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ちから【力】🔗🔉

ちから【力】 1 他に作用する筋肉などのはたらき。人や生物のもっている物理的なエネルギーの作用をいう。*宇津保‐内侍督「只今のちからの盛りなるをのこ」 2 人の精神的なはたらきをさしていう。気力。精神力。*万葉‐三九七二「出で立たむ知加良(チカラ)を無みとこもり居て」 3 物事に作用するはたらきかけや、その結果をさしていう。 ある目的に向かっての集中したはたらきかけ。骨折り。尽力。努力。*竹取「五穀(ごこく)を断ちて千余日に力をつくしたる事少なからず」何らかの期待をもって、よりどころとするもの。頼みとなるもの。「息子を力にする」*源氏‐夕霧「こなたにちからあるここちして慰めしだに世には心もゆかざりしを」あるはたらきかけをした影響、結果。おかげ。効果。ききめ。*源氏‐須磨「多く立てつる願のちからなるべし」 4 そなわっているさまざまな能力を具体的にさしていう。 総合的な能力。*平家‐一「国の力も衰へたれば」事に当たっての勢力。いきおい。*平家‐六「ちからつきぬとて、勇みののしる」身につけた才能。学力。学識。「語学の力が弱い」身につけた、地位や立場による威力。身につけた資財による勢力。「家を持つ力がない」 5 静止している物体が運動を開始し、等速運動している物体が加速度を生ずる原因となる作用。加速度を表すベクトルと質量との積に等しい。また、エネルギーまたは仕事率を表す語につけることもある。 ●力入(い)る 力がそのことにはいる。力がそのことに傾注される。 ●力及(およ)ばず 努力をしたが力が足りない。どうにもしかたがない。是非ない。*平家‐六「勅命なればちから不及」 ●力に余(あま)る 自分の力の及ぶ範囲を越える。手におえない。 ●力になる 頼みどころになる。助けとなる。人のためにほねをおる。尽力する。 ●力の=モーメント[=能率(のうりつ)] (モーメントは英moment)力が物体をある一点のまわりに回転させる効果を表す量。その点から力の作用線に下した垂線の長さと力の大きさとの積で表される。偶力。 ●力山を抜き気は世を蓋(おお)う (「史記‐項羽本紀」から)その力は山を引き抜くほど大きく、その盛んな意気は天下を一呑みにする勢いである。威勢がよく、意気が盛んなさまをいう。抜山蓋世(ばつざんがいせい)。 ●力を合(あ)わす 助けあって物事をする。一緒になって物事をする。 ●力を入(い)れる 1 力を込めてする。一所懸命になってする。ほねをおる。 2 他人のことに助力する。応援する。 ●力を落(お)とす 気力を急に失う。元気を失う。失望する。落胆する。 ●力を貸(か)す 手助けをする。助力する。 ●力を=立(た)つ[=込(こ)める] 力を特に強く入れる。*徒然草‐五三「ただ力をたてて引き給へ」 ●力を付(こ)ける 1 =ちからづける(力付) 2 学力や技量などが向上し、ゆるぎないものとなる。実力がつく。

日国 ページ 13336 での単語。