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〔格助〕体言を受け、その体言が下の体言の修飾にたつことを示す上代語。同様の連体格助詞に「の」「が」「つ」があるが、「な」はきわめて用法が狭く、上代すでに固定し、「たなごころ」「たなすえ」「まなかい」などのように語構成要素化していた。*万葉‐四〇〇六「美奈(ナ)門には白波高み」 〔間投助〕 1 (終助詞ともする)文末にあって体言、活用語の終止形、助詞などを受けて詠嘆を表す。*古事記‐中・歌謡「赤ら嬢子(をとめ)を誘(いざ)ささばよらし那(ナ)」*古今‐一一三「花の色はうつりにけりな」 2 文節末にあって調子を整えたり、軽く詠嘆の意を添えたりする。*古事記‐中・歌謡「うべ那(ナ)うべ那(ナ)君待ちがたに我が着(け)せる襲(おすひ)の裾に月立たなむよ」 〔終助〕 動詞・助動詞の未然形を受けて希望の意を表す上代語。 自己の行動に関しての希望、あるいはその実現の意志を表す。*万葉‐二一〇三「馬並めていざ野に行か奈(ナ)萩の花見に」他者の行動の実現を希望する。*仏足石歌「諸々救ひ済(わた)したまは奈(ナ)」 文末にあって動詞・助動詞の終止形(ラ変は連体形)を受け、禁止の意を表す。*書紀‐武烈即位前・歌謡「水(みな)そそく鮪(しび)の若子を漁(あさ)り出(づ)那(ナ)猪の子」*竹取「竜の首の玉取り得ずは帰り来(く)な」

日国 ページ 15123 での単語。