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さい‐さい【騒騒】サヰサヰ🔗🔉

さい‐さい騒騒サヰサヰ 物の動揺しさわぐさまの形容。ざわざわ。さえさえ。万葉集4「珠衣たまきぬの―しづみ」

さいさい・し【騒騒し】サヰサヰ‥🔗🔉

さいさい・し騒騒しサヰサヰ‥ 〔形シク〕 ざわざわと鳴るさまである。源氏物語初音「光もなく黒き掻練かいねりの―・しく張りたる一かさね」

さえ‐さえ【騒騒】サヱサヱ🔗🔉

さえ‐さえ騒騒サヱサヱ (→)「さいさい(騒騒)」に同じ。

さ‐だ・つ【騒立つ】🔗🔉

さ‐だ・つ騒立つ】 〔自四〕 騒ぎたてる。騒がしくなる。ごたごたする。浄瑠璃、卯月潤色「内の―・つも見て取つた」

さわがし・い【騒がしい】🔗🔉

さわがし・い騒がしい】 〔形〕[文]さわが・し(シク) (動詞サワグの形容詞形) ①物音や声などがやかましい。人がたくさんこみあっている。騒々しい。宇津保物語楼上下「神いと―・しくなりひらめきて」。源氏物語柏木「馬・車たちこみ、人―・しうさわぎみちたり」。「場内が―・くなる」 ②事が多い。いそがしい。とりこんでいる。源氏物語賢木「いと―・しき程なれど御返りあり」 ③心が落ちつかない。今昔物語集31「―・しく、もの念じせざらむ人は必ずかく弊つたなきなり」 ④穏やかでない。平穏でない。(物情騒然たる状態や疫病流行などについていうことが多い)源氏物語明石「おほきおとど亡せ給ひぬ。ことわりの御よはひなれど、次々におのづから―・しき事あるに、大宮もそこはかとなう煩ひ給ひて」。「世の中が―・い」 ⑤ごたごたしている。乱雑である。三冊子「書き様はいろいろあるべし。ただ―・しからぬ心づかひありたし」

さわが・せる【騒がせる】🔗🔉

さわが・せる騒がせる】 〔他下一〕[文]さわが・す(下二) 騒がしい状態にする。混乱した状態にする。「世間を―・せた事件」「胸を―・せる」

さわが‐れ【騒がれ】🔗🔉

さわが‐れ騒がれ】 さわがれること。とやかくやかましく言われること。源氏物語総角「御―にこそはおはすなれ」

さわがわ・し【騒がはし】サワガハシ🔗🔉

さわがわ・し騒がはしサワガハシ 〔形シク〕 「さわがしい」に同じ。新撰字鏡10「怓、大乱、佐和加波志」

さわぎ【騒ぎ】🔗🔉

さわぎ騒ぎ】 (奈良時代には清音) ①さわぐこと。さわがしいこと。また、人々を騒がせるような事件。混雑。取りこみ。「―が起きる」「けんか―」 ②騒乱。騒動。戦乱。大和物語「純友が―の時」 ③遊びさわぐこと。万葉集11「ますらをは友の―に慰もる心もあらめ」 ④酒宴の席でにぎやかに遊ぶこと。遊興。日本永代蔵2「―は両色里の太鼓に本粋になされ」 ⑤(下に打消の語を伴って)そんな程度の事柄。「寒いどころの―ではない」 ⇒さわぎ‐うた【騒ぎ唄】 ⇒さわぎ‐なかま【騒ぎ仲間】 ⇒さわぎ‐びと【騒ぎ人】

さわぎ‐うた【騒ぎ唄】🔗🔉

さわぎ‐うた騒ぎ唄】 ①遊里で、三味線・太鼓を用いて歌うにぎわしい歌。元禄頃に流行。 ②下座音楽の一つ。大鼓・小鼓・太鼓に唄や三味線が入り、揚屋の騒ぎなどの時に用いるもの。 ⇒さわぎ【騒ぎ】

さわぎ‐た・つ【騒ぎ立つ】🔗🔉

さわぎ‐た・つ騒ぎ立つ】 〔自四〕 騒ぎはじめる。また、さかんに騒ぐ。

さわぎ‐た・てる【騒ぎ立てる】🔗🔉

さわぎ‐た・てる騒ぎ立てる】 〔自下一〕 大さわぎする。「マスコミが―・てる」

さわぎ‐なかま【騒ぎ仲間】🔗🔉

さわぎ‐なかま騒ぎ仲間】 遊蕩仲間。好色五人女3「折ふし洛中に隠れなき―の男四天王」 ⇒さわぎ【騒ぎ】

さわぎ‐びと【騒ぎ人】🔗🔉

さわぎ‐びと騒ぎ人】 遊蕩の客。男色大鑑「今の世の―の気の毒とぞなれる」 ⇒さわぎ【騒ぎ】

さわ・ぐ【騒ぐ】🔗🔉

さわ・ぐ騒ぐ】 〔自五〕 (奈良時代にはサワクと清音。サワは擬態語。クはそれを動詞化する接尾語) ①やかましく声を立てる。ざわざわと音をたてる。騒々しく動く。万葉集6「み吉野の象山きさやまのまの木末こぬれにはここだも―・く鳥の声かも」「朝風に浦波―・き夕浪に玉藻は来寄る」。宇津保物語梅花笠「山に―・ぐ鹿」。「波が―・ぐ」「酒を飲んで―・ぐ」 ②忙しく立ち働く。万葉集1「もののふの八十宇治川に玉藻なす浮べ流せれそを取ると―・く御民も家忘れ」 ③ただならぬ動きを見せる。騒動がおこる。景行紀「東夷あずまのひな多に叛きて、辺境ほとりのくに騒動さわきとよむ」。平家物語2「小松殿に―・ぐ事ありと聞えしかば」。「会場で―・ぐ気配がある」 ④不平をいう。苦情をいう。やかましく抗議する。源氏物語紅葉賀「宮はその頃まかで給ひぬれば、例のひまもやと窺ひありき給ふをことにて大殿には―・がれ給ふ」 ⑤心が動揺する。思い乱れる。源氏物語紅葉賀「あらだちし波に心は―・がねど寄せけむ磯をいかがうらみぬ」。源氏物語夕顔「頭中将を見給ふにもあいなく胸―・ぎて」 ⑥あわてふためく。うろたえる。枕草子142「うちたゆみたる舞人…ものにあたるばかり―・ぐも、いといと物ぐるほし」。「火急の場合にも―・ぐな」 ⑦あれこれと取沙汰する。また、もてはやす。評判にする。大和物語「この―・がれし女のせうとどもなどなむ、人のわざしに山に登りたりける」。「世間が―・ぐ事件」 ⑧酒宴などでにぎわしく歌舞音曲をする。遊興する。松の葉3「やつこりやこりやこりや飲めさ、嫌ださ、ぞめき―・ぎし有様を」

さわ‐さわ【騒騒】🔗🔉

さわ‐さわ騒騒】 ①騒がしく音を立てるさま。古事記「口大の尾翼鱸おはたすずき―に引き寄せあげて」 ②物などが軽くふれて鳴る音。 ③不安なさま。落ちつかないさま。浄瑠璃、心中重井筒「聞くより胸も―と」

ざわ‐ざわ【騒騒】🔗🔉

ざわ‐ざわ騒騒】 ①草木の葉や水などが揺れ動き触れ合って立てる連続音。また、そのさま。「風で木々が―と鳴る」 ②大勢の人の声や身動きする音が混じり合って聞こえる騒音。大勢の人が動揺して落着きのないさま。「場内が―する」 ③嫌悪感・不快感・高熱などで悪寒がしたり心が乱れ騒いだりするさま。「―と鳥肌が立つ」

さわ‐だ・つ【騒立つ】🔗🔉

さわ‐だ・つ騒立つ】 〔自四〕 (ザワダツとも)さわがしくなる。さわぎはじめる。

ざわ‐つ・く【騒つく】🔗🔉

ざわ‐つ・く騒つく】 〔自五〕 ①そわそわする。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「身は震ふ。胸も―・く」 ②ざわざわする。「会場が―・く」

ざわ‐めき【騒めき】🔗🔉

ざわ‐めき騒めき】 ざわめくこと。また、その騒音。「―が消える」

ざわ‐め・く【騒めく】🔗🔉

ざわ‐め・く騒めく】 〔自五〕 ざわざわする。「場内が―・く」

そう【騒】サウ🔗🔉

そうサウ 漢詩の一体。中国、戦国時代の楚辞の代表作「離騒」の形式に基づくもの。楚辞の体。騒体。

そう‐おん【騒音】サウ‥🔗🔉

そう‐おん騒音サウ‥ さわがしくやかましい音。また、ある目的にとって不必要な音、障害になる音。「―防止」「―公害」 ⇒そうおん‐きせい‐ほう【騒音規制法】 ⇒そうおん‐けい【騒音計】 ⇒そうおん‐レベル【騒音レベル】

そうおん‐きせい‐ほう【騒音規制法】サウ‥ハフ🔗🔉

そうおん‐きせい‐ほう騒音規制法サウ‥ハフ 工場・建設現場からの騒音や自動車騒音などを規制する法律。1968年制定。 ⇒そう‐おん【騒音】

そうおん‐けい【騒音計】サウ‥🔗🔉

そうおん‐けい騒音計サウ‥ 騒音の大きさを測る計器。→ホン⇒そう‐おん【騒音】

そうおん‐レベル【騒音レベル】サウ‥🔗🔉

そうおん‐レベル騒音レベルサウ‥ 騒音の大きさを評価する指標。音圧レベルを周波数特性によって補正したもの。単位はデシベル(dB)。 ⇒そう‐おん【騒音】

そう‐かく【騒客】サウ‥🔗🔉

そう‐かく騒客サウ‥ (「騒」は漢韻文の一体)詩人。風流人。騒人。

そうが・し【騒し】サウガシ🔗🔉

そうが・し騒しサウガシ 〔形シク〕 サワガシの転。能因本枕草子心にくきもの「うちたるきぬの鮮やかなるに、―・しうはあらで髪のふりやられたる」

そう‐がまし・い【騒がましい】サウ‥🔗🔉

そう‐がまし・い騒がましいサウ‥ 〔形〕 さわがしい。うるさい。歌舞伎、五大力恋緘「オヽオヽ何ぢや、―・い」

そう‐し【騒士】サウ‥🔗🔉

そう‐し騒士サウ‥ (「騒」は漢韻文の一体)文人。風流人。騒客。

そう‐じょう【騒擾】サウゼウ🔗🔉

そう‐じょう騒擾サウゼウ さわぎみだれること。騒動。擾乱。「―事件」 ⇒そうじょう‐ざい【騒擾罪】

そうじょう‐ざい【騒擾罪】サウゼウ‥🔗🔉

そうじょう‐ざい騒擾罪サウゼウ‥ 騒乱罪のこと。1995年刑法改正前の呼称。 ⇒そう‐じょう【騒擾】

そう‐じん【騒人】サウ‥🔗🔉

そう‐じん騒人サウ‥ [范仲淹、岳陽楼記](「騒」は漢韻文の一体)文人または詩人。風流を解する人。騒客。

そう‐ぜん【騒然】サウ‥🔗🔉

そう‐ぜん騒然サウ‥ がやがやとさわがしいさま。乱れて不穏なさま。「議場が―とする」「物情―」

そうぞう‐し・い【騒騒しい】サウザウシイ🔗🔉

そうぞう‐し・い騒騒しいサウザウシイ 〔形〕[文]さうざう・し(シク) さわがしい。やかましい。うるさく、不安で、落ちつかない。「―・い都会」「世の中が―・くなる」

そう‐どう【騒動】サウ‥🔗🔉

そう‐どう騒動サウ‥ ①多人数が乱れさわぐこと。平家物語7「廿二日の夜半ばかり、六波羅の辺おびたゝしう―す」。「上を下への大―」 ②非常の事態。事変。「米―」 ③もめごと。あらそい。「お家―」 ⇒そうどう‐うち【騒動打】

そう‐らん【騒乱】サウ‥🔗🔉

そう‐らん騒乱サウ‥ 事変が起こって世の中の騒ぎ乱れること。騒動。 ⇒そうらん‐ざい【騒乱罪】

そうらん‐ざい【騒乱罪】サウ‥🔗🔉

そうらん‐ざい騒乱罪サウ‥ 多人数が集合して、暴行・脅迫により一地方の平穏を害する罪。騒擾そうじょう罪。騒動罪。 ⇒そう‐らん【騒乱】 ○叢蘭茂からんと欲すれども秋風これを敗るそうらんしげからんとほっすれどもしゅうふうこれをやぶる [帝範2](「王者明らかならんと欲すれども讒人之を蔽おおう」と続き)叢蘭が芳しい花を開こうとしても秋風がこれを傷つけてしまうように、賢王がよい政治を行おうとしても悪臣がそれを妨げることにいう。 ⇒そう‐らん【叢蘭】

ぞめき【騒き】🔗🔉

ぞめき騒き】 (古くはソメキ) ①さわぐこと。さわぎ。六百番歌合「藻塩焼く海士あまのまくかたならねども恋の―もいとなかりけり」 ②うかれさわぐこと。特に、遊び人などが遊郭をひやかしさわぎ歩くこと。また、その客。浄瑠璃、心中天の網島「浮かれ―のあだ浄瑠璃」 ⇒ぞめき‐うた【騒き唄】 ⇒ぞめき‐がくもん【騒き学問】 ⇒ぞめき‐しゅう【騒き衆】 ⇒ぞめき‐すがた【騒き姿】 ⇒ぞめき‐ぶし【騒き節】 ⇒ぞめき‐もどり【騒き戻り】

ぞめき‐うた【騒き唄】🔗🔉

ぞめき‐うた騒き唄】 遊郭のぞめき客のうたう唄。ぞめきぶし。そそりぶし。 ⇒ぞめき【騒き】

ぞめき‐がくもん【騒き学問】🔗🔉

ぞめき‐がくもん騒き学問】 虚名をてらう学問。 ⇒ぞめき【騒き】

ぞめき‐しゅう【騒き衆】🔗🔉

ぞめき‐しゅう騒き衆】 遊郭をひやかして歩く連中。ひやかし。 ⇒ぞめき【騒き】

ぞめき‐すがた【騒き姿】🔗🔉

ぞめき‐すがた騒き姿】 騒いで浮かれ歩く時の姿。 ⇒ぞめき【騒き】

ぞめき‐ぶし【騒き節】🔗🔉

ぞめき‐ぶし騒き節】 遊郭のさわぎ唄。ぞめきうた。 ⇒ぞめき【騒き】

ぞめき‐もどり【騒き戻り】🔗🔉

ぞめき‐もどり騒き戻り】 郭くるわ遊びなどの帰り。 ⇒ぞめき【騒き】

ぞめ・く【騒く】🔗🔉

ぞめ・く騒く】 〔自四〕 (古くはソメク)騒ぐ。浮かれ騒ぎ歩く。好色二代男「―・きたがる若い者ども」

[漢]騒🔗🔉

 字形  筆順 〔馬部8画/18画/常用/3391・417B〕 [騷] 字形 〔馬部10画/20画/8159・715B〕 〔音〕ソウ〈サウ〉(漢) 〔訓〕さわぐ・さわがしい [意味] ①秩序なくあばれる。さわぐ。さわがしい。「騒動・騒乱・騒然・騒音・狂騒」 ②うれい。うれえる。「離騒」 ③中国戦国時代の詩人、屈原の詩「離騒」に始まる、悲哀の情を込めた韻文の一体。転じて、詩歌。風流。「風騒・騒人・騒客」 [解字] 形声。「馬」+音符「蚤」(=虫に刺されて、つめで搔き、いらいらする)。馬がいらだってさわぐ意。 [下ツキ 狂騒・喧騒・風騒・物騒・潮騒しおさい

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