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かみ【神】🔗🔉

かみ【神】 1 宗教的・民俗的信仰の対象。世に禍福を降し、人に加護や罰を与える霊威。古代人が、天地万物に宿り、それを支配していると考えた存在。自然物や自然現象に神秘的な力を認めて畏怖(いふ)し、信仰の対象にしたもの。*万葉‐三六八二「天地(あめつち)の可未(カミ)を祈(こ)ひつつ我待たむ」 2 神話上の人格神。*古事記‐上「高天(たかま)の原に成りませる神の名は」 3 天皇、または天皇の祖先。*万葉‐二三五「大君は神にしませば」 4 死後に神社などにまつられた霊。また、その霊のまつられた所。神社。*枕‐二八七「神は松の尾」 5 キリスト教で、宇宙と人間の造主であり、すべての生命と知恵と力との源である絶対者。 6 雷。なるかみ。いかずち。*枕‐九九「神いとおそろしう鳴りたれば」 7 人為を越えて、人間に危害を及ぼす恐ろしいもの。特に蛇や猛獣。*万葉‐三八八五「虎といふ神を」 8 他人の費用で妓楼に上り遊興する者。とりまき。転じて、素人の太鼓持。江戸がみ。 ●神掛(か)けて (神に誓っての意)自分の行動、言語、考え、判断などが確かであることを強調する時に用いる。ちかって。かならず。 ●神が手(て) 海神の手。海神の手中にあること。転じて、おそろしい荒海。 ●神ならぬ身 神でない、能力に限りのある、人間の身。凡夫の身。 ●神ならば神 ほんとうに神であるならば、霊験を現わし給え、と神に向かって呼びかけることば。 ●神の斎垣(いがき) 神社の神聖な垣。また、その垣に囲まれた所。神域。 ●神の男(おとこ) 神に仕える男。 ●神の少女(おとめ) 1 神である女。神性の女。 2 神に仕える童女。 ●神の木(き) 1 神霊が宿っていると信じられている木。また、神社の境内などにある由緒ある木。神木(しんぼく) 2 (1のように主があるところから)定まった夫のある女性。 ●神の国(くに) 1 神がその基を開き、かつ守護する国。かみぐに。神国(しんこく)。かんのくに。 2 ユダヤ教で、現在ではなく、終末時に現われる神の支配する国。 3 イエス‐キリストの教えで、神の力と生命とがすべてを支配する国。 ⇒親見出し ●神の気(け) 1 神のたたり。また、そのために起こる病気。 2 外に現われた神の力。神の威力。 ●神の子(こ) 1 (王を天帝の子とする思想から)国王。 2 イエス‐キリストの特別の呼び名。 3 キリスト教で、イエス‐キリストによって、救われた人々。 4 聖書で、超人的な存在、また、信仰深いイスラエルの呼び名ともされる。 ●神の言(ことば) キリスト教で、神の啓示の意。旧約聖書では、人間に対する神の意志、新約聖書では、イエス‐キリストおよびその弟子たちに対する神の語りかけを表わす。 ●神の僕(しもべ) キリスト教信者が自分自身をへりくだっていうことば。 ●神の正面仏(ほとけ)のま尻(しり) 神棚は正面の高い所に、仏壇は陰に設けるべきものだの意。 ●神の食薦(すごも) 神への供え物の下に敷くこも。竹をすだれのように編み、白い生絹を裏につけ、白い縁をとったもの。 ●神の=園(その)[=園生(そのう)] 神社の境内。神苑(しんえん)。特に、「祇」の字を「かみ」と訓ずるところから、祇園の社(京都東山の八坂神社)をさす。 ●神の旅(たび) 陰暦一〇月に、諸国の神々が出雲国へ参集するために旅立つこと。また、その旅。《季・冬》 ●神の民(たみ) 1 神から選ばれた民の意で、ユダヤ民族の自称。 2 天国の民の意で、キリスト教徒の自称。 ●神の=使(つか)い[=つかわしめ] 神に所属して、神の命令を伝える使いであるといわれる動物。稲荷の狐、春日の鹿、八幡の鳩など。 ●神の司(つかさ) 神に奉仕する人。 ●神の綱(つな) (「綱」は、よりすがって頼りとするものの意)神の助け。神の加護。 ●神の門(と) 1 神霊のいる恐ろしい海峡。神が門(と)。 2 神殿の入口。鳥居。 ●神の時(とき) 神々の時代。神代(かみよ)。神の御代(みよ)。 ●神の祝(はふ)り (「祝り」は、神をまつることを職とする人)神の祭祀をする人。神に仕える人。神主。神官。神職。 ●神の春(はる) 神を迎えためでたい正月。新年を祝っていう語。《季・新年》 ●神の日(ひ) 毎月、神を拝むことに決まっている日。特定の名称を持たない節日で、普通は、一日、一五日、二八日だが、地方によって違いがある。 ●神の火(ひ) 1 神が焼やすと考えられる火。不思議な火。神火(しんか)。 2 神社で神事に用いた火。これで物を煮ると幸福を得るという信仰から、正月の七草がゆなどを煮る。 3 神前に供えるあかり。灯明。 ●神の麓(ふもと) (山を神とみていう)山の麓。 ●神の神庫(ほくら)も梯(はしだて)のままに (高く近寄りがたい所でも、はしごをかければのぼれるの意から)どんなに困難なことでも、適切な手段を用いれば成し遂げることができるということ。 ●神の松(まつ) 正月に、神棚などに飾る松。 ●神の御面(みおも) (国土を神のお顔と見立てていう)国土の形勢。 ●神の御門(みかど) 1 神殿のご門。また、神殿。 2 皇居。朝廷。 ●神の御衣(みけし) 神のお召しになる衣服。 ●神の御子(みこ) 1 神がお生ませになった子。神様の子。 2 (天皇を神として)天皇の御子。皇子。一説に、薨去(こうきょ)して、神となった皇子。 3 キリスト教で、イエス‐キリストのこと。 ●神の命(みこと) 1 (「みこと」は「御言」)神のおことば。託宣。神託。 2 神を敬っていう。神様。 3 天皇を神として敬っていう。天子様。 ●神の御坂(みさか) (国境の坂に神霊を感じていう)神が支配する神聖な坂。神がおられるけわしい坂。*万葉‐四四〇二「ちはやふる賀美乃美佐賀(カミノミサカ)に幣(ぬさ)奉(まつ)り」 ●神の道(みち) 1 神が教え伝えた道。日本民族固有の祭祀。かんながらのみち。神道(しんとう)。 2 キリスト教で、神の福音を説く教義。 ●神の御戸(みと) 神殿の戸。また、社殿。 ●神の御室(みむろ) 神様のおいでになる場所。神の降臨する神聖な木などをいう。一説に、神社。 ●神の宮(みや) 神の宮殿。また、神社。 ●神の宮居(みやい) 神社。神殿。 ●神の御奴(みやつこ) =かみやつこ(神奴) ●神の宮寺(みやでら) 神社に付属している寺院。神宮寺(じんぐうじ)。 ●神の宮人(みやひと) 1 神、神社に奉仕する人。神官、巫女(みこ)など。 2 (天皇を神として)天皇に仕える人。大宮人。 ●神の社(やしろ) 神社。 ●神の代(よ) =かみよ(神代) ●神の世継(よつ)ぎ 神の世をお継ぎになる方。歴代の天皇。 ●神の留守(るす) 陰暦一〇月、諸国の神々がすべて出雲大社に集まるので、その鎮座の地を留守にするという俗信。《季・冬》 ●神は正直の頭(こうべ)に宿る 神は正直な人を守護し給う。正直の頭に神宿る。 ●神は非礼を受けず 神は礼にはずれた物は受納されない。正しくない目的で神をまつっても、神はその心をお受けにならない。 ●神は見通(みとお)し 神はどんな小さなことでも見ている。神はなんでもご存じであるから、ごまかすことはできない。 ●神も仏(ほとけ)もない 1 慈悲を垂れて下さる神も仏もないの意で、無慈悲、薄情なことのたとえ。血も涙もない。 2 神も仏も眼中になく、ただそのものだけが大切であるの意で、大事にし、尊敬する対象がそれ以外にはないことをいう。 ●神を掛(か)ける 約束や、誓いのために、神を引き合いに出す。神に誓いを立てる。

日国 ページ 4510 での単語。