時に組み入れた演目。
いりの‐よしろう【入野義朗】‥ラウ
作曲家。ウラジヴォストーク生れ。第二次大戦後、日本で初めて十二音技法による音楽を作曲。現代音楽祭の運営、音楽教育にも貢献。(1921〜1980)
⇒いりの【入野】
いり‐は【入端】
①舞踊的な芸能で、諸役の退場の場面。また、その音楽・歌・踊りなど。反対に、登場をいう場合もある。三道「夫婦・兄弟などの尋ね逢ふ所を結びて、―にして入る事あり」↔出端では。
②能で、2場構成の演目の後場をさす古用語。
いり‐はま【入浜】
満潮面より低い海岸に海水を流入して行う製塩法。揚浜あげはまを改良したもので、江戸初期から行われた。→揚浜。
⇒いりはま‐けん【入浜権】
いりはま‐けん【入浜権】
海浜・海岸に立ち入り、景観を楽しみ、海水浴や魚介類の採取などのレクリエーションを享受できる権利。
⇒いり‐はま【入浜】
いり‐ひ【入り日】
夕暮に西に沈もうとする太陽。また、その光。落日。万葉集1「わたつみの豊旗雲に―見し」
⇒いりひ‐かげ【入日影】
いり‐ひ【圦樋】
水を引き入れ、または吐き出すために設けた水門の樋。樋口。
いりひ‐かげ【入日影】
夕日の光。曠野「涼しさよ夕立ながら―」(去来)
⇒いり‐ひ【入り日】
いり‐びたり【入り浸り】
いりびたること。
いり‐びた・る【入り浸る】
〔自五〕
①水の中にずうっとつかる。
②自宅以外の場所に居つづけて帰らない。また、ひんぱんに行く。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「年中くるわへ―・り」。「碁会所に―・る」
いり‐びゃくしょう【入百姓】‥シヤウ
江戸時代、他村から転入した農民の称。
いり‐ふ・す【入り臥す】
〔自四〕
①入って臥す。枕草子312「夜行し細殿などに―・したる」
②ある状態に入りきる。没入する。毎月抄「心をすまして、その一境に―・してこそ」
いり‐ふね【入り船】
港にはいって来る船。↔出船でふね。
⇒いりふね‐つなぎ【入船繋ぎ】
⇒いりふね‐ほっけ【入船祝】
いり‐ふね【炒船】
瀬戸内海の鰯網いわしあみ漁業などに付随し、船中に釜を据え、とれた鰯をゆがいた加工船。いりやぶね。
いりふね‐つなぎ【入船繋ぎ】
舳先へさきを陸へ向けて船をつなぐこと。↔出船繋ぎ。
⇒いり‐ふね【入り船】
いりふね‐ほっけ【入船祝】
(ホッケはホカヒ(祝)の転。壱岐地方で)航海を終えて帰港した際の祝宴。
⇒いり‐ふね【入り船】
いり‐べ【入部】
子代こしろ・名代なしろの民。
いり‐ほが【鑿・入穿】
①和歌などで、たくみ過ぎていやみに落ちること。八雲御抄「ことばの―とは、例へば、霧の有明、風の夕暮、露ふけて、雲たけて、などいふ風情なり」
②せんさくし過ぎて的まとをはずれること。うがちすぎ。
いり‐ほが・し【鑿し・入穿し】
〔形シク〕
せんさくがましい。狂言、酒講式「余りに余りに―・し」
いり‐ぼし【熬乾・炒干】
小魚を炒ってほしたもの。いりこ。だしこ。こわいじゃこ。いりじゃこ。
いり‐まい【入米】
(米の収入の意か)収入。みいり。訛って入前いりまえともいう。浄瑠璃、心中宵庚申「身の―は上田の田畠の世話をやきやめば」
いり‐まい【入舞】‥マヒ
①(→)入綾いりあやに同じ。
②転じて、物事の終り。源平盛衰記28「世既に至極せり、―にや」
いり‐まえ【入前】‥マヘ
①(→)「いりまい(入米)」に同じ。
②ものいり。生活費。浮世草子、新可笑記「親のなき人は―案じ」
いり‐まじ・る【入り交じる・入り雑じる】
〔自五〕
さまざまのものがまざり合う。入りこんで区別がつかなくなる。「敵味方―・る」「怒りと悲しみの―・った表情」
いり‐ます【入枡】
小作米の付加米。
いり‐まめ【炒豆】
①大豆を炒ったもの。
②まめいり。
⇒炒豆に花
[漢]甍🔗⭐🔉
甍 字形
〔瓦部10画/15画/6516・6130〕
〔音〕ボウ〈バウ〉(漢)
〔訓〕いらか
[意味]
屋根のむながわら。いらか。「甍宇」
〔瓦部10画/15画/6516・6130〕
〔音〕ボウ〈バウ〉(漢)
〔訓〕いらか
[意味]
屋根のむながわら。いらか。「甍宇」
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