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よ‐の‐なか【世の中・世間】🔗🔉

よ‐の‐なか【世の中・世間】 この世に生きる人間の構成する社会。また、その社会でのさまざまな人間関係。 1 前世・来世に対して、現世。この世。仮の世。*万葉‐七九三「余能奈可(ヨノナカ)は空しきものと知る時し」 2 出家悟道の世界に対して、凡俗の住む世界。俗世。娑婆(しゃば)。*源氏‐宿木「いはけなかりし程より、世中を思ひ離れて」 3 人が他と関係し合いながら生活する場。社会。世間。*万葉‐三七六一「与能奈可(ヨノナカ)の常の道理(ことわり)」 4 国。天下。世界。*源氏‐若菜下「世中のまつりごとなど」 5 勢力の及ぶ範囲。力を発揮できる領分。*滑・八笑人‐三「ヲット〆たり、サアこっちの世の中だぞ」 6 世間普通であること。また、世間の習わし。*十訓抄‐一「まづ世中の物語などし給ひけるほどに」 7 社会の情勢。世相。*更級「その春、世中いみじう騒がしうて」 8 社会での境遇。世間の待遇。また、世間の評価。*源氏‐乙女「官(つかさ)、かうぶり心にかなひ、世のなかさかりにおごりならひぬれば」 9 生計。世渡り。*源氏‐梅枝「親なくて、世中かたほにありとも」 10 男女の情。夫婦仲。*伊勢‐一〇二「歌はよまざりけれど、世中を思ひ知りたりけり」 時の流れの一区切り。 1 人の一生。生涯。寿命。*万葉‐三九六三「世間(よのなか)は数なきものか」 2 統治者の在位期間。天皇の治世。*宇津保‐蔵開中「よの中はいとよく保ち給ふべし」 3 当節。当世。その時分。*宇津保‐春日詣「よの中に名高き逸物(いちもち)」 人間界をとりまく自然環境。 1 世間をとりまく空間的なひろがり。外界の様子。四方の自然。あたり。*古今‐五三「世中にたえて桜のなかりせば」 2 天候。気候。*仮・小さかづき‐五「はるあきの世の中もよく、五穀も<略>みのり」 3 農作物、特に稲の作柄。また、豊作。*今昔‐二四・四八「世の中辛くして、露食物无りける」 ●世の中改(あらた)まる 世の支配者・統治者がかわる。新しい御代になる。治世が変わる。 ●世の中は相持(あいも)ち 世の中は互いに助け合うことによって円満に事が運ぶということ。 ●世の中は三日(みっか)見ぬ間(ま)=の[=に]桜かな (桜の花がすぐに散るように)世の中の移り変わりの激しいことをたとえていう。 ●世の中は盲(めくら)千人目明(めあき)千人 世の中には無知な者もたくさんいるが、眼識をそなえたものもかなりたくさんいるということ。

日国 ページ 20293 での世の中単語。